高1から始める医学部の受験勉強!具体的な進め方や勉強時間なども解説
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医学部を目指すうえで、「いつから医学部受験に向けて勉強を始めたらいいのか」「医学部に合格するためにはどれくらいの勉強時間が必要なのか」と思われている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、高1から医学部受験の勉強を始めたい方に向けて、勉強時間や進め方、スケジュールの立て方などを解説しています。
また、勉強のモチベーションをそのまま維持する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
医学部受験に必要な総勉強時間
一般的に、医学部合格を目指すために必要な総勉強時間は5,000時間だといわれています。
これはあくまでも目安としての話であり、中には勉強に5,000時間以上費やしても結果が振るわなかったり、勉強時間が5,000時間以下でも医学部に合格できる方はいます。
そのため、5,000時間勉強することを目標にするのではなく、この5,000時間という時間をどう有効的に使い、勉強を進めていくかが合格への鍵となります。
高1での理想的な勉強時間
高1から医学部受験の勉強を始める方の勉強時間は、週20~30時間が理想的だといわれています。
そこで、週20~30時間勉強するにあたって、平日と休日それぞれ勉強時間は1日あたり何時間必要なのでしょうか。
実際に、医学部に現役で合格した学生が高校生のとき、平日と休日どれくらいの時間勉強していたのか調査したデータを基に、以下で詳しく解説していきます。
平日の勉強時間
医学部に現役合格した学生の44%が、高1のときに平日は3時間以上勉強していたとのことです。
次に4時間以上勉強していた学生は26%、続いて5時間以上勉強していた学生は13%となっています。
6~11時間以上勉強していた学生は10%以下でした。
高1は入学したばかりであるため、新しい環境に慣れたり、学習のリズムを掴むことが大切です。
そのため、勉強に多く時間を費やす必要はあまりなく、平日に勉強する場合は1日あたり3時間が理想的だといえます。
休日の勉強時間
続いて、医学部に現役合格した学生が高1の時に休日に勉強していた時間は、3時間以上が45%、次に4時間以上が30%、続いて5時間以上が21%、6~11時間以上が10%以下でした。
休日も平日と同じように3時間以上勉強している学生が約半数を占めており、4~5時間以上の割合は平日よりも上回っています。
休日は適度に休憩を挟むなどの工夫をしながら、1日あたり3~5時間勉強することが理想的だといえます。
高1の時点での目標偏差値
高1の時点での目標偏差値は60程度が目安です。
この偏差値であれば、受験まで2年以上あるため、現役合格圏内に入る可能性が十分にあるといえます。
高1の時から毎日コツコツ勉強をする習慣をつけて、勉強時間を徐々に増やしていけば、合格レベルまで偏差値を上げることは十分可能です。
高1から始める医学部受験勉強の具体的な進め方
高1から始める医学部受験勉強の具体的な進め方を科目別に詳しく解説していきます。
英語
まずは、英語の勉強の進め方についてです。
単語学習を入念に行う
英語では単語学習を入念に行いましょう。
単語力がしっかりついていると、長文読解や英作文、さらにはリスニングにも大きく貢献します。
具体的にはまず、適切な単語帳を選ぶことが大切です。
基礎を固めることが重要であるため、難易度が高すぎる単語帳を選ぶのは避けましょう。
単語は一度に大量に詰め込むのではなく、少しずつコツコツ進めることが効果的であるため、1日の勉強時間のうち30~50分程度を単語学習に充てるなど、最初は短時間でもよいので毎日続けることが大切です。
1日に10~15単語程度を目標に覚えると定着しやすく、また、発音も確認しながら覚えましょう。
早期に単語力を強化しておくことで、後々の受験勉強がスムーズに進み、英語力の向上にも繋がるといえます。
長文読解力を養う
長文読解力を養うことも英語の勉強を進めるうえで重要です。
まずは、高1のレベルに合わせた基本的な長文読解の教材を選び、無理なく読み進めることが大切です。
読み進める際は、音読とリスニングを組み合わせると効果的であり、これにより、語彙や文法の理解が深まるだけでなく、文章の流れやリズムを自然に掴むことができます。
最初は簡単な文章から始めて、徐々に難易度を上げていくとよいでしょう。
長文読解力はすぐに身につくものではないため、高1のうちから毎日少しずつでも長文を読む習慣をつけておくことで、読み方のコツが掴め、徐々に読解スピードも向上することでしょう。
数学
次に、数学の勉強の進め方についてです。
基礎力と計算力を養う
数学ではまず、基礎力と計算力を養うことが大切です。
高1の段階では、教科書に書かれている内容を完璧に理解することが重要です。
数学の基礎は教科書の内容にしっかり載っているため、これを理解し、繰り返し練習することが、基礎力や計算力を強化する第一歩だといえます。
計算力は、単に問題を解くだけではなく、速く正確に計算をこなせるようになることが求められます。
そのため、1日に30〜40分程度を目安に計算練習をすることをおすすめします。
特に、簡単な計算問題を何度も解くことで、計算力が養われるでしょう。
教科書だけでは十分な練習ができない場合もありますので、参考書や問題集を活用して問題を解くことも大切です。
数II・Bへ早期に取り組む
数II・Bは受験数学において基礎から応用まで多くの内容を網羅しているため、早期に取り組むことでその後の学習がスムーズになります。
高1の段階ではまだ習っていない内容や難易度が上がる部分が多いため、少し難しく感じるかもしれませんが、基礎から着実に学ぶことで確実に理解を深められます。
また、数II・Bには応用的な問題が多く含まれているため、基礎的な計算力に加え、問題解決能力や応用力を高めることができます。
特にベクトルや確率、三角関数などは受験の際に頻出となる内容となるため、応用問題に強くなることで受験本番で出題される高度な問題にも自信を持って取り組むことができるでしょう。
理科
次に、理科の勉強の進め方についてです。
化学基礎を中心に学習する
理科では化学基礎を中心に学習するとよいでしょう。
化学は理系科目の中でも重要な位置を占めているため、早期に基礎を固めておくことは非常に効果的だといえます。
化学基礎の内容は、難易度が比較的易しく、理解しやすい部分が多いため、高1の段階でしっかり学んでおくと、後に学ぶ応用化学へとスムーズに進むことができます。
また、化学基礎で学ぶ内容は物理や生物と関連しており、特に物質の性質や反応のメカニズムを理解することができるため、他の理系科目の学習にも役立ちます。
具体的な進め方としては、まずは教科書を丁寧に読み、基礎的な概念や法則を理解することが大切です。
そして、用語や定義をしっかり覚え、それらを使って問題を解く練習をしましょう。
また、問題集や参考書で実践力をつけ、定期的に復習を行うことで、知識が確実に身につくでしょう。
物理・生物を選択する
医学部受験において理科2科目の受験は必須であり、そのうち1科目はほとんどの医学部で化学が指定されていることが多いです。
そのため、高校の理科の科目選択は1科目は化学として、あと1科目は物理または生物のどちらかを選択しましょう。
地学は受験できる医学部が限られているためおすすめできません。
物理は、医学部の生体の力学や物理学的な原理などを理解するために有益であり、さらに問題解決能力や論理的思考を鍛えるのに非常に役立つ科目でもあります。
また、医学部の入試において一部の大学では必須科目として出題される場合があります。
物理は抽象的で難解な部分もあるため、基礎からしっかりと学習し、問題演習を通じて理解を深めることが大切です。
生物は、医学に直接関係する科目であり、人体の構造や機能、病気の仕組みなどを学ぶために欠かせません。
生物も医学部の入試で必要な場合が多く、基礎から応用まで幅広い知識が求められます。
生物の選択は、医学の勉強を進めるうえでも役立つ土台を築くことができます。
生物は暗記が多いため、体系的に学びながら復習を重ねていくことが大切です。
以上の点を踏まえて、自分の学力や得意分野に合わせて物理または生物を選択するとよいでしょう。
その他の科目
高1から医学部受験を視野に入れて勉強を始める際には、まず基礎を固めることが最も重要です。
国語や社会などの非理系科目は、理解と記憶を繰り返しながらしっかりと学んでいきましょう。
また、日々の学習においては、定期的に進捗をチェックし、適宜調整を加えることも大切です。
高1医学部志望者の理想的な1日のスケジュール
ここからは高1の医学部志望者の理想的なスケジュールをご紹介します。
平日のスケジュール例
7:00 | 起床 |
7:00~8:00 | 朝食・登校 |
8:00~15:30 | 授業 |
15:30~18:30 | 部活動 |
18:30~19:00 | 下校 |
19:00~20:00 | 夕食・お風呂 |
20:00~24:00 | 勉強 |
24:00 | 就寝 |
平日は学校があるため、勉強時間はお風呂をあがってからの4時間を確保します。
その間は休憩時間を決めて計画的に学習しましょう。
通学時間は、単語帳などを見ながら英語や漢字の暗記を行いましょう。
休日のスケジュール例
7:00 | 起床 |
7:00~8:00 | 朝食 |
8:00~13:00 | 勉強 |
13:00~14:00 | 昼食・休憩 |
14:00~19:00 | 勉強 |
19:00~20:00 | 夕食・お風呂 |
20:00~24:00 | 勉強 |
24:00 | 就寝 |
休日のスケジュールとしては、平日に比べて多くの時間を勉強に割くことができます。
平日と同じく効率よく勉強するため、こまめに休憩をとりましょう。
午前午後で5時間ずつ、合計10時間の学習時間となっています。
休日であっても平日と同じルーティンにするため、起床と就寝は同じ時間にしています。
医学部受験に向けた高1の夏休みの過ごし方
医学部受験に向けた高1の夏休みの過ごし方についてご紹介します。
夏期講習を活用する
まずは夏期講習を利用しましょう。
夏期講習に参加することで自分で計画を立て勉強する自己管理能力を得ることができます。
これは定期テストや大学入学試験だけでなく、入学してからも非常に力となります。
また、進路の相談に乗ってもらうことができ、現在の学習状況を加味した上で指導してもらえるため、夏期講習を活用することは非常に有効的です。
自主学習の時間を確保する
また、自主学習の時間を確保することも重要です。
部活などに入っていれば学校のある期間に多くの勉強時間をとることはできません。
そのため、夏休みなどの長期休暇では自主学習をしましょう。
そうすることで2学期からの理解度に差をつけることができます。
医学部受験の勉強と学校生活の両立方法
続いて医学部受験の勉強と学校生活の両立方法についてご紹介します。
部活動との両立方法
部活動をしていても、朝の時間や部活終わりに課題をすることが可能です。
さらに部活では体力を培うことができるため、受験勉強にも繋がる部分があります。
また、好きなことに没頭する時間は、勉強を効率化させるため、部活動は受験にも活かすことができ、両立も可能です。
定期テスト対策
受験勉強は長期的な目標なので、重要な科目(例えば、英語、数学、化学、生物)に重点を置きます。
定期テストが近づくと、その科目に関連する部分を中心に学習しますが、医学部受験のための基礎力を維持することも大切です。
定期テストは範囲が決まっているため、その範囲を効率よく学習します。
普段から医学部受験の勉強を進めていれば、定期テストの内容も重なる部分があるかもしれません。
テスト範囲を把握して、必要な部分をピンポイントで強化しましょう。
医学部受験でモチベーションを維持する方法
次に、医学部受験でモチベーションを維持する方法についてご紹介します。
長期的な目標を設定する
まずは長期的な目標を設定してみましょう。
「医学部に合格する」など最終的な目標を持つことでモチベーションを高めることができます。
そこから1年・半年・3ヶ月・1ヶ月・1週間・1日など細分化して目標を設定しましょう。
短期的な成果を見える化する
また、短期的な目標は見える化しておきましょう。
小テストで何点以上をとるなど達成できたと感じられるようにしておくことで、達成できたときにもっと頑張ろうと感じられます。
もし達成できなくても、達成するためにどうすればよいのかを考え努力することができます。
よくある質問
次によくある質問についてご紹介します。
Q1:高1から予備校に通うべき?
予備校に通うことで学習の早期スタートが出来るため、おすすめです。
医学部は難関学部であるため、受験勉強としては学校の授業よりも早めに進んでおく方がよいです。
しかし、未学習範囲を一人で学ぶのは難しいため、予備校での授業があると理解がしやすいです。
また、高1から予備校に通うことで力強いサポートを受け、合格に近づくことができます。
Q2:学校の授業と受験勉強のバランスは?
医学部受験における学校の授業と受験勉強のバランスを取ることは、効率的な学習を進めるために非常に重要です。
学校の授業は基礎的な知識を深める場として重要ですが、受験勉強はさらに高度で専門的な内容に進んでいくため、両者をうまく両立させる工夫が求められます。
学校の授業と受験勉強のバランスを取るためには、計画的に学習時間を確保し、効率的に学習を進めることが重要です。
学校の授業をしっかり受けつつ、受験勉強で必要な応用力や実践的な問題演習も積極的に行うことで、両者をうまく両立させることができます。
Q3:高1で医学部に向いているかどうかわかる?
医学部に進むには非常に高い学力と多くの努力が必要ですが、早い段階で自分の適性を確認し、進むべき方向性を定めることは非常に有益です。
高1の段階で自分が医学部に向いているかを完全に判断することは難しいですが、医学部に対する強い興味と意欲、そして長期間の学習に耐える精神力と自己管理能力が必要です。
もし高1の段階でまだ自信がない場合でも、しっかりとした計画を立てて努力を続ければ、医学部への道は開ける可能性があります。
自分のペースで学習を進めながら、少しずつ医学部受験に向けた準備をしていきましょう。
まとめ
今回は高1での医学部受験について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
医学部は難関学部であることから高1から学習することが必要です。
また、勉強に対する関心や継続力なども必要ですので、自分なりにどうすればモチベーションを高めたまま学習できるかを早めから模索してみましょう。
また、今回の記事も参考にしてみてください。
この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹

大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
『個別の会』の代表でもあり、圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。