予備校の寮制度とは?寮に入るメリット・デメリット、生活環境や選ぶ方法についても解説
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カテゴリ:基礎知識
医学部受験を目指すにあたって、地方出身者の中には都心の予備校に通おうと考えている方もいるのではないでしょうか。
予備校が遠方にある場合、自宅から通うことが困難であるため、寮に入ることを検討している人も多いと思います。
本記事では医学部予備校や予備校の寮について詳しく解説しています。
寮のメリットやデメリット、注意点や選び方についても解説しているため、寮に入りたい方や入寮を考えている方は是非参考にしてください。
医学部予備校の寮とは?
まず、医学部予備校の寮について詳しく解説していきます。
提携寮
医学部予備校の寮は2種類あります。
1つ目は予備校がマンションなどの一室を借り上げて生徒に貸す提携寮です。
提携寮は近隣にあることが多いため通学が便利であったり、また、予備校が住居を紹介してくれるため、自分で住居を探す手間がかかりません。
しかし、隣に住んでいる専門学生や大学生が騒がしくしたりする場合もあり、集中できない可能性があります。
また、提携寮の場合、予備校が直接管理に関与していないケースがあるため、住居について何かトラブルがあった際には、予備校ではなくその物件の管理業者に相談しなければならないこともあります。
直営寮
2つ目が直営寮です。
直営寮とは予備校が直接管理・運営している学生寮のことをいいます。
直営寮は、受験生向けの物件として提供されており、自習室など学習面に必要な設備が非常に充実しています。
直営寮の中にも、予備校から歩いていける距離に寮があったり、予備校一体型の寮まで様々なタイプがあります。
中には、他の仲間やライバルと競い合いながら学習に専念できるよう、医学部の受験生限定の寮もあります。
直営寮では、予備校のスタッフによる日常の生活管理や巡回を行っておりセキュリティ体制も整っているため、安心して寮生活を送ることができるでしょう。
全寮制とは?
全寮制とは、予備校に通っている全生徒が寮に入って指導を受け、余計なものが寮になく、勉強に専念できる制度のことをいいます。
寮に入ることで勉強に専念することができ、また、生徒全員が寮で生活することによって連帯感が生まれ、支え合いながら受験勉強を進めることができます。
全寮制の予備校は勉強に集中しやすい環境ですが、生徒によって合う合わないがあります。
全寮制の予備校の方が環境面で優れているように思われますが、勉強時間以外の生活も決められているため合わない生徒にとってはストレスに感じる可能性もあります。
受験勉強をするには優れた環境面であったとしても、ストレスに感じてしまうと意味がありません。
全寮制の予備校が自分に合っているのかよく考えて、全寮制の予備校を利用するかどうかを検討しましょう。
予備校の寮を利用するメリット・デメリット
次に、予備校の寮を利用するメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メリット
まず最初に、予備校の寮を利用するにあたってのメリットについてご紹介します。
勉強に集中できる環境が整っている
メリットの1つ目として、「勉強に集中できる環境が整っている」という点が挙げられます。
予備校を探しているほとんどの方が真っ先に思い浮かぶのは、勉強に集中できる環境ではないでしょうか。
予備校の寮では、就寝時間と起床時間が規定されているため、規則正しい生活を送ることができるようになります。
またそれに伴い、受験勉強に重点を置いた生活ペースが自然に整います。
正しい生活リズムが身に付くことで心身共に健康になり、意欲的に勉強に取り組むことができるようになります。
たかが生活リズム、されど生活リズムです。
正しい生活習慣が勉強効率を上げ、成績アップに繋がっていきます。
遊ぶ環境から離れられる
「遊ぶ環境から離れられる」という点がメリットの2つ目として挙げられます。
一般的な環境に身を置いていると、周りにいる人の目標や意欲はバラバラであり、無意識のうちに自分自身が負の方向に導かれてしまいます。
一方で、予備校の寮に入ってしまえば、周りは同じ志を持つライバルです。
自分の近くで頑張っている人がいるという環境は、自分自身にも良い影響を与え、高いモチベーションを保ち続けることができます。
「朱に交われば赤くなる」をいい意味で感じられるのが、予備校の寮ではないでしょうか。
全国の予備校から行きたい予備校を探すことができる
3つ目のメリットは、「全国の予備校から行きたい予備校を探すことができる」という点です。
予備校を探している時、地元に予備校がないと諦めたり、遠方にしか予備校しかないと困ったりしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、これらの問題は予備校の寮に入ることによって解決することができます。
予備校の寮に入ることを念頭に予備校選びをすることによって、自ずと選択肢が広がり、全国にある予備校の中から自分に合った予備校を見つけることができるようになるからです。
デメリット
次に、予備校の寮を利用するにあたってのデメリットを紹介します。
金銭的な負担が増える
まず1つ目のデメリットは、金銭面での負担が増えることです。
一般的に、入寮費が100,000〜200,000円、寮費が150,000〜200,000円程度かかります。
また寮によって、水道光熱費や管理費が別途請求される場合もあります。
入寮にはこれらの費用が必要となりますが、遠方から予備校に通う場合でも交通費が生じるため、どちらにしても金銭的な負担はあります。
また、時間もかかってしまうため、他の予備校生よりも勉強時間をとることができないことも考えられます。
寮では、アパートでの1人暮らしに比べて家事などの負担も抑えられるため、良質な勉強環境が得られ勉強時間も確保できますが、金銭的な負担は避けられないでしょう。
寮のルールに縛られた生活を送る必要がある
2つ目のデメリットは、寮のルールに縛られた生活を送る必要があることです。
予備校の寮では、受験勉強に集中するためにルールが設けられている場合があります。
厳しいルールで管理されることで、娯楽などの誘惑に勝ち、学習に打ちこめる環境に身を置くことができますが、自分の生活が寮のルールに則したものになり、自由な生活が送れないことは一つのデメリットといえます。
しかし、強靭な意志を持って自分自身を律することが難しい人にとっては、勉強に特化した生活を送ることができる寮生活は合格への近道になるかもしれません。
予備校の寮を検討する際の注意点・確認すべきこと
次に、予備校の寮を検討する際の注意点と確認すべきことをご紹介します。
1年間の費用を把握しておく
まずは、一年間の費用を把握しておくことが重要です。
予備校の寮を利用する際は、入寮費や寮費、水道光熱費、通信費などがかかります。
寮費については、デメリットの項でもご紹介しましたが、入寮費が100,000~200,000円程度、寮費が150,000~200,000円程度とされています。
それに加えて、水道光熱費が10,000円程度、通信費が3,500円程度かかります。
予備校の寮の利用を検討する際は、1年間の合計でどれくらい費用がかかるか、よく確認しておきましょう。
生徒の管理ができているか確認する
次に、生徒の管理ができているか確認することです。
寮によって生徒をどのように管理するかは異なりますので、管理体制が自分に合っているか、あらかじめ確認しておきましょう。
門限が定められていたり、外泊が禁止されているところもあります。
自分に合わないルールで管理された生活では、かえって学習に支障が出ることも考えられます。
入寮の前に、管理体制をしっかりと確認し、把握しておきましょう。
また、女性の方は寮のセキュリティに関しても確認しておきましょう。
学生会館との違いを理解する
学生会館との違いを理解しておくことも必要です。
予備校の寮と学生会館の大きな違いは、入寮している人です。
予備校の寮では、予備校生だけが入寮していますが、学生会館は大学生や専門学生など不特定多数の人々が入寮しています。
また、予備校の寮は予備校の近くに立地する場合がほとんどですが、学生会館はそうとは限りませんので、通学にかかる時間やコストも違うでしょう。
予備校での学習を生活の軸にするために寮に入るのであれば、学生会館ではなく、予備校の寮を選択することが最適だといえます。
入寮できる生徒の条件を確認する
予備校によって入寮できる生徒の条件が異なる場合があります。
例えば、入寮希望者に対して一定の学業成績を求める場合があり、成績や学力の基準が設けられていたり、一部の寮では年齢や性別に基づいた制限があることがあります。
また、寮生活に支障がないかを確認するため、寮に入る際に健康診断を受けることを求められるなど、予備校によって様々な条件が設けられている場合があります。
そのため、各予備校のホームページで事前に入寮の条件について確認することをおすすめします。
寮母さんが常駐しているのか確認する
予備校の寮に寮母さんが常駐しているのか確認しておくことも大切です。
受験生にとって寮母さんはお母さんの代わりとなる存在であり、食事の提供をしてくれるだけでなく、ほんの少しの顔色の変化にも気付いてくれるため、心身ともに生活全般サポートしてくれる頼もしい存在となります。
急な体調不良やケガをした際にも、回復するまで面倒を見てくれたり、必要に応じて医療機関への手配を行ってくれるため、安心して勉強に専念することができるでしょう。
特に、一人暮らしの経験がないという受験生には、寮母さんがいる寮をおすすめします。
食事がついているか確認する
受験に向けて、十分な栄養を摂取することも重要です。
一人暮らしの場合、コンビニの弁当であったりインスタント食品などで簡単に済ませてしまう受験生も多いと思いますが、それでは十分な栄養が得られません。
予備校の寮では、栄養バランスを考慮した食事が提供されることが一般的です。
そのため、朝夕など食事が提供されている寮であれば、自分で食事を準備する必要がなく、栄養バランスの取れた食事を摂ることができます。
一部の予備校では、昼食のためにお弁当を作ってくれるなど様々なスタイルや提供方法があります。
勉強に集中しやすい健康的な食生活を保つために、食事つき寮で効率的に学習を進めましょう。
予備校と寮の距離がどれくらいか
寮を選ぶにあたって予備校と寮の距離がどれくらいであるかも大切なポイントです。
なるべく予備校から徒歩圏内にある寮を選ぶのがおすすめです。
理由としては、予備校まで徒歩圏内という距離であれば、悪天候の日や、電車遅延など交通機関の影響を受けず通うことができるため、勉強に集中できるというメリットがあります。
また、予備校一体型の場合は、寮の自室を出てすぐに教室に着くため、余分な移動時間を削減することができます。
授業や自習にもっと時間を充てるためにも予備校と寮の距離も事前に調べておきましょう。
自習室が備わっているか
自由に学習ができる自習室が備わっているかも寮選びにおいて重要なポイントです。
自習室が備わっている寮であれば、夕食後にもそこで自習することが可能であり、土日にも予備校に行かずに同じ目標を持つ仲間と一緒に学習する環境があることで、互いに刺激し合うことができます。
一人だと自室ではどうしても勉強に集中できなかったり、人目がないとサボってしまうという方でも、勉強へのモチベーションを維持することができるのが自習室のメリットです。
健康管理もしてくれるか
志望校合格を目指して学習に取り組むためには、しっかり体調管理をして健康を維持することも肝心です。
そのため、受験生の健康管理まできちんとサポートをしてくれる寮であるかということも確認しておきましょう。
一部の寮では普段の体調管理のみでなく、体調不良時の医療機関への手配であったりインフルエンザの予防接種、また、メンタル面のサポートなど総合的に健康サポートをしてくれる寮もあります。
体調不良によって学習が遅れることがないよう、サポート体制が整っている寮を選ぶのがおすすめです。
家具や家電などの環境が整っているか
部屋に家具や家電などの環境が整っているかも寮を選ぶ際のポイントとなります。
家具や家電が付いている部屋であれば、自分で用意する必要が減り、準備が楽になります。
そのため、入寮してすぐに学習に集中することができるでしょう。
最低限必要な机やベッドだけではなく、冷蔵庫や洗濯機といった家電も揃っているかも見ておきましょう。
家具がないと生活するための準備に手間と時間がかなりかかってしまうので、できれば家具家電付きの寮を選択するのがよいでしょう。
医進の会の寮
ここまで、医学部予備校における寮について詳しく解説してきました。
大阪上本町の医学部受験予備校「医進の会」においても学生寮を提供しています。
医進の会では、3つの学生寮を提供しており、女子専用・男子専用の寮もあります。
いずれの寮も駅から近く、本予備校へのアクセスは良好です。
また、3つすべての寮において館長夫妻が常駐しており、宅配を受け取ったり、体調不良時には病院へ付き添ったりしてくれます。
不測の事態に頼れる人がいるということは、本人や親御さんの安心にもつながるのではないでしょうか。
さらに、家具・家電付きで、Wi-Fiなどの居室内設備も充実しているため、準備に手間を要さず、学習環境を迅速に整えることができます。
加えて、朝夕手作りの食事がついており、朝食については和食と洋食から選択することができるようになっています。
このように、医進の会の学生寮では、あらゆる面から受験生の学習をサポートしています。
まとめ
本記事では、医学部予備校における寮の詳細や、寮を検討する際に注意・確認するべきことについてさまざまな観点から解説してきました。
寮には、遊ぶ環境から離れ、学習に集中できるという受験勉強における大きなメリットがありますが、それと同時に金銭的な負担が増えるというデメリットがあり、これらは表裏一体であるといえます。
すべての人に寮生活が適してるとは一概に言えませんが、今回紹介したことを参考に自分に合った学習環境をぜひ見つけてください。