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【2024年最新版】医学部の補欠合格の状況とは?私立大学の繰り上げ合格者や合格の可能性について解説

  • 公開日

カテゴリ:入試

本記事では2024年度の補欠合格者、繰り上げ合格者について詳しく解説しています。
記事内では私立大学医学部の補欠合格者の情報を各大学ごとにまとめて解説しているため、
補欠合格から繰り上げ合格できるか気になる方や志望校として選んでいる方は是非参考にし
てください。

補欠合格とは?


補欠合格は受験でよく聞きますが、実際は合格になる可能性がある状態のことです。
なぜ補欠合格というものが存在するのかやどうやって補欠とわかるのか、合格する可能性はどの程度あるのかについてご紹介します。

なぜ補欠合格は存在する?

なぜ補欠合格が存在しているのかについて説明します。
これは大学の各学部の定員数があり、大学はこれを超えてはいけません。
大学側も法人運営をするためにこの定員数がどれだけ充足しているかが重要です。
そのため、入試で複数合格した受験生が合格を辞退することを見越して定員より多めに合格を出し、充足率を100%に近づけます。
これが補欠合格が存在する理由です。
手続きが始まれば、足りない分を補欠合格から正規合格に繰り上げていく形になります。

補欠合格はどうやってわかるのか

補欠合格と分かる方法は大学によって異なります。
しかし、大半が合格発表の際に「補欠合格」と表示されている場合です。
他にも郵送で補欠合格が伝えられ、大学側のタイミングで繰り上げの発表がなされます。
最難関私立大学である早稲田大学や慶應義塾大学は合格発表・手続き締切、国立大学に合わせて2月後半から3月に発表されることが多いです。
繰り上げ発表は大学ごとに何回かに分けられていたり、1回で決まっていたり、突然来る場合もあります。

どの程度補欠合格から合格を勝ち取れるのか

どの程度補欠合格から合格を勝ち取れるのかについては、難しい問題です。
繰り上げ合格発表が何回かに分かれており、自分のランクや順位が発表されている場合は、どの程度繰り上げ合格を期待することができるかが読むことができます。
また、近年では補欠合格者が減少しています。
これは文科省による政策が関わっており、定員超過率の削減から大学側が合格者数を減らしました。
これにより大学が方針変更し、実質的な定員厳格化の緩和をし、正規合格者を多く出す大学も出てきました。
この傾向からも現状、正規合格しやすく補欠合格はしにくいといえます。

各大学の繰上(補欠)合格者数の推移


では、ここからは各大学の繰上(補欠)合格者の推移について詳しく解説していきます。

岩手医科大学医学部

2023 2022 2021 2020 2019 2018
81 92 88 76 106 51
2017 2016 2015 2014 2013 2012
69 110 80 84 60 84

岩手医科大学では、2020年度から対象者に対して補欠番号がつけられるようになりました。
この表では、毎年の繰り上げ合格者は100人前後とありますが、例年200人ほどの合格者が出ており、公表された繰り上げ合格者は入学辞退者は含まれていないため実際はこの数より多いと思われます。
2021年度には発表されたすべての補欠番号が繰り上げ合格となっています。

東北医科薬科大学医学部

2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016
186 非公開 237 225 181 127 156 197

東北医科薬科大学医学部では、2018年度の繰り上げ合格者は100人ちょっとですが、例年200人前後の補欠者が繰り上げ合格しており、他の大学に比べて比較的多く、補欠合格であったとしても合格する可能性は大いにあります。

獨協医科大学医学部

2023 2022 2021 2020 2019 2018
非公開 非公開 非公開 55 55 54
2017 2016 2015 2014 2013
28 非公開 非公開 非公開 非公開

獨協医科大学では直近の情報は公開されていませんが、例年約50人程度が繰り上げ合格していると思われます。

埼玉医科大学医学部

2023 2022 2021 2020
前期 後期 前期 後期 前期 後期 前期 後期
80? なし? 100? 9? 100 10 100 30

埼玉医科大学では前期では100人程度の繰り上げ合格者が出ていますが、後期では10人を切っている年もあり、補欠合格者のなかでも上位者のみの合格となっています。

国際医療福祉大学医学部

2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017
補欠Cの途中まで 補欠Dの途中まで 補欠Dの途中まで 補欠Dの途中まで 補欠Dの途中まで 補欠Dの途中まで 補欠Dの途中まで

国際医療福祉大学では、補欠者はA~Dまでに順位付けられます。
毎年区切りは変動していますが、各群には50名程度の対象者がいており、A群がもっとも繰り上げ合格に近い上位者となっています。
国際医療福祉大学は例年多くの補欠合格者を取っていますが、2023年度は正規合格者の数が増加したことで、繰り上げがC群までとなりました。

杏林大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
259人 一般:109人 セ:14人 一般:180人 セ:30人 140後半 114 前期:185人
後期:8人
セ利:41人
2018 2017
一般:非公開 セ:非公開 一般:164人 セ:67人

杏林大学医学部では、2023年度の繰り上げ合格者は100人ちょっとですが、例年200人前後の補欠者が繰り上げ合格しており、他の大学に比べてかなり多いため補欠合格者となった場合でも十分に望みはあるといえるでしょう。
特に2024年は、259人が補欠合格しているため合格できる可能性は非常に高いでしょう。

慶應義塾大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
18人 27人 44人 43人 41人 27人
2018 2017 2016 2015 2014 2013
49人 53人 43人 40人 16人 50人

慶應義塾大学医学部は、他の医学部よりも補欠合格者が少ないです。
特に課程変更前の2024年度入試は18人とかなり限られた人数になっています。

昭和大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
124名 149名 182名 182名 157名 179名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
23名 17名 12名 220名 210名 202名

昭和大学医学部は、杏林大学と同様に補欠合格者数が多い。
2019年より、特待生を例年の特待生を正規合格者としたため、補欠合格者数が増えている。

東京医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
一般65名
共テ28名
46名 126名 161名 71名 99名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
96名 56名 79名 78名 91名 68名

東京医科大学医学部は、2020年までは70人前後が補欠合格していると見られるが、2021年以降の補欠合格者数は読めない状況にある。
2021年度は、補欠番号143番まで全員合格し、2次不合格者からも18名繰り上げ合格しているので、望みは高いといえます。

東京慈恵会医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
67名 65名 79名 73名 150名 142名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
103名 102名 151名 184名 152名 203名

東京慈恵会医科大学医学部は、200名近い繰り上げ合格者数を過去に出すこともありましたが、ここ数年は、60~70名台で推移しており、2025年度から行われる課程変更の影響を受けずに補欠合格者数を出していることが分かります。

東京女子医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
非公開 20名 35名程度 99名 91名 94名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
39名 55名 72名 67名 57名 35名

東京女子医科大学医学部は、2019,2020,2021年度は90名以上の繰上合格者を出していましたが、2022年度は35名程度とかなり数が絞られました。
この傾向は2023年度も続き、繰上合格者は20名と繰り上げ合格者が多かった時期の四分の一以下となっています。

日本大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
前期:90名
後期:10名
前期:131名
後期:2名
前期:130名
後期:5名
前期:166名 前期:67名 前期:89名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
非公開 92名 119名 106名 100名 106名

日本大学医学部は、近年100名以上で推移していましたが、課程変更の影響もあってか2024年度は、補欠合格者数が減少しています。
それでも90人はかなり多い方なので、他の大学に比べて補欠合格の望みはあるといえます。

日本医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
非公開 前期:70名
後期:20名
前期:120名 前期:120名
後期:3名
前期:159名
後期:14名
前期:89名
後期:53名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
前期:172名
後期:51名
前期:189名
後期:13名
212名 243名 242名 241名

日本医科大学医学部は、他の大学に比べて後期にも補欠合格者はかなりいるため、後期でも諦めずに勉強し続けたいところです。

北里大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
非公開 165名 180名 275名 106名 161名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
55名 51名 89名 174名 97名 102名

北里大学医学部は、近年補欠合格者数が増えています。
2021年度は、補欠候補者全員が繰り上がり、275名合格となりました。
他の大学に比べて補欠合格者がかなり多いため、合格可能性は高いと言えます。

聖マリアンナ医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
非公開 89名 140名 190名 78名 134名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
50名 57名 135名 141名 112名 87名

聖マリアンナ医科大学医学部は、年によって違いはあれど、100名を超える年度が多いため補欠合格可能性が高いといえます。
年度によってかなり合格者数が違うので予想することが重要です。

東海大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
52名 一般:62名
共テ:38名
共テ神奈川:12名
共テ:13名
一般:24名
共テ:一桁後半
一般:34名
共テ:26名
85名 62名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
43名 7名 70名 74名 58名 45名

東海大学医学部は、60名前後で推移しており補欠合格者数は安定しているといえる。
共通テスト利用より一般選抜の方が補欠合格者数が多いため、一般選抜で補欠合格を狙いたいところです。

金沢医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
前期:57名
後期:2名
前期:108名
後期:4名
前期:63名
後期:5名
前期:104名
後期:8名
前期:117名 前期:86名
後期:3名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
非公開 非公開 非公開 100前後 70前後 60前後

金沢医科大学医学部は、2023年度までは、100前後で推移していたため比較的に安定しているが、共通テストの難易度が高かった2022年や課程変更前の2024年度は明らかに合格者数が減少している。

愛知医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
一般:106名
共テ前期:6名
共テ地域B:5名
一般:89名
共テ前:26名
共テ後:1名
共テ地域B:6名
一般:137名
共テ:30名
一般:94名
共テ:50名
59名 137名
2018 2017 2016 2015 2014
58名 66名 175名 92名 95名

愛知医科大学では、繰り上げ合格が他の大学に比べて回っており、2022年度2019年度2016年度の3回一次補欠が全員合格しています。
補欠合格の可能性がかなり高い大学だといえるでしょう。

藤田医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
前期:15名?
後期:3名?
前期:番号なし*
後期:10名?
前期:40番台
後期:10番台
前期:16名
後期:14名
前期:50名
後期:14名
2018 2017 2016 2015
30名 57名 非公開 前期:88名
後期:7名

*2023年度は共テ前期15番まで繰り上がった。
*2022年度は51名以上繰り上がり、番号なしの補欠まで回ってきた(不合格まで回ってきた)地域前期:30番、共テ前期11番、地域後期3番、共テ後期3番まで
*2021年度の採集繰り上げ日は、おそらく4月6日。
*2016,2017,2018年度は後期試験廃止。
2019より復活。
藤田医科大学医学部は、他大学と比べて年度によって繰り上げ合格者の人数に差があり、2022年度では不合格者まで繰り上がっているのに対し、2023、2020年度はかなり少なくなっている事が分かります。
私立医学部受験事情の動向についてしっかりと把握しておく必要があります。

大阪医科薬科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
前期:40
後期:1
共テ:0
前期:87
後期:5
共テ:13
前期:60
後期:4
共テ:3
番号なし 番号なし

※2021年度入試より補欠の人には「補欠番号」がつくようになった。
※2024年度の医学部繰り上げ合格状況は 一般選抜(後期)が12番目まででした。
至誠仁術入試(併願制)では1番のみ、共通テスト利用選抜は21番目までが繰り上げでの合格となりました。

関西医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018
174? 120前半? 番号なし 番号なし 番号なし 番号なし

※2022年度入試より「補欠番号」がつくようになった。
※2023年度入試では補欠候補者数が72名で、うち6名が繰り上げ合格。
2024年度入試では補欠候補者数が31名、繰り上げ合格者数が2名でした。
関西医科大学前期日程はどの入試区分でも繰り上げは多くありませんでした。

近畿大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020
6? 26? 60中盤 70前半
2019 2018 2017 2016
23 非公開 非公開 40

※表記の数値は「補欠番号」です。
※2024年度入試の繰り上げ合格者数は非公表です。

兵庫医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018
96 41 60 61 82 88 92
2017 2016 2015 2014 2013 2012
86 82 75 81 76 70

※選抜B高大接続型の繰り上げ合格者は2021年度3名、2022年度9名、2023年度5名です。
※繰り上げ合格者には入学辞退者が含まれていません。
例:2021年度では4/2に補欠番号140ほどが繰り上げ合格をした。
繰り上げ入学者が61名ですので79名ほどが入学辞退者となります。

久留米大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019
非公開 前期:34名
後期:0 名
前期:34名
後期:0
前期:27名
後期:3名
前期:38名 前期:33名
後期:3名
2018 2017 2016 2015 2014 2013
31名 33名 30名 9名 37名 44名

※公表されている繰り上げ合格者は入学辞退者が含まれていません。
2023年度は70番台前半まで繰り上げ合格が回ってきたそうです。
2021年度は、3月30日に補欠順50位の生徒に繰り上げ合格が回ってきました。
50(補欠番号)-27(大学公表繰り上げ者)=23(入学辞退者) 23名の方が入学辞退

産業医科大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018
21 18 21 32 17 21 23
2017 2016 2015 2014 2013 2012
25 13 15 17 10 9

2021年度は補欠が全て繰り上げ合格となり、2次不合格者から繰り上げ合格を出したそうです。

福岡大学医学部

2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018
10名 系統別:16名
共テ:5名
系統別:65名
共テ:35名
54名 86名 80名 19名
2017 2016 2015 2014 2013 2012
62名 29名 43名 65名 51名 35名

福岡大学医学部の繰り上げ合格者数は、年度によって大きくばらつきがあります。
2022年度は、系統別入試と共通テスト利用入試の繰り上げ合格者が合わせて100名いましたが、2024年度は10名とかなり少数に限られました。

医学部の補欠合格事情について


最後に医学部の補欠合格事情について説明します。
医学部医学科では、正規合格者よりも補欠合格者のほうが多くなる場合が多くなっています。
大学によっては、例年多くの正規合格者が特待生枠に入るところもあるようです。
成績順位が発表されるため、過去の繰上げ合格者の順位をチェックし、自分の結果では繰り上げの可能性があるかだいたいの予想をたてることができます。
そもそも医学部医学科は大学数が少なく、また、定員超過が許可されていません。
そのようななかで、昨今問題となっている医師不足の現状から、定員充足率をできるだけ上げることが重要となっています。
そのため、医学部医学科は補欠合格が多い傾向となっています。

まとめ


今回は、医学部医学科の補欠合格について解説しました。
医学部医学科に繰り上げで合格できるかは、政府の政策やその年の入試状況によっても左右されます。
また、過年度のデータから、大学によってどのくらいのレベルがおおよその基準になるかなどの傾向がつかめます。
医学部受験にご興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

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