医学部の受験料はどれくらいかかる?必要な費用や宿泊費・交通費についても解説
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カテゴリ:料金・費用
医学部と聞くとお金がかかるというイメージを持っている人が多いと思います。
このコラムでは医学部の受験にかかる費用について項目別に詳しく解説していきます。
受験生がいるご家庭ではどれくらいの費用が必要になるのか気になるでしょう。
受験に向けて必要な費用は受験料、交通費、宿泊費が主となります。
医学部受験を考えている方、保護者の方は是非参考にしてみてください。
医学部受験にかかる費用
まずは、医学部受験にかかる費用についてまとめてみました。
受験料
国公立大学を受験した場合と、私立大学を受験した場合では受験料は大きく異なります。
まず国公立大学を受験する場合は、日本国内のどの大学を受験したとしても授業料としてかかる金額は同じです。
それに対して私立大学を受験する場合は、国公立大学の受験料と比較して全体的に高い傾向にあります。
また私立大学では学部によっても授業料が違いがあり、その中でも医学部は他の学部よりも受験料が高く設定されていることが多いです。
具体的な授業料は後程詳しく説明します。
交通費
受験をするにあたって、受験会場までの交通費がかかります。
私立大学の一般入試は全国の主要都市で受験できるようにしている大学もありますが、全ての大学がしているというわけではありません。
遠方の志望校まで赴いて受験する必要がある場合や、国公立大学の二次試験などでは、長距離の移動が必要となる場合があるため、新幹線や飛行機などを利用しなければならないケースもあるでしょう。
遠方の場合は宿泊費
遠隔地の大学を受験する場合は、交通費だけではなく宿泊費がかかることもあるでしょう。
当日、自宅からだと受験時間に間に合わない場合は前泊する必要があります。
受験する大学の数が増えれば増えるほど宿泊費、交通費共に費用がかさんでいきます。
例えば地方在住の方が関西の大学を受験する場合、受験日が近ければホテルに連泊、日にちが空いてしまう時は何度か自宅との往復をしなければならないこともありえるでしょう。
納付金
私立大学を併願して合格した場合、本命の学校の合格発表より前に入学手続きが締め切られるパターンがあります。
合格を無駄にしないためにも合格通知をもらった学校に納付金を押させておくことで、保険をかける必要があります。
初年度の納付金は、入学金に加えて、授業料、実験実習料などからなります。
私立大学医学部は併願受験をしている受験生が多いため、入学手続きを2回に分けている大学もあるので注意しましょう。
すべての納付手続きが完了した後に本命の学校の合格が分かったときには3月中に入学辞退を申し出れば、入学金以外の納付金を返してくれるところがほとんどです。
ただし、私立大学医学部の入学金は100〜200万円が相場です。
入学辞退した場合は戻ってこないので慎重に受験する学校を選びましょう。
総額は?
医学部を受験するにあたって必要な費用として、主に受験料、交通費、宿泊費、納付金があることを説明しました。
以下の表に各費用がおおよそどれくらいかかるのかを示します。
費用名 | 費用額 |
---|---|
受験料 | 18,000円(共通テスト)17,000円(国公立二次)25,000~60,000円(私立二次) |
交通費 | 約30,000円(例:大阪⇔東京(往復)) |
宿泊費 | 約8,000円(例:ビジネスホテル) |
納付金 | 100~200万 |
表に示した費用額は一例ですが、医学部受験の際には併願する場合が多いことを考慮すると、総額はかなり高くなります。
ちなみに、日本政策金融公庫によると、併願校受験も含めた大学受験時の費用額は、約28万~32万円と報告されています(令和3年度 教育費負担の実態調査結果)。
受験料は国公立大学と私立大学で大きく異なる
先程示した表からも分かるように、国公立大学と私立大学の受験料には大きな差が見られます。
国公立大学の場合
国公立大学を受験する場合、大学入試共通テストと各大学の二次試験を受ける必要があります。
大学入試共通テストの受験料(医学部においては5教科7科目の受験が必須)は、18,000円です。
また、二次試験における受験料は、全国一律で17,000円と定められています。
さらに、国公立大学には後期日程があるため、後期も受験する場合には追加で17,000円が必要となります。
私立大学の場合
一方で、私立大学を受験する場合は、国公立大学の場合とは異なり受験料が一律ではなく、大学によって金額が異なります。
共通テスト利用入試においては、実施している大学とそうではない大学があり、受験料は60,000円としている大学が多くなっています。
自治医科大学の受験料は20,000円であり、大学によって金額に大きな違いがあることが分かります。
受験料を少しでも抑える方法
このように、医学部受験の際には、受験料や交通費、宿泊費、納付金など多額の費用がかかることが分かります。
では、少しでも費用を安く抑える方法はあるのでしょうか。
ここでは、受験にかかる費用を抑えるための方法についていくつか紹介していきたいと思います。
国公立大学を志望する
受験料を抑えるための方法の一つとして、「国公立大学を志望する」ということが挙げられます。
ここまで述べてきたように、私立大学における受験料は、国公立大学の受験料に比べてかなり高くなっています。
受験費用だけでもかなりの金額になるため、複数の大学を併願することになると、さらに費用がかさむことになります。
したがって、国公立大学を志望することによって、受験料を抑えることができ、また仮に同じ金額を出すことになった場合でも、併願校を増やすことが可能になります。
近くの大学を受験する
また、「自宅近くの大学を受験する」ということも費用を抑えるための方法の一つです。
遠方の受験地になればなるほど、当然のごとく交通費や宿泊はかさみます。
また、慣れない環境下での宿泊によって、体調が整わず受験本番で実力が発揮できないというデメリットも考えられます。
ちなみに、ここでの裏技としては、受験地近くの友人や親戚の家に宿泊させてもらうという方法です。
宿泊費を抑えることができるとともに、初めての場所よりも安心して過ごすことができるという精神的な面でのメリットがあります。
様々な割引を利用する
さらに、「様々な割引を活用する」のも有効な手立てです。
例えば、交通費であれば往復割引や学生割引、早期割引というものがあります。
往復割引と学生割引は併用できるため、利用できるものはしっかりと利用して、出費を押さえていきましょう。
また、ホテルであれば、受験期には受験生のための応援プランを用意している施設もあります。
専用のプランを予約すると、割引が適用されるだけでなく、バイキング形式の朝食が無料となる場合も多くあります。
しかし、このようなプランの予約の競走倍率は高くすぐに埋まってしまうため、受験のスケジュールが定まり次第すぐに動き始めるのが吉でしょう。
受験費用は個人ごとに異なる
医学部受験にかかる費用には個人差があります。
ひとりひとり志望大学が違えば、環境も違います。
国公立大学のみ受験するのか、あるいは私立大学を併願するのか、何校併願するのか、で受験費用も大きく変わります。
また近くの大学を受験するのであれば交通費のみですが、遠方の大学を受験する場合は交通費にプラス宿泊費もかかります。
医学部受験の最安値は近くの国公立大学のみの受験で、いくらかの交通費と国公立大学前期日程大学の受験料1万7000円だけとなり、後期日程大学に同時出願したとしても合計3万4000円で済みます。
ですが、遠方の大学を受験する場合は上記受験料に加えて遠距離の交通費と宿泊費として約4万円程が必要になります。
また私立大学を併願する場合は、医学部入試の1大学の受験費用は一般入試が6万円程、センター利用であれば3万~4万5000円程が受験する大学それぞれにかかりますので、何校併願するのかで受験料が大幅に変わってきます。
複数大学併願の場合は受験料だけで100万円近くかかることもあります。
これに交通費と宿泊費を合わせると100万円を超えることになります。
また私立大学は一次試験と二次試験の2回受験となるため一次試験に合格すると二次試験のための交通費および宿泊費が必要となります。
まとめ
医学部大学合格を目指すには受験するだけでもかなりの費用が必要になります。
国公立のみか、私立を併願するのか、また何校併願するのかで費用にかなりの差があります。
成績状況を見て、遠方への受験を検討するようでは受験への覚悟がぐらつく可能性も出てくるでしょう。
思ってもいなかった遠距離移動、宿泊等は不安要素になりかねません。
また費用の負担にもなります。
そうならないためにも早い段階で、夏までには遠方の大学受験も視野に入れ、親子できちんと話し合い、どのような受験にするかを双方納得した上で受験スケジュールを立てるようにしましょう。