進級率が高い・低い医学部はどこ?留年が多い大学を国公立・私立に分けて解説
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本記事では進級率が高い・低い大学・医学部を国公立大学・私立大学に分けてそれぞれ解説しています。
記事内では留年する理由や医師になるのが難しい理由についても解説しているため、医学部進学後に医師になれるか不安な方や無事卒業したい方は是非参考にしてください。
目次
全医学部ランキング 進級・卒業試験・医師国家試験合格率
以下は、私立大学・国公立大学の全医学部の進級率と卒業試験合格率、医師国家試験合格率をランキング形式にまとめたものです。
順位 | 大学名 | 進級率 | 卒業試験合格率 | 医師国家試験合格率 |
---|---|---|---|---|
1 | 順天堂大学 | 96.4% | 96.4% | 100.0% |
2 | 岡山大学 | 100.0% | 99.1% | 96.0% |
3 | 琉球大学 | 96.6% | 96.6% | 97.6% |
4 | 名古屋大学 | 97.3% | 97.3% | 95.6% |
5 | 慶應義塾大学 | 94.7% | 93.0% | 99.1% |
6 | 三重大学 | 93.6% | 93.6% | 98.4% |
7 | 自治医科大学 | 94.3% | 92.7% | 99.2% |
8 | 東京慈恵会医科大学 | 93.6% | 92.7% | 97.3% |
9 | 東北医科薬科大学 | 96.0% | 91.0% | 98.9% |
10 | 山口大学 | 92.3% | 92.3% | 96.9% |
国公立大学・私立大学の全医学部を比較したうえで、最短で医師になる確率が高いのは順天堂大学だといえます。
しかし、進級率と卒業試験合格率ともに3.6%の人は、最短の6年間で卒業できていないようです。
一方、岡山大学では進級率が100%と、全員が進級することができていますが、卒業試験は0.9%の人が通らなかったようです。
また、国公立大学医学部の中では、琉球大学は比較的入学難易度が高いわけではないのですが、最短で医師になる確率が97.6%と非常に高い数値だといえます。
なにがなんでも最短で医師を目指す方は、琉球大学医学部が狙い目ではないでしょうか。
私立医学部ランキング 進級・卒業試験・医師国家試験合格率
続いて以下は、私立大学の全医学部の進級率と卒業試験合格率、医師国家試験合格率をランキング形式にまとめたものです。
順位 | 大学名 | 進級率 | 卒業試験合格率 | 医師国家試験合格率 |
---|---|---|---|---|
1 | 順天堂大学 | 96.4% | 96.4% | 100.0% |
2 | 慶應義塾大学 | 94.7% | 93.0% | 99.1% |
3 | 自治医科大学 | 94.3% | 92.7% | 99.2% |
4 | 東京慈恵会医科大学 | 93.6% | 92.7% | 97.3% |
5 | 東北医科薬科大学 | 96.0% | 91.0% | 98.9% |
6 | 国際医療福祉大学 | 95.7% | 89.3% | 99.2% |
7 | 昭和大学 | 85.7% | 85.7% | 97.5% |
8 | 東京女子医科大学 | 93.9% | 93.0% | 89.2% |
9 | 大阪医科薬科大学 | 86.7% | 86.7% | 93.5% |
10 | 藤田医科大学 | 83.3% | 82.5% | 98.2% |
順天堂大学に続いて医師国家試験合格率が高いのは、自治医科大学と国際医療福祉大学の99.2%となっています。
自治医科大学と国際医療福祉大学を比較すると、進級率は自治医科大学が94.5%、国際医療福祉大学が95.7%で国際医療福祉大学のほうが高い数値になっていますが、卒業試験合格率は国際医療福祉大学が89.3%、自治医科大学が92.7%と自治医科大学のほうが高くなっています。
そのため、総合的にみて最短で医師国家試験に合格する率が高いのは自治医科大学といえます。
国公立医学部ランキング 進級・卒業試験・医師国家試験合格率
続いて、国公立大学医学部の進級率、卒業試験合格率、医師国家試験合格率のランキングは以下のようになっています。
順位 | 大学名 | 進級率 | 卒業試験合格率 | 医師国家試験合格率 |
---|---|---|---|---|
1 | 岡山大学 | 100.0% | 99.1% | 96.0% |
2 | 琉球大学 | 96.6% | 96.6% | 97.6% |
3 | 名古屋大学 | 97.3% | 97.3% | 95.6% |
4 | 三重大学 | 93.6% | 93.6% | 98.4% |
5 | 山口大学 | 92.3% | 92.3% | 96.9% |
6 | 京都大学 | 94.7% | 94.7% | 94.3% |
6 | 信州大学 | 95.8% | 94.2% | 94.8% |
8 | 横浜市立大学 | 92.2% | 91.1% | 97.9% |
9 | 東京大学 | 96.4% | 93.6% | 94.8% |
9 | 秋田大学 | 91.5% | 91.5% | 96.9% |
岡山大学は進級率が100.0%、卒業試験合格率は99.1%、医師国家試験合格率は96.0%となっており、ストレートで医師国家試験を受験し合格できる医学部生が多いといえます。
東京大学や京都大学は、国公立医学部のなかでも最難関校ですが、医師国家試験合格率が他大学と比較して特別高いというわけではありません。
医師国家試験の合格率だけでみると、三重大学が最も高い98.4%となっています。
6年間で医師になれる確率とは?直近の動向も解説
6年間で医師になれる確率はどのくらいなのでしょうか。
直近の動向も含めて解説します。
ストレートで医師になれる確率
2023年度の6年間ストレートでの卒業率×国試合格率で算出した、各大学のストレートで医師になれる確率をランキング形式でまとめた表は以下の通りです。
順位 | 大学名 | 卒業率 | 合格率 | 6年間卒業率 × 国試合格率 |
---|---|---|---|---|
1 | 順天堂大学 | 96.4% | 100.0% | 96.4% |
2 | 岡山大学 | 99.1% | 96.0% | 95.1% |
3 | 琉球大学 | 96.6% | 97.6% | 94.3% |
4 | 名古屋大学 | 97.3% | 95.6% | 93.0% |
5 | 慶應義塾大学 | 93.0% | 99.1% | 92.2% |
6 | 三重大学 | 93.6% | 98.4% | 92.1% |
7 | 自治医科大学 | 92.7% | 99.2% | 92.0% |
8 | 東京義恵会医科大学 | 92.7% | 97.3% | 90.2% |
9 | 東北医科薬科大学 | 91.0% | 98.9% | 90.0% |
10 | 山口大学 | 92.3% | 96.9% | 89.4% |
6年間ストレートで医師になれる確率が最も高かったのは、順天堂大学で96.4%でした。
2位以降は、岡山大学、琉球大学、名古屋大学と国公立大学が続いています。
琉球大学の2022年度のデータでは6年間ストレートで医師になる割合は75.2%となっており、2023年度は2022年度と比較して19.3%上がっています。
学年によって進級率や卒業率、国家試験合格率は変動しておりますが、参考にしてみてください。
2022年から2023年の動向について
2022年度と2023年度のストレートで医師になった割合を比較してみました。
琉球大学や横浜市立大学は割合がおよそ15%ほど上がりました。
反対に帝京大学や新潟大学はおよそ14%ほど下がっています。
カリキュラム改正などがあると進級率は大きく変動するため、あくまでも参考程度にしてください。
留年している理由や医師になるのが難しい理由
次に医学部生が留年している理由や、医師になるのが難しい理由について解説していきます。
グローバルスタンダード(国際標準)に合わせた新カリキュラム
今後医師になるのが難しくなる要因として、グローバルスタンダードに合わせてカリキュラムが新しくなっていくことが挙げられます。
具体的にいうと、新しいカリキュラムでは臨床実習がかなり増えています。
久留米大学を例にすると、2016年に【新カリキュラム】を導入したときに臨床実習が56週から66週へと増加しました。
さらに2018年に再度カリキュラムが新しくなった時には76週へとなりました。
この国際基準を満たしていると認定されない限り、海外で医師として働くのは非常に難しくなってしまいます。
以前と変わらずに知識は必要となるので、臨床実習が増えた分負担がかかり進級しにくくなったりすることが予想されています。
学力の低下
学力の低下というのも、留年に繋がります。
医学部の勉強は入ってからも高レベルなことを扱い、さらに人の命を預かるため、しっかりと習得していく必要があります。
そのなかで高校時代に学年が上位であっても学力不振が起こる場合があります。
もう一つ重要な要素としてはモチベーションです。
このように難易度の高いものばかりを扱うため、モチベーションが低下してしまうこともあります。
よって難しい内容ということでモチベーション・学力が低下し留年してしまうことがあります。
精神病
また、医学部生は過度なプレッシャーを抱えている場合が多いです。
これは精神病に繋がります。
研修医の4人に1人は抑うつ状態になると言われているほど、人気な職業の反面、大きな責任・ハードな一面を持つ場合があります。
医学部生は高校3年生で将来を決めたと言っても過言ではないです。
そのため、一度選んだ道は戻りにくい事や人と常に比較していく必要があるため、自分の能力や常にプレッシャーについて感じる機会が多いとされています。
そのため、精神病になってしまい留年してしまうことが挙げられます。
今後の医学部受験の動向は?
医学部入試は少子化の時代でも、国公立医学部医学科は例年通りで私立医学部医学科は前年比15%増となっています。
医師が人気な職業であるため、今後も医学部の人気は落ちないでしょう。
医師は大切な人の命を預かり助けることができるという社会貢献度があるため、社会的な地位が高いです。
さらに年収も給与取得者が中央値での年収が約360万円であるのに対して医師は約1700万円となっています。
これは給与所得者の約5倍に当たり、安定して余裕のある暮らしができることが魅力的です。
また、安定している仕事は経済が不安定になるほど、人気が上がります。
これらの理由から医学部(医者という職業)は人気なままであると考えられます。
まとめ
この記事では、医学部の進級率についてご紹介しました。
医学部は他の学部に比べて進級するのが難しいです。
これに加えて卒業試験と医師国家試験合格率がありますが、大学ごとに合格率が違ってくるため、カリキュラム改定などで変動はありますが受験校選びの際に参考にして下さい。
医師になるのが難しい理由や進級が難しい理由としては、大きく3つ「精神病」「モチベーション」「学力不振」がありました。
これらは医進の会で、プロ講師が手取り足取り指導すること・現役国公立医学部生のチューターがサポートに入ることで防ぐことが可能です。
少しでも気になられた方はお気軽にお問い合わせ下さい。