過去問演習の正しいやり方・メリットとは?注意点や活用方法を徹底解説
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カテゴリ:勉強・対策
本記事では大学受験における過去問演習のやり方を徹底解説します。
記事内では過去問演習の正しいやり方や活用方法、メリットなどについて解説しています。
大学受験を考えている方や過去問の正しい使い方について詳しく知りたい方は是非参考にして下さい。
大学受験における過去問演習
大学受験における過去問演習は非常に重要です。
ここでは、どのようなところに力を入れるべきかを一緒に考えてみましょう。
過去問演習は学力UPではない
まず過去問演習は学力UPさせるものではないということです。
なぜかというと過去問の種類にもよるのですが、多くは問題、解法というパターンになっています。
そのため、類似問題や効率よく解く方法、理解を深めるための解説は掲載されていません。
このことから過去問は学力アップとして用いることは難しいです。
理解力を身につける場合は、参考書や問題集を利用しましょう。
過去問演習は入試傾向をつかむ必要がある
過去問演習は入試傾向を掴む必要があります。
大学はそれぞれオリジナルで問題を作ったりするため、頻出や出題範囲、傾向が異なります。
そのため、自分の受験する大学の対策が必要です。
過去問は複数年掲載されている為、解いていく内に理解することができ、本番の入試で役立てることができます。
過去問演習は赤本や青本などがある
過去問演習を行う際には赤本が一番主流です。
しかし、各大手予備校から青本・黒本・白本などさまざま出版されています。
今回は過去問として特に人気のある赤本・青本について解説していきたいと思います。
赤本は、多くの大学を取り扱っています。
そのため、幅広い人が利用できます。
収録年数は3-7年となっています。
そこまで深く解説されていないため、読んだだけで理解することが難しい方もいます。
読んでみて分からないところがあれば、そこからまた学校の先生や予備校の講師に質問してみましょう。
続いて青本は駿台が出している過去問題集です。
青本は、駿台に在籍している有名講師が詳しく解説している為、比較的解説が丁寧であることから人気を得ています。
参考書のように、解き方のコツなどはありませんが、赤本に比べても詳しく書かれている為、わかりやすいという特徴があります。
過去問演習のやり方は?
過去問演習は、志望校に向けた対策です。
やり方をしっかりと知っているだけで効率よく学習することができます。
今回は、5つに分けて過去問演習の正しいやり方について解説します。
本番通り時間制限に合わせて解く
本番通りの時間制限に合わせて解くことです。
最初は時間が足りない科目があるかもしれませんが、それも今の実力で、これから改善していく必要があると気づくことができます。
そのため、時間は必ず測って解きましょう。
わからない問題も制限時間後に解いてみる
わからない問題も制限時間後に解いてみるということです。
もし解くことができれば、時間をかければ解ける問題であることが分かります。
ここにかける目安時間としては、本来の制限時間の半分程度にしておきましょう。
解説や参考書を見て問題を理解する
問題を一つ一つ理解するということも非常に大切です。
そのためこれまで解いてきた参考書などを見て解いてみましょう。
解くことが出来た場合は、もう一度参考書をしっかりとやると、点数になる問題です。
また、どこの単元を復習すべきかもわかります。
知識問題などは常に覚える体制でいましょう。
答え合わせをする
やっと答え合わせですが、ここではまだ解答のみを見ます。
正解を見てそこから逆算し、根拠を自分で考えてみることが自分の力になります。
1問3分程度を目安に自分で解説を作ってみましょう。
これでも分からなかった場合は解説を読みましょう。
解答を読んでできたところとできていないところを理解する
自分で考えた解説と実際の解説を比較して、間違えた要因を掴みましょう。
ここから対策法もわかるため、復習を行っておきましょう。
過去問演習を行うメリット
過去問演習をおこなうメリットは多くあります。
大学受験をする人はどの大学のレベルであっても過去問演習を行います。
どんなに学力が高くても、大学の入試傾向が掴めていないと解けない場合もあります。
そのため、メリットをご紹介します。
入試の傾向がわかる
過去問演習を行うことで入試の傾向が分かるようになります。
過去問演習では数年から数十年分過去問を解くので、どのような形式・問題が出題されるか出題傾向が分かるようになります。
大学ごとで傾向なども全く違うため、自分の志望校の過去問対策を行い、それにあった対策を行いましょう。
自分と志望校合格の間に差がどれくらいあるのかがわかる
過去問演習を解くことで自分と志望校の差が目に見えて分かる形になります。
合格者平均や合格最低点などを開示している大学もあるため、自分の点数と比べ差を見つけることができます。
そこから最終的に大学に合格するために、逆算して考えるようにしましょう。
また、大学の出題レベルにあった学習をするということが重要です。
そのため過去問を解いて、大体の出題レベルをつかみ、どのくらいの難易度の問題を解ければよいか把握しておきましょう。
過去問演習は内容を意識する
過去問題演習では内容を意識することが必要です。
大学側も問題の難易度で点数にばらつきをあたえます。
そのため、解けるものはしっかり解く、捨てるものがあれば捨てるというような内容をみて考える問題もあります。
問題の解けたレベルに合わせて解説します。
理解して解けた問題
理解して解けているのであれば、これからも100%で取れるようにしておきましょう。
もっと良くする方法として、時間がかかっていればかからないようにスピードを早めて解けるようにする、参考書ありきで解けたならば、参考書を復習して使わなくても解けるようにしておくといったことが必要です。
なんとなく解けた問題
なんとなくで解けている場合は、しっかりと根拠をもってこたえられるようその分野の出題形式に慣れるため、分野別問題集を活用しましょう。
英語であれば、リスニング・アクセント・和訳・和文英訳・英作文などがあります。
なんとなく解けている問題のように、点数を取れる可能性がある問題かつ、潜在的に解けている問題を1つ1つ確実にしていくことで、周囲と差を付けることができます。
分野を中途半端にするのではなくある程度基礎が出来たら一つ一つを確実にできるような勉強法に切り替えていきましょう。
特に英作文のある大学は配点が大きいことが多いので、優先度を上げて考えましょう。
解けなかった問題
解けなかった問題に対しては、対策を行う必要があります。
次出てきたときには必ず解けるように、復習をしっかりと行いましょう。
そして忘れたころにもう一度解いて定着させるというのも有効的な方法です。
ただ考える時間より他の問題に回した方がよい場合もあります。
というのも、大学受験では満点を取らなくても合格できます。
無理して満点を目指す必要はなく、合格ラインに向けて学習しましょう。
一部の赤本や青本には、合格者の平均点や最低合格点が記載されている学校もあります。
これらの数値を参考にしながら、傾向を把握してバランスの取れた学習を心がけましょう。
また、自分では対策の検討がつかない場合は、学校の先生や予備校の講師に質問してみましょう。
過去問演習は何年やるべき?
過去問演習は何年分遡って行うのがいいか解説します。
少なくとも5年分は取り組む
基本的に過去問演習を行う際は、第一志望の最新年度の過去問から取り組みましょう。
全く同じ問題が連続で出ることはありませんが、最近の問題傾向をつかむことが重要です。
古いものは多少傾向が違う可能性があります。
まずは、制限時間内に合格最低点が取れるまで行うのがいいでしょう。
多くの年度をやればやるほど成績が伸びると錯覚する人がいますが、大きな間違いです。
また、知識量が少ない人はあまり過去問演習を行う意味がないので、問題演習を重点的に行いましょう。
ある程度知識が増え点数が取れるようになったら、まずは5年分取り組んでみましょう。
10年間は取り組みたい
過去問演習をするからと言って学力が向上するわけではありません。
学力の向上が目的であれば、解説が充実している参考書や問題集を用いて学習をしましょう。
大学により出題される内容は異なるため受験する大学に合った対策が必要となるので、過去問演習が必要となります。
どのような問題がよく出題されているのか把握するために過去問演習を行いましょう。
10年分の過去問演習を行えば、傾向はつかめるでしょう。
繰り返しになりますが、過去問演習だけではなく、知識を増やすための学習も十分行いましょう。
過去問の結果がすべてではない
過去問演習の結果は全てではありません。
そのことを念頭に置いて学習を進めていきましょう。
あくまで傾向をつかむ教材
大学受験当日には、過去問と似た傾向の試験が出題されることがよくありますが、過去問は過去の出題内容に過ぎず、あくまで傾向をつかむ教材です。
そのため、過去問だけを頼りに勉強するのはおすすめできません。
過去問を参考にしながらも、出題範囲を広くカバーすることが重要です。
未出題の分野が問われる可能性も大いにありますので、幅広く準備しておきましょう。
苦手分野は塾や参考書で克服する
苦手分野は塾や参考書で克服しましょう。
過去問の解説には、「この問題はこう解く」という解説は載っていますが、問題から本質を見抜き、一人で解けるように知識を昇華するのは、個々人に任されています。
そのため、苦手分野は解説を読むだけでは克服できないことも多くあります。
また、過去問には「応用性の高い学びが得られる問題だけ」が載っているわけではなく、悪問も奇問も含みます。
一方、参考書には、応用力を問われる問題が載っており、学習効果が高い問題が選定されています。
参考書を十分にやらず、早めに過去問演習を行うと、早々に成績が頭打ちになる可能性があるので注意しましょう。
また、全ての問題が解ける必要はないことも考慮すべきです。
合格最低点は6−7割であるため、本番では解くべき問題と、解けなくてもよい問題を見極めることが重要です。
しかし、過去問においてどの問題が解かなくてもよい問題かを個人で判断するのは困難です。
本番で解かなくても良い問題に時間を使うことがないように、その道のプロである塾に相談してみると良いでしょう。
過去問よりも難しい問題はやらなくていい
出題傾向を調査しても、期待通りの結果にならない場合が多くあります。
というのも、私立大学では特に、出題傾向が大幅に変わることがあるためです。
特定の分野に焦点を当てるのはリスクが高いので、避けることが望ましいです。
不確実性を減らすためには、出題傾向を追い求めるのではなく、過去問の難易度を理解することが重要です。
そのため、過去問の難易度を超える問題や問題集に手を出さないようにしましょう。
過去問より難しい問題に取り組むと、時間を無駄にしてしまうことがあります。
必要なレベルの問題だけを解くことで、自信を持ってこの問題は捨てるべきかを判断することができるようになります。
すなわち、過去問レベルの問題を網羅的に解くことが合格につながります。
そのためには時間の効率的な使い方が理想的で、得点につながらないことに時間を費やすのは避けるべきです。
過去問に過度な期待を寄せず、必要な知識を獲得するために時間を使うことが重要です。
まとめ
こちらの記事では、過去問演習の正しいやり方や活用方法、メリットなどについて紹介しました。
大学受験の過去問は、実際に解いてみることでの活用のほか、志望大学の出題傾向や難易度を把握するためにも使います。
各大学ごとに出題内容や形式が異なるので、過去問を通して何が出題されるかを把握しておきましょう。
ただ、過去問の出題分野だけに絞って勉強するのではなく、あくまで参考として網羅的に全範囲を勉強することが重要です。
また、自身の学力と志望校の難易度を比較することで逆算して勉強できることや、捨て問を判断できるようになるなど、過去問演習を行うメリットは大いにあります。
正しく過去問演習を行うことで、合格に近づくことができるでしょう。
大学受験をお考えの方は、是非他の記事も参考にして下さい。