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医師免許の取り方は?医師になるのに必要な条件や合格が必要な試験、流れについて解説

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カテゴリ:基礎知識

本記事では、医師になるために必要な免許や免許取得のためのステップについて詳しく解説しています。
また記事内では、医師になるまでの一連の流れや研修の順番、また医師に向いている人についてもまとめています。
医学部への入学を検討している方や医師になりたいと考えている方に必見のコラムとなっています。
医学部受験される予定の方、現在医学部に在籍していて医師を志している方は是非参考にしてください。

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医師になるのに必要な条件や試験・免許は?

本項では、医師になるために必要な条件や試験・免許についてまとめてみました。

医学部に合格し入学する

医師になるためには、まず医学部に合格することが第一関門です。
医学部受験は非常に競争が激しく、幅広い知識と論理的思考力が求められます。
特に、理系科目の深い理解だけでなく、小論文や面接での人間性や志望動機の明確さも重要です。
また、受験勉強は長期戦であり、計画的な学習やメンタルの維持が合否を左右します。
医師を目指す理由を明確にし、努力を積み重ねることで、その夢に近づくことができます。
目標に向けた一歩一歩の積み重ねが、将来の医療の現場で活躍する基盤となるのです。

CBT/OSCEを受ける

また医師になるためには、医学部在学中にCBT(Computer-Based Testing)とOSCE(Objective Structured Clinical Examination)を受けることが必須です。
CBTでは医学知識の基礎的理解が問われ、診断や治療の正確さが確認されます。
一方、OSCEでは模擬患者を相手に、問診や身体診察の実技、コミュニケーション能力が評価されます。
これらは医師としての基盤を固める重要な試験であり、知識だけでなく、実践力や患者への配慮が求められます。
日々の勉強と練習を通じて、臨床現場において信頼できる医師として成長するための第一歩となります。

医学部卒業試験に合格する

さらに医師になるためには、医学部卒業試験に合格することが必要です。
この試験は、6年間の学びを総合的に評価するもので、基礎医学から臨床医学、社会医学まで幅広い知識が問われます。
また、単なる知識の暗記だけでなく、臨床での応用力や判断力も重要です。
卒業試験は、医師国家試験の前段階としての意味も持ち、医療現場で求められる総合力を身につけた証明となります。
この試験に向けて、計画的な復習と実践的な学習を積み重ねることで、医師としての第一歩を確実に進めることができます。

医師国家試験に合格する

医師になるための最終関門が医師国家試験です。
この試験は、基礎医学や臨床医学の知識に加え、医療倫理や法的知識も問われ、医師としての総合的な資質を評価します。
国家試験では、診断や治療の正確性、患者安全を最優先とした判断力が求められます。
また、膨大な範囲を効率よく学び、繰り返し問題演習を行うことが合格への鍵です。
この試験を乗り越えることで、正式に医師免許を取得し、患者を支える医療の現場に立つことが可能になります。
強い意志と継続的な努力が合格への道を開きます。

臨床研修を初期研修と後期研修を受ける

医師になるためには、医師国家試験合格後、初期研修(2年間)と後期研修を受けることが必要です。
初期研修では、内科や外科など幅広い診療科を経験し、医療現場での基本的な診療能力やチーム医療の重要性を学びます。
この期間は医師としての土台を築く重要な時期です。
後期研修では、自分が選んだ専門分野に特化し、高度な知識や技術を習得します。
また、患者との信頼関係を深めるコミュニケーション能力も磨かれます。
これらの研修の中で、医師としての総合的なスキルを高め、専門性を持った信頼される医療者へと成長していきます。

医師を育てる・育成・養成する大学の学費は?

医師を育てる大学、いわゆる医学部の学費は、大学の種類や設備形態によって大きく異なります。
国公立大学の場合、学費は年間約60万(授業料)で、6年間で約360万円程度です。
さらに入学金として20〜30万円程度が必要になります。
一方、私立医学部大学の学費は、大幅に高く、6年間で2000万〜5000万円が一般的です。
特に私立大学では学費に幅があり施設費や設備費なども加わるため、大学によって異なります。
奨学金制度特待生制度を利用すれば、学費の一部または全額が免除される場合もあります。
医師を目指すには学費以外にも教材費や、実習費などの負担も考慮する必要があり事前の計画が重要です。
国公立と私立でコストに大きな違いがあるため、自身の経済状況や目標に合わせた選択が求められます。

医師はどこに就職するのか?

医師の就職先は、主に病院や診療所です。
多くの医師は大学病院や総合病院で研修員として働きながら経験を積み、その後専門医を目指します。
一部の医師は、地方の病院や診療所で地域医療に貢献します。
さらに、医師の活用の場は多様で、製薬会社での医薬品開発や、公衆衛生分野での行政職に就くケースもあります。
また、大学や研究機関で教育・研究に携わる医師もいます。
自ら開業してクリニックを運用する選択肢もあり、診療内容や働き方を自分で決めることが可能です。
医師は幅広い分野で活躍でき、多様なキャリアを築くことができます。

医師の給料や年収とは?

医師の給料や年収はどのようになっているのでしょうか。
勤務医の年収について、厚生労働省が公表している令和4年度賃金構造基本統計調査に基づきまとめました。

調査年度 勤務医平均年収
令和4年 14,288,000円(44.1歳 6.2年)
令和3年 13,783,000円(45.3歳 7.7年)
令和2年 14,403,000円(45.5歳 7.1年)
令和元年 11,692,000円(40.7歳 5.2年)

*()内の数字は、平均年齢と勤続年数
コロナ禍から勤務医の年収は大きく増加しました。
令和4年の年収の内訳は、月収1,096,100円、ボーナス1,135,700円です。
令和4年度の開業医の平均年収は24,910,000円ですので、勤務医と開業医では大きく年収が違うことが分かります。
ただ開業医の場合は収入全てを自分の為だけに使えるわけではありません。
年代別の平均年収については以下の通りです。

年代 勤務医平均年収
20代 5,707,550円
30代 11,727,600円
40代 16,195,575円
50代 17,364,125円
60代 17,801,650円
70代以降 14,765,400円

医学部を最短で卒業するのが24歳、それから研修医、専攻医となり、専門医資格を取れるのが最短で29歳のため、20代は医師として学ぶ期間でもあるため年収は低くなっています。
勤務医としては40~60代が最も年収の高い年代といえるでしょう。

医師になるのに向いている人

医師になるのに向いている人とは、一体どういう人でしょうか。
ここからは、医師に向いている人の特徴を大きく2つに分けて解説していきたいと思います。

勉強や学習を続けられる人

まず一つ目には、勉強や学習を続けることができる人が挙げられます。
もちろん医師になるまでにも、並大抵ではない勉強量が必要とされますが、医師になってからも学習は続きます。
医療分野における研究の発展は目覚ましく、最新技術を取り入れるための勉強は欠かせません。
また、外科手術などは長時間にわたって行われるため、集中力の持続が必須項目です。
さらに、診察の結果から患者さんの状態を適切に把握し、最適な治療の方針を組み立てる必要があります。
日々進化を遂げる技術や知識への好奇心や向上心を常に持ち、物事に対する集中力を持ち合わせている人が医師に向いているといえるでしょう。

コミュニティ

医師に向いている人の特徴の二つ目は、コミュニケーション能力です。
人と直に関わり、人の心身と向き合う職業である医師には、友好な人間関係の構築が必要不可欠であるといえます。
これは患者さんだけでなく、チーム医療としての他の医療従事者との関係性においても当てはまることです。
患者さんとの良好な関係を築くためのコミュニケーションだけではなく、医療の質を向上させるための医療従事者間における日常的なコミュニケーションは非常に重要であることから、コミュニケーション能力が高いことは医師の素養の一つであるといえるでしょう。

医師になるまでに何年かかるのか?

医師になるまで何年かかり、どういう過程を得て医師になるのかをまとめました。

大学を卒業するまでに6年間

医学部の6年間では、基礎から応用まで段階的に医師として必要な知識と技術を学びます。
1〜2年次は、解剖学や生理学、病理学などの基礎医学を学び、人体の仕組みや病気の原因を理解します。
また、化学や生物学などの基礎科学の授業も含まれます。
3〜4年次では、内科、外科、産婦人科、小児科などの臨床医学を学び、病気の診断や治療方法を中心に勉強します。
この時期から模擬患者を使った実習も始まり、医療現場を意識した学びが進みます。
5〜6年次は、病院での臨床実習(ポリクリ)を通じて、実際の患者に接しながら診療や治療を学びます。
医療チームの一員として働く経験を積みながら、国家試験に向けた準備も行います。
6年間の学びは、知識だけではなく実践力など医師としての倫理観も養う重要な期間です。

臨床研修で初期2年間

医師国家試験合格後の初期臨床研修は、医師としての基礎を築く重要な2年間です。
この期間は、どの診療科にも対応できる総合的な診療能力を養うことが目的です。
1年目は、内科や外科、救急科などの主要な診療科をローテーションしながら、診療や治療の基本を学びます。
研修医は、患者の診療に直接携わりながら、指導員の元でカルテ作成や検査結果の解釈、処方の仕方などを経験します。
特に救急では、緊急時の判断力や処置能力を鍛えることが求められます。
2年目は、より専門的な診療科を選択して実習することが多く、自分の興味や将来の専門分野を見据えた研修が可能です。
また、患者や医療チームとのコミュニケーション能力を磨き、医師としての倫理観や責任感を深める期間でもあります。
この2年間を通じて、幅広い臨床能力と信頼される医師としての土台を築きます。

後期研修と専門医取得まで3~6年間

初期臨床研修が終われば、専門医の取得のために臨床研修を受ける方が多いです。
その方法は様々で、大学の医局に所属し、関連した病院・大学病院で研修を受けたり、博士号取得を目標に、大学院に通いながら後期研修を受けるという方法もあります。
初期研修だけでは専門分野についての理解が不十分です。
そのため、この研修期間を通して病院で即戦力となることができます。
病院側からも後期臨床研修を受けていると、評価が高く報酬や地位の面でも有利になることもあります。
医師には最短6年でなることができますが、初期研修で2年、さらに専門医を取得する場合は、大学に入学してから約11年かかります。

まとめ

今回は医師免許の取り方についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
医師になりたいと考えている場合には、医学部に入学し国家試験に合格することが必要です。
また、そこから勉強し続けることが重要です。
そのため、現段階から勉強したり、集中したりする時間を作ることが大切です。
医師という職業は人を助けることのできる魅力的な仕事です。
医師になったときの自分を想像しモチベーションを保っていきましょう。

この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹

医進の会代表 谷本秀樹
中学入試の希学園の集団授業で600名以上の多くの生徒を受験指導。
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
個別の会』の代表でもあり、圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。

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