模試とは?ドッキング判定や模試の選び方・種類について徹底解説
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カテゴリ:基礎知識
大学受験をする際に、自分の現状の成績を判断する材料として多くの人は模試の結果を確認していると思います。
模試は大手予備校や企業が提供していますが、沢山ある模試の中でどのような違いがあるのか、特徴があるのか、自分はどれを受けるべきなのかをまとめてみました。
受ける模試を選ぶ参考にしてみてください。
模試とは?定義や意味について
まずは模試について詳しく解説していきます。
模試は何を指す?
模試というのは【模擬試験】の略称であり、入学試験本番を想定し行う試験のことを言います。
駿台予備校やベネッセコーポレーションなどが独自の模試を実施しており、最近では会場に行って受けるだけではなく、オンライン模試や自宅模試なども行われています。
偏差値とは?
模試の基準となるのが偏差値と呼ばれるものになります。
模試の結果や大学入試の結果でよく耳にする人が多いでしょう。
偏差値とは、その試験の受験者全員の中で自分がどのくらいに値するのかを統計的に割り出した数値のことを言います。
模試は毎回内容や難易度が変わるため、同じ70点を取ったとしてもその点数がいいものなのか、模試全体の難易度が低く多くの受験者が到達している点数なのかは分かりません。
偏差値は平均点と点数のばらつきを考慮して相対的に算出しているので70点がどの程度のレベルだったのかを把握することができます。
ドッキング判定とは?
ドッキング判定とは、入試に見立てて大元が同じ共通テスト模試・記述式模試を受けることにより判定を出すものになります。
マーク模試を共通テストに、記述模試を二次試験に見立てることにより、より本番に近い判定結果を得られやすくなります。
より精度の高い判定結果が知りたい場合はドッキング判定ができる模試を受けることをおすすめします。
偏差値のとらえ方について
偏差値について詳しく解説していきます。
自分の立ち位置を知る
前述した通り、偏差値は自分の立ち位置を知るときに役に立ちます。
偏差値は50を基準とし、平均からどのくらいの差があるかを示した数値になります。
偏差値75であれば上位0.62%に位置しており、受験者が1,000人なら順位は6位前後となります。
学校の定期テストで上位であっても、入試では通用するとは限りません。
入試は全国の受験生がライバルとなるため自分と同等かそれ以上のレベルの受験生が大勢います。
そこで、全国の受験生が対象となる模試を受けることにより、どのくらいの確率で志望校に合格できるのか、自分の立ち位置を把握できるようになります。
自分に足りないところを意識する
模試の成績表には、偏差値や科目別成績の他にも設問別の全国平均点との差なども記載されています。
自分の弱みが目に見えてわかるため、苦手分野を把握しやすくなります。
自分の弱点を知ることで、本番に向けての対策を練ることもできるので出来るだけ早めに確認してみましょう。
模試を受ける目的に合わせてどの模試を受けるべきか決める
様々な模試の中からどれを選べばいいのかを目的別にまとめてみました。
今の実力や立ち位置を知りたい、基礎力を見る
高校1、2年生向けに今現在の自分の学力を確認する模試があります。
駿台atama+学力判定テストは、教科書の内容に沿った基礎的な内容が出題されているため、基礎力をチェックするのに適している模試です。
年に数回実施されるので定期的に受けることで実力を把握する手段として活用してみましょう。
志望校の入試で小論文がある場合は、どれくらい書けるのかをチェックするためにも小論文対策模試を受けるのも効果的と言えるでしょう。
より本番に近い形で受験する
受験直前には、本番に近い形の模試で入試の予行練習をするのがおすすめです。
受験が近づいてくると【共通テストプレ】というような模試が出てきます。
また、難関大学や有名大学の場合は大学名を冠した【冠模試】というものもあります。
こういった模試は受験本番を想定していて練習という意味合いが強いものになっています。
本番で力を発揮するためには、
・本番に近い他の人がいる環境で問題が解けるか
・緊張や予想だにしていないトラブルに対処できるか
・問題を解く順序、解答の戦略を実践できるか
・答案用紙の使い方はあっているか
このあたりが課題となってきます。
本番に近い環境で同じ形式の問題を解くという事は沢山経験できることではないので有効活用していきましょう。
模試にはどんな種類がある?
模試、と一言にいってもどのような模試が行われているのでしょうか。
続いては模試の種類を解説していきます。
基礎レベルの模試
基礎レベルとしてあげられるのはマーク式の模試になります。
基礎学力定着を目的としている教科書レベルの模試のため基礎力の定着をはかりたい人におすすめです。
またマーク模試は共通テストを想定したものになります。
共通テストの出題傾向に準じ、表現力、判断力、思考力等の定着をはかる目的があります。
駿台atama+学力判断テストなどは基礎的な学力の定着を目的としたテストなので、基礎レベルの模試といえるでしょう。
またベネッセ・駿台模試も基礎問題が多いのでおすすめです。
応用レベルの模試
記述模試になると、マーク式とは異なり自分で文章を考えて答える応用レベルの設問が多くを占めます。
難関国立大学、私立大学や医学部の入試対策として受験する学生も非常に多くなるため、マーク式よりも難易度、レベルともに必然的に高くなります。
記述模試の目的は、記述問題でも解答能力を確認するものになります。
記述問題は、国公立大学の二次試験や私立大学の一般受験で出題されるため、受験を考えている人は必ず受けておきましょう。
各大学ごとの志望校別の模試
特定の難関大学を受験する人に向け実施される模試を【冠模試】と呼びます。
各大学の出題傾向に沿って構成されています。
その名の通り「東大入試オープン」、「京大入試実戦模試」、「阪大本番レベル模試」など、大学名を模試の名前に付けています。
基本的には旧帝大や早稲田、慶應等が対象になっているものが多いです。
同じ予備校、企業が主催している模試でも内容により難易度が違います。
一般的に、難関国公立大学、私立大学対策のための模試や冠模試は出題問題のレベルが高い内容になることが多いです。
志望校の冠模試がある場合は、受けておくことをおすすめします。
模試別・どの模試を受けるべきかの選定基準
沢山ある模試からどれを受けるべきかまとめてみました。
河合塾模試
河合塾の模試は難易度が標準的と言われていて、受験数が多く偏差値や合格判定の信頼度が高い点が特徴です。
高校1、2年生には、自分の実力や苦手分野を知るためにも全統模試をうけるといいでしょう。
年に1回実施されているプライムステージという記述模試は、全統記述模試よりも難易度は高いです。
また、武蔵野美術大、京都市芸大、東京芸大などの実技模試も実施されています。
駿台模試
駿台予備校の模試は、テストにより異なった難易度になることが特徴です。
ベネッセとも共催して記述模試や共通テスト模試を実施しています。
高校1、2年生向けに駿台模試とアドバンストが実施されていますが、難関国立大学、私立大学や医学部を目指している人には難易度が高い駿台模試を受けることをおすすめします。
アドバンストはZ下位と共催で行われていて、駿台模試より難易度は易しく設定されています。
進研模試
進研模試とは、ベネッセコーポレーションが行っている模試で、全国の3000校の高等学校が利用している、国内最大規模の模擬試験です。
学校単位の申し込みで個人の申込は原則できません。
学校単位の申込であるため、大学受験を目指さない高校生も受験するため、難易度は低めで他の模試と比べると偏差値は高めに出ることが特徴です。
東進模試
東進模試は、河合塾や駿台が実施する模試に比べると受験数は少ないため判定の精度があまりよくないとも言われていますが、試験が終わった後6日目には、成績が戻ってくるので、模試の記憶が残っている間に結果を知ることができます。
また、毎回、実際の入試と同じレベルの問題が出題されるため、自分自身の学力の伸びを感じることができます。
東進模試の特徴としては、冠模試が多いところです。
難関国公私立大学だけでなく、中堅の国公立や私大向けの模試もあるため、中堅ランクを受験する場合に活用してみると良いでしょう。
また、共通テスト同日受験体験模試も行われるため、高1,2年生は受験してみるのも良いでしょう。
代ゼミ模試
代々木ゼミナールが開催する模試は、他の予備校と比べると少なく、受験生も少なめです。
そのため判定の精度は落ちますが、冠模試が早めから行われるため、早めに過去問に取り組みたい受験生などにおすすめです。
代ゼミ模試にはドッキング判定はありません。
まとめ
この記事では、模試の種類やドッキング判定、偏差値の捉え方について解説しました。
大学受験のための模試は数多くあり、どのような種類があり、それぞれの模試の特徴についてご理解いただけたかと思います。
どのような目的で模試を受けるのか、自分にはどのような模試が合っているのか、模試を受ける際に、こちらの記事を参考にしていただけると幸いです。