英語の分詞構文をわかりやすく解説!例文と訳し方で基本から応用まで紹介
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カテゴリ:勉強・対策
英語の文章力をワンランクアップさせたいなら、分詞構文は避けて通れない表現です。
この構文をマスターすることで、文章がより簡潔になり、表現の幅も格段に広がります。
本記事では、複雑に見えて実は便利な分詞構文の基本から応用までを分かりやすく解説していきます。
作り方のコツや訳し方のポイントを網羅し苦手意識を克服できる内容となっていますので、是非参考にしてください。
目次
英語の分詞構文とは?
まず、英語の分詞構文とはなにかについて解説します。
分詞構文の定義と基本形
分詞構文とは、接続詞と主語が省略され、動詞が現在分詞(-ing形)または過去分詞(-ed形/不規則動詞の過去分詞形)に変化して文頭や文中に置かれ、主節に情報(時、理由、条件、譲歩、付帯状況など)を付け加えて働きをする表現です。
簡単にいうと、2つの文を1つの文にまとめる際、片方の文の接続詞と主語を省略し、動詞を分詞の形に変えることで、より洗練された表現にするものです。
また、基本形は現在分詞(-ing形)を使った分詞構文、過去分詞(-ed形)を使った分詞構文に分けられます。
分詞構文の役割と使われる場面
分詞構文の主な役割は2つあります。
1つ目は情報の簡素化と効率化をさせることです。
副詞節(時、理由、条件、譲歩、付帯状況などを表す節)を分詞(現在分詞-ing形、過去分詞-ed形)に置き換えることで、接続詞と主語を省略し、文を短く、そしてスッキリさせることができます。
これにより、読み手や聞き手は主要な情報に集中しやすくなります。
2つ目は、文をスムーズな流れにさせることです。
従属節を分詞構文にすることで、接続詞で始まる文章の繰り返しを避け、より自然で流れるような文章を作成できます。
特に、前後の文脈が明確な場合や、動作の連続性を示したい場合に有効です。
分詞構文で使われる分詞の種類
分詞構文で使用される分詞は2種類あります。
1つは現在分詞(動詞+ing形)です。
現在分詞が分詞構文に使用される場合、その分詞を表す動作は、主節の主語が「〜する」という能動的な意味を持ちます。
多くの場合、主節の動作と同時に行われたり、主語の動作の原因・理由・状況などを表します。
2つ目は過去分詞(動詞+ed形)です。
過去分詞が分詞構文に使用される場合、その分詞が表す動作は、主節の主語が「〜される」という受動的な意味を持ちます。
主節の主語がその動作の対象になっていることを示します。
分詞構文と原文の関係
原文では「and」や「when」「because」などの接続詞を使って二つの文をつなぐことが多いですが、分詞構文を用いることでこれらの接続詞や主語の繰り返しを省き、より簡潔で滑らかな文章に変換できます。
例えば、原文の「He is reading a book and listening to music.」は、「Reading a book, he is listening to music.」と分詞構文に変換され、同じ主語の二つの動作を一文で表現しています。
分詞構文は、原文の主語と必ず一致している必要があり、異なる主語の節を分詞構文にすることはできません。
また、意味があいまいになったり誤解を招く恐れがある場合は、原文のまま接続詞を使った表現を維持する方が適切です。
このように、分詞構文は原文の副詞節や並列節を簡潔にまとめる役割を持ち、文章をすっきりと表現するための重要な文法手段として機能しています。
英語の分詞構文の作り方と条件
次に英語の分詞構文の作り方と条件について解説します。
分詞構文を作るための基本条件
分詞構文を作るための最も重要な基本条件は、二つの節の主語が同じであることです。
分詞構文は、主語が共通の二つの動作や状態を簡潔に表現する構造であるため、主語が異なる場合は分詞構文にできません。
この条件が満たされて初めて、原文の副詞節や並列節を分詞構文に変換して、冗長さを避けたスムーズな文章にすることが可能になります。
分詞構文の作成手順
ここからは分詞構文の作成手順を説明いたします。
まずは、主節と従属節からなる原文を用意し、両方の節の主語が同じであることを確認します。
主語が異なる場合は分詞構文に変換できません。
ここでは、「When he arrived, he found the meeting had started.」という文を使って説明いたします。
接続詞を外す
主節と従属節の主語が同じであることを確認したうえで、まず従属節に使われている接続詞(例:when、because、if、whileなど)を取り除きます。
これは、分詞構文が接続詞なしで副詞節の意味を表現するためです。
接続詞に続く文章の主語を消す
次に、分詞構文を作成する際の手順の一つに、接続詞に続く文章の主語を消すことがあります。
これは、主節と従属節の主語が同じ場合にのみ行えます。
具体的には、「When he arrived, he found the meeting had started.」では、両方の主語が「he」で一致しています。
このとき、従属節「when he arrived」の接続詞「when」と主語「he」を取り除き、動詞を分詞形に変えます。
動詞を現在分詞に変える
次に、従属節の動詞を適切な分詞形に変えます。
上記の手順で、「when」という接続詞と、それに続く従属節の主語「he」は取り除き、残った動詞「arrived」を現在分詞の形である「arriving」に変えます。
これは、「到着する」という動作が主節「彼が気づいた」という動作とほぼ同時に起きているため、現在分詞を使うのが適切だからです。
このようにして、分詞構文は「Arriving, he found the meeting had started.」となります。
ここでの「Arriving」は「到着すると」「到着しながら」といった意味を含み、主節に自然につながっています。
主語が同じ場合と異なる場合
次に、主語が同じ場合と異なる場合における説明をしていきます。
主語が同じ場合
例文:When he arrived, he found the meeting had started.
→Arriving, he found the meeting had started.
解説:
このように「彼が到着した時、彼は会議が始まっていたことに気づいた」という文は、主語がどちらも「he(彼)」です。
この時は、「When he arrived」を分詞構文「Arriving ,…」に置き換えることができます。
主語が異なる場合
例文:When he arrived ,the meeting had started.
→この場合、分詞構文にはできません。
解説:
この文の主語は「he(彼)」と「the meeting(会議)」で異なります。
分詞構文を使うには、主語が同じでなければなりません。主語が違う場合は、分詞構文にすると意味が曖昧になるため、通常は使えません。
分詞構文を使うときは、主語が同じかどうかしっかりチェックするようにしましょう。
現在分詞と過去分詞の使い分け
次に現在分詞と過去分詞の使い分けについて説明していきます。
・現在分詞(~ing形)
意味:自分から何かを「している」状態や、「〜している人(もの)」を表す。
能動的な意味:主語が「自分から行動している」イメージ。
例文:a running boy(走っている少年)
→少年が自分から走っている。
crying baby(泣いている赤ちゃん)
→赤ちゃんが自分から泣いている。
・過去分詞(~ed形など)
意味:何か「された」状態や、「~されている人(もの)」を表す。
受動的な意味:主語が「他の人やものから何かをされる」イメージ。
例文:a broken window(壊された窓)
→窓が誰かによって壊された。
an excited child(興奮している子供)
※この場合は「興奮させられた」という受動のニュアンスが含まれる。
この2つの使い分けに気をつけましょう。
分詞構文の位置
次は、分詞構文の位置について説明していきます。
・文頭に置く場合
例:Reading the handout, Ifound many misprints.
主節の前に分詞構文を置き、状況や理由・時間的背景を説明します。
主節と分詞構文の間にはカンマ(,)を入れることが多いです。
・文中に置く場合
例:The children, seeing the owner of the orchard , ran off.
主語と動詞の間に分詞構文を挿入し、補足説明や追加情報を加えます。
前後にカンマ(,)を入れて区切るのが一般的です。
・文末に置く場合
例:The typhoon hit Tokyo, causing serious damage.
主節の後に分詞構文を置き、結果や付帯状況を加えます。
主節との間にカンマ(,)を入れることが多いです。
このように、分詞構文は文頭・文中・文末のどこにでも置くことができ、それぞれの位置で意味や強調点が変わります。
特に文頭に置かれることが多いですが、文中や文末に置くこともよくあります。
英語の分詞構文の6つの用法と訳し方のポイント
英語の分詞構文は、現在分詞(~ing)や過去分詞(~ed)を使って、1つの文に複数の情報を簡潔にまとめることができる便利な構文です。
分詞構文には主に6つの用法があり、それぞれ訳し方やニュアンスが異なります。
例文を交えながら、各用法と訳し方のポイントを解説していきます。
時を表す用法「~とき」
分詞構文は「〜しているとき」「〜したとき」など、動作や出来事の「時」を表すことができます。
主節と分詞構文の主語が一致する場合、接続詞(when,whileなど)を省略して使います。
例:Walking down the street ,I met an old friend.
「通りを歩いているとき、古い友人に会った。」
While walking in the park ,I saw a beautiful sunset.
「公園を歩いているとき、美しい夕日を見た。」
訳し方のポイント
分詞構文(Walking down the street)は「〜しているとき」と訳すと自然です。
文脈によっては「〜しながら」とも訳せますが、ここでは「時」を強調します。
理由を表す用法「~だから」
分詞構文は、「〜だから」「〜なので」など、動作や出来事の理由を表すことができます。
主節と分詞構文の主語が同じ場合、接続詞(because, sinceなど)を省略して使います。
例: Feeling tired, he went to bed early.
→ 「疲れていたので、彼は早く寝た」
例:Being late, she took a taxi.
→ 「遅れていたので、彼女はタクシーに乗った」
訳し方のポイント
「〜して」と単純に訳すのではなく、文全体の流れを見て、「〜だから」「〜なので」と因果関係を明確にすることが大切です。
分詞構文の意味が主節の動作の原因になっているかを意識することで、自然で正確な訳ができるようになります。
結果を表す用法「~して」
分詞構文は、動作や状態の結果を表すこともできます。
この用法では、主節の出来事が前の分詞構文の動作によって引き起こされた「結果として〜した」という意味になります。
例:He missed the last train, arriving home very late.
→「彼は終電を逃し、結果としてとても遅く帰宅した」
例:She fell down the stairs, breaking her arm.
→「彼女は階段から落ちて、腕を折った」
訳し方のポイント
分詞構文の部分が主節の動作のあとに起きた結果になっているかどうかを見極めることです。
単に「〜しながら」と訳すのではなく、動作の順番と因果関係に注意して、「〜して」や「その結果〜」という自然な表現を選ぶことが大切です。
付帯状況を表す用法「~しながら」
分詞構文は、主節の動作に何か別の動作や状態が付け加わるときにも使われます。
この用法を「付帯状況を表す分詞構文」といい、主に「〜しながら」「〜して」と訳します。
例:She sat on the sofa reading a book.
→「彼女はソファに座りながら本を読んでいた」
例:He walked down the street whistling a tune.
→「彼は口笛を吹きながら通りを歩いていた」
訳し方のポイント
分詞の部分が主節の動作と同時進行しているかどうかを見て判断し、「〜しながら」や「〜して」と自然な日本語で表現することです。
ただの並列ではなく、主節に付け足すような動作や状態であることが特徴です。
条件を表す用法「もし~すれば」
分詞構文は、ある条件のもとで主節の動作が成立することを示す場合にも使われます。
この用法を「条件を表す分詞構文」といい、「もし〜すれば」「〜ならば」と訳されます。
接続詞 if が省略された形と考えるとわかりやすいです。
例:Turning to the left, you’ll see the station.
→、「左に曲がれば、駅が見えます」
例:Handled carefully, the machine will work for years.
→「丁寧に扱えば、その機械は何年も使えるだろう」
訳し方のポイント
分詞構文の内容が主節に対して仮定的な意味を持っているかに注目することです。
動作がまだ起きていない、または状況次第で変わるような場合は、「もし〜すれば」「〜ならば」といった条件の意味で解釈します。
譲歩を表す用法「~だが」
分詞構文は、主節の内容と反対や対立する状況を示すとき、「譲歩」の意味で使われることがあります。
この用法では、「〜だが」「〜にもかかわらず」といった訳が自然になります。
省略されている接続詞は though や although です。
例:Living near the station, he rarely uses the train.
→「駅の近くに住んでいるが、彼はめったに電車を使わない」
例:Knowing the danger, he entered the cave.
→「危険だと知っていたが、彼はその洞窟に入った」
訳し方のポイント
分詞構文と主節の内容が対立や逆接の関係にあるかどうかを見極めることです。
並行や因果関係ではなく、予想に反する内容になっていれば譲歩と判断し、「〜だが」「〜にもかかわらず」と訳すと自然になります。
過去分詞で始まる英語の分詞構文
過去分詞で始まる分詞構文は、受け身や完了の意味を含みながら、文をより簡潔に表現できる便利な構文です。
特に書き言葉でよく使われ、フォーマルな文体や説明文などで頻出します。
以下では、過去分詞を使った分詞構文の基本的な使い方と訳し方を、例文とともに紹介します。
過去分詞で始まる分詞構文とは
過去分詞で始まる分詞構文とは、過去分詞(-ed 形や不規則変化の第3形)を文の先頭に置いて、副詞のように主節に意味を付け加える構文です。
主に「受け身」「完了」「状態」などの意味を表し、主節と同じ主語を前提に、動作の背景や条件、原因などを簡潔に示すことができます。
特に書き言葉やフォーマルな場面でよく使われ、文を引き締め、より洗練された印象を与える表現として役立ちます。
過去分詞で始まる分詞構文の例文
①Left unattended, the baby started to cry.
→「放っておかれたので、その赤ちゃんは泣き出した。」
この文では「Left unattended(放っておかれて)」が過去分詞で始まる分詞構文で、理由を表しています。
②Given the circumstances, we had no choice.
→ 「状況を考えると、私たちには選択の余地がなかった。」
この文では「Given the circumstances(状況を考えると)」が過去分詞の分詞構文で、理由・前提条件を表しています。
過去分詞と現在分詞の違い
現在分詞(〜ing)は、主語が自分で何かをしている能動的な状態や動作を表すときに使われます。
一方、過去分詞は、主語が何かをされる側、つまり受け身の状態や完了した状態を表すときに使われます。
つまり、主語が動作をする側か受ける側かによって、どちらの分詞を使うかが決まります。
よく使われる過去分詞の分詞構文
過去分詞を使った分詞構文は、日常的によく見られる表現で、受け身や完了の意味を簡潔に表すのに便利です。
例:Surprised by the news, she couldn’t say anything.
→「そのニュースに驚いて、彼女は何も言えなかった」
この文では、「驚かされた」という受け身の状態を過去分詞の「Surprised」で表しています。
例:Written in simple English, this book is easy to understand.
→「簡単な英語で書かれているので、この本は理解しやすい」
この文では何かが「〜されている」という完了や状態を表す場合に過去分詞が使われています。
これらの表現は、理由や状態、条件などをコンパクトに伝えるのに役立ち、英語をより自然で流暢にする重要な要素です。
英語の分詞構文の実践的な使い方
では、分詞構文を実践的に使う場面や使用法などを解説していきます。
分詞構文をいつ使うべきか
分詞構文は話し言葉ではほとんど使われていません。
読みやすくするために、新聞やエッセイ・論文・ビジネス文書など、フォーマルな表現で使われることがほとんどです。
また、新聞や本など文字数に制限がある場合に、文字数を省略する目的で分詞構文を用いることができます。
分詞構文の効果的な使用法
英語で文章を書く際には、同じような表現を何度も繰り返すと、幼稚だったり、くどかったりする印象を与えてしまうことがあります。
特に、接続詞や主語が何度も現れると、文が不自然に長くなり、読みにくくなる原因にもなります。
こうした冗長さを避け、文章をより簡潔で洗練されたものにするために有効なのが、分詞構文の活用です。
分詞構文の訳し方のコツ
英語の分詞構文を日本語に訳す際には、いくつかのコツを押さえておくと、より自然で分かりやすい訳ができます。
まず大切なのは、分詞構文の主語が主節と同じであるという点です。
訳すときも、それを意識して主語を共通させることで、違和感のない自然な日本語になります。
また、分詞構文は接続詞が省略されているため、文と文の間にある意味の関係(時間・原因・条件・譲歩など)を文脈から判断することが重要です。
たとえば、「Hearing the news, she cried.」は「その知らせを聞いて、彼女は泣いた」と訳すことで、時間的な関係を自然に表現できます。
同様に、「Being tired, he went to bed early.」は「疲れていたので、彼は早く寝た」と、原因を表す訳が適切です。
さらに、日本語として自然な表現にするためには、「〜して」「〜しながら」「〜したので」「〜すると」などの接続表現を補って訳すことも有効です。
直訳にこだわるのではなく、文の意味や状況に応じて柔軟に意訳することが、読みやすい日本語訳につながります。
このように、分詞構文の訳では、主語の一致、意味のつながりの判断、そして自然な日本語表現への置き換えが大切です。
直訳と意訳のバランスを意識しながら、文脈に合った訳し方を選ぶようにしましょう。
分詞構文を使う際の注意点
分詞構文を使う際の重要なポイントとして、まず主節の主語と分詞構文の主語が必ず一致していること、そして文と文の間の意味のつながり(時間・原因・条件・譲歩など)を文脈から正しく判断することが挙げられます。
これらは分詞構文を理解するうえで基本中の基本であり、すでに繰り返し説明してきた内容でもあります。
さらに、否定形や完了形を使う場合には形に注意が必要です。
否定のときは「Not + 分詞」、主節の動作より前に起こった出来事を表すときは「Having + 過去分詞」の形を用います。
例えば、「Not knowing what to say, she stayed silent.(何と言ってよいかわからず、彼女は黙っていた)」や「Having finished his work, he went home.(仕事を終えてから彼は帰宅した)」のような使い方です。
このように、分詞構文を使う際には主語の一致や意味の明確さ、文法的な形の正確さ、そして文体への適合といったポイントに注意することで、より効果的に使いこなすことができます。
英語の分詞構文でよくある間違いと対策
次に英語の分詞構文でよくある間違いと対策について解説していきます。
主語の不一致による誤り
英語の分詞構文でよくある間違いの一つに、主語の不一致による誤りがあります。
これは、分詞構文の主語と主節の主語が異なるにもかかわらず、分詞構文を使ってしまうケースです。
分詞構文は、主節の主語と分詞構文の主語が同じ場合にのみ正しく使えるため、このルールを無視すると意味が不明瞭な文になったり、不自然な表現になったりします。
例えば、
✕ Walking down the street, the car hit a tree.
(この文は「車が歩いていた」となってしまい、不自然です)
〇 Walking down the street, he saw a car hit a tree.
(主語「he」が一致していて意味が通ります)
この主語の不一致による誤りを防ぐためには、いくつかの対策が効果的です。
まず、分詞構文を使う前に、分詞構文の動作の主体である主語が主節の主語と同じかどうかを必ず意識して確認することが重要です。
もし主語が異なる場合は、無理に分詞構文を使わず、接続詞を用いて文を分けて書くほうがわかりやすくなります。
また、複雑な内容や複数の人物が登場する文では、意味が混乱しやすいため、分詞構文の使用を控え、主語が明確な別の文で表現することが望ましいです。
これらのポイントを心がけることで、主語の不一致による間違いを減らし、より自然で明確な英文を書くことができます。
分詞構文の意味の誤解
分詞構文の意味の誤解もよくある間違いの一つです。
分詞構文は接続詞を省略して文を簡潔にできる便利な表現ですが、その反面、文と文の関係(時間・原因・条件・譲歩など)が曖昧になることで誤解を招くことがあります。
例えば、主語が不明瞭な場合や、分詞構文が表す意味の関係が文脈に合わない場合、読み手に正しい意味が伝わらなくなることがあります。
もし分詞構文で表現したい意味が複数に解釈できたり、文が複雑になったりする場合は、分詞構文を使わずにbecauseやwhen、althoughなどの接続詞を用いて意味を明確に示す方がわかりやすくなります。
また、複雑な内容や複数の人物が登場する場合も、意味の誤解を避けるために分詞構文の使用を控えることが望ましいです。
過去分詞と現在分詞の混同
次に過去分詞と現在分詞の混同です。
これは、動詞の意味や使い方を正しく理解していないことによって起こるもので、文章の意味を大きく誤らせてしまう可能性があります。
現在分詞(〜ing)は主に「能動的な意味」や「進行中の動作」を表し、過去分詞(〜edなど)は「受動的な意味」や「完了した状態」を表します。
そのため、分詞構文を使う際には、その動作を主語が「している」のか「されている」のかを正しく判断しなければなりません。
例えば、「間違った電車に乗って遅れた」という内容を表現する場合、
✕ Taken the wrong train, he arrived late. は誤りで、
〇 Taking the wrong train, he arrived late. が正しい表現です。
この場合、彼自身が能動的に「電車に乗った」ので、現在分詞「taking」が適切です。
一方で、受動の意味になる文では過去分詞が必要です。
例えば、
〇 Surprised by the news, she dropped her phone.
(知らせに「驚かされて」=受動)では、過去分詞「surprised」が正しく使われています。
このような混同を防ぐためには、まず、文脈の中で主語がその動作を「している」のか「されている」のかをよく確認すること。そして、動詞の性質(自動詞か他動詞か)を理解することも大切です。
さらに、分詞構文の部分を通常の節に書き換えてみて、「〜して」「〜されて」のどちらが自然かを考える習慣をつけることで、判断しやすくなります。
コンマの使い方の間違い
最後はコンマの使い方の間違いです。
分詞構文は、主節に補足的な情報を加える役割を果たすため、正しくコンマを使うことで文の構造が明確になり、読み手にとっても理解しやすくなります。
しかし、コンマを入れるべき箇所で省略してしまったり、逆に不要な位置に挿入したりすると、文の意味が伝わりにくくなったり、不自然な印象を与えてしまうことがあります。
例えば、
✕ Finishing his homework he went out to play. のようにコンマがないと、文が詰まって読みにくくなります。
一方、
〇 Finishing his homework, he went out to play. のように、分詞構文と主節の間にコンマを入れると、文の構造が明確になり、読みやすくなります。
このようなミスを防ぐためには、まず、分詞構文が文頭や文末に置かれる場合は、主節との間にコンマを入れるのが基本です。
これは、文の意味の切れ目を明確にし、流れをスムーズにするためです。
次に、文中に分詞構文を挿入する場合も、前後にコンマを入れることで主節との区切りをはっきりさせることが大切です。
また、どこで一息つくかを意識して声に出して読んでみることで、自然な位置にコンマを入れる感覚が身につきます。
プロ講師による分詞構文アドバイス
分詞構文を難しく感じる生徒さんは本当に多いです。
高校で習ったけどわからないという声をよく聞きます。
分詞構文を理解するには、まず基本をおさえることが大切です。
① 分詞構文は、副詞節(接続詞+SV)の代わりに主節を修飾する構文。
副詞節の接続詞と主語を省略することによって、簡潔な副詞節になる。
書き言葉で用いる。
② 分詞には現在分詞(動詞~ing)と過去分詞(動詞~ed)があるが、分詞構文にも現在分詞を使う場合と過去分詞を使う場合がある。
③ 分詞構文の意味は文脈で判断する。
分詞構文と副詞節を用いた文を比較してみましょう。
While I was walking along the street, I met him. 主節と副詞節、どちらも主語はIです。
× × Walking along the street, I met him, 接続詞whileと主語Iを省略します。
下が分詞構文を用いた文ですが、「通りを歩いている時に」という意味であることは自然にわかるのではないでしょうか。
分詞構文を理解するには、まず基本的な例文から慣れていくことが肝要です。
まとめ
今回は分詞構文の基本から応用、作り方のコツや訳し方のポイントなどについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
使いこなせるようになるには多少の慣れが必要ですが、繰り返し練習することで自然と身についていきます。
本記事で少しでも分詞構文の理解が深まり、実際の英文読解や作文に役立てていただければ幸いです。

