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奈良県立医科大学医学部の難易度は?気になる偏差値・倍率について徹底解説!

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カテゴリ:大学情報

奈良県立医科大学は奈良県橿原市にある公立大学です。
本記事では奈良県立医科大学の倍率や偏差値、入試情報や試験問題の傾向等について詳しく解説しています。
医学部に興味がある方は、是非参考にしてみて下さい。

奈良県立医科大学の基本情報


奈良県立医科大学の所在地、アクセス、学生数、学費、医師国家試験合格率などについてご紹介します。

所在地 〒634‐8522 奈良県橿原市四条町840番地
アクセス 「JR 桜井線畝傍駅」下車 徒歩約10分
「近鉄大和八木駅」下車 徒歩約15分又はバス約8分
「近鉄八木西口駅」下車 徒歩約8分
学生数 医学部医学科:689名
医学部看護学科:343名
学費 4,102,650円
医師国家試験合格率 92%

アクセスは良好で通学しやすくなっています。
学生数における男女比は7:3で男子の方が多いです。
学費は国立大学では一律のため他の大学とほとんど変わりません。

奈良県立医科大学医学部の難易度


ここでは、各学科の偏差値と倍率について見ていきましょう。

奈良県立医科大学医学部の偏差値

奈良県立医科大学医学部の偏差値を学科ごとにまとめました。

医学科

日程方式 偏差値 共通テスト得点率
前期 69 85
後期 72 90

医学科の偏差値は69~72程度となっています。
国公立大学医学部の偏差値は全体的に高い傾向がありますが、奈良県立医科大学医学部は全国の医学部の中でも82校中25位と上位に属しています。
そのため、非常に合格難易度は高いといえます。
また、後期は前期試験より募集人員が多いこともあり、他大学に出願していた受験生が集まりやすいため、さらに難易度が高くなると考えられます。
共通テスト得点率も85~90%と非常に高く、合格へのハードルは高いです。
ハイレベルな戦いとなるため、共通テストで高得点をとれるよう対策しておくことが重要となります。

看護学科

日程方式 偏差値 共通テスト得点率
前期・一般枠 57 64
前期・地域枠 57 64

看護学科の試験日程は前期のみで、偏差値は57程度、共通テスト得点率は64%となっています。
医学科と比較すると大きく差があるため、入試難易度は医学科よりも低いといえます。
医学科よりハードルは低いですが、基礎以上の学力は身に付けておく必要がありますので、しっかり受験対策をして備えておきましょう。

奈良県立医科大学医学部の倍率

2023年度の奈良県立医科大学医学部の倍率を学科ごとにまとめました。

医学科

入試方式 募集人数 合格者数 入試倍率
前期・一般 22 22 8.6
後期・一般 53 61 4.1

医学科の倍率は前期試験8.6倍、後期試験が4.1倍となっています。
前期は後期試験よりも募集人数が少ないため、それに伴い倍率も倍以上高くなり、厳しい戦いとなります。
しかし、奈良県立医科大学のように後期試験を実施している医学部は少なく、最後のチャンスとして後期試験での合格を目指す受験生が多く集まる傾向にあるため、後期試験の倍率も十分高いといえます。
そのため、全国的にみて奈良県立医科大学医学部の倍率は非常に高いといえるでしょう。

看護学科

入試方式 募集人数 合格者数 入試倍率
前期・一般枠 40 42 2.2
前期・地域枠 10 10 3.2

看護学科の倍率は一般枠2.2倍、地域枠3.2倍となっています。
地域枠は出願できる受験生が限られるため、基本的に倍率が低くなる傾向にありますが、募集人数が少ないため一般枠よりも倍率が高い結果となっています。
合格するためには、共通テストに加えて個別学力検査への対策も必要となりますので、並行して行いましょう。

奈良県立医科大学医学部の入試科目


奈良県立医科大学医学部の入試科目について学科ごとにまとめました。
(※令和7年度入試からの入試科目です。)

奈良県立医科大学医学部医学科

まずは医学科の入試科目について表にまとめました。

大学入学共通テスト

学校推薦型選抜及び一般選抜(前期日程・後期日程)

教科 科目 科目選択の方法
国語 国語 必須
地理歴史 地理総合、地理探究
歴史総合、日本史探究
歴史総合、世界史探究
左の 5 科目から 1 科目を選択
公民 公共、倫理
公共、政治・経済
数学 数学Ⅰ、数学A 必須
数学Ⅱ、数学B、数学C 必須
理科 物理
化学
生物
左の 3 科目から 2 科目を選択
外国語 英語
ドイツ語
フランス語
中国語
韓国語
【学校推薦型選抜及び一般選抜(後期日程)】
左の 5 科目から 1 科目を選択
【一般選抜(前期日程)】
英語(リスニングを含む)
情報 情報Ⅰ 必須

令和7年度から5教科7科目が6教科8科目に変更となります。
主に変更となる教科は地歴・公民、数学、外国語、情報です。

個別学力検査等

学校推薦型選抜及び一般選抜(後期日程)

教科 科目 科目選択の方法
数学 数学 必須
理科 物理、化学、生物 【学校推薦型選抜】
左の 3 科目から 1 科目選択
【一般選抜(後期日程)】
左の 3 科目から 2 科目選択
英語 英語 必須

個別学力検査等の試験科目は数学、理科、英語の3教科となっています。
3教科ともきちんと勉強する必要がありますが、理科科目の比重が大きいため、加えて重点的に対策して確実な得点に繋げられるようにしておきましょう。
そのためにも、理科は事前に選択科目を決めて、試験当日に備えておきましょう。

奈良県立医科大学医学部看護学科

次に看護学科の入試科目についてまとめました。

大学入学共通テスト

一般選抜(前期日程)

教科 科目 科目選択の方法
国語 国語 必須
地理歴史 地理総合、地理探究
歴史総合、日本史探究
歴史総合、世界史探究
地理総合、歴史総合、公共
左の 6 科目から 1 科目を選択
公民 公共、倫理
公共、政治・経済
数学 「数学Ⅰ」、「数学Ⅰ・数学A」
「数学Ⅱ、数学B、数学C」
左の 3 科目から 1 科目を選択
理科 ①物理基礎、化学基礎、生物基礎 左の①から 2 科目又は②から 1 科目を選択
②「物理」「化学」「生物」
外国語 英語 必須
情報 情報Ⅰ 必須

看護学科は令和7年度から6 教科6科目または7科目に変更となります。
主に変更となる教科は地歴・公民、数学、情報です。
国語と外国語の配点が大きい傾向にあるため、この2教科を重点的に勉強するとよいでしょう。
また医学科と同様に、「情報」が必須となりますので、他の科目とあわせて対策する必要があります。

奈良県立医科大学医学部の入試傾向・対策


奈良県立医科大学医学部の入試傾向・対策について科目ごとにまとめました。

英語の傾向と対策

大問数は4題となっています。
読解問題は、内容説明や和文英訳などの記述問題が中心です。
英文は例年論説文が出題されており、近年は医学を中心に自然科学系の英文が多い傾向にあります。
要点をつかみながら正確に読解し、手際よく設問に解答していく必要があります。
和文英訳は、難解な和文ではないので、しっかり文脈を理解し、一度英文にしやすい日本語に直してから英訳に取り掛かるとよいでしょう。
空所補充形式の文法・語彙問題については、選択肢として与えられている語句は基本的なものが多く、また文法知識を使えばある程度どの語句が入るかを絞り込めます。
英作文問題は、与えられたテーマについて自分の意見や体験をまとめる英作文と、読解問題の英文に関係する内容についての意見論述が出題されています。
英語としての正しさだけでなく、内容も採点対象となることに留意しておきましょう。
難易度は全体的に高く、きちんと基礎固めをした文法力を背景に、質の高い英文読解力と英作文力が要求されています。
解く順番やペース配分についても念入りに訓練しておきましょう。
読解問題の内容説明や要約では、解説の詳しい問題集で、構文把握の練習をしておくとよいでしょう。
テーマ英作文や意見論述などの自由英作文も、どれだけ練習したかが如実に反映されるため、序論・本論・結論の3段構成や、譲歩→主張型など、自身の主張を分かりやすく伝えられる論理構成を身につけ、与えられたテーマに対して意見を述べる練習をできるだけ数多くこなしておきましょう。
英作文の力は独力では身につきにくいので、先生に添削指導を受けることがおすすめです。

国語の傾向と対策

共通テストでの国語の配点割合は、他の科目と比べると低いです。
しかし、共通テストと個別学力試験の配点比率は50%と、どちらも重視されているため、国語の試験対策も十分にしておく必要があります。
高得点をとるためには時間配分や注目して読む場所の判断をしたり、全体の話の流れを追うことが重要となります。
そのため、大問ごとに割く時間や解く順番をあらかじめ決めておくこと。
そして、設問で聞かれている内容を本文から正確かつ素早く見抜くこと。
古典はストーリーを考えながら読んでいくと、パターンやオチが正確に見えてくるようになるでしょう。
これらのポイントをおさえて、問題に取り組みましょう。

数学の傾向と対策

大問数は前期5題、後期4題です。
前期日程では、微・積分法、極限、確率、ベクトルを中心に出題範囲全体から広く出題されています。
2022年度は、ここ数年出題のなかった複素数平面、高次方程式からの出題もみられました。
後期日程では幅広い分野から出題されていますが、なかでも微・積分法、整数の性質、数列、極限、ベクトルからの出題が多いです。
典型問題、頻出問題といえるものはほとんどなく、型にはまらない問題が目立ちます。
難易度は前期日程は、標準的な問題がならんでいますが、試験時間は実質60分なので、時間的に厳しいです。
後期日程はやや難レベルの問題が並んでいます。
解答の糸口をつかむまでに試行錯誤や発想の転換が必要で、数学の本質を理解しているかを問う問題が多い傾向にあります。
日頃から幅広い数学の知識を獲得しておくとともに、論理的思考力を養っておくことが要求されています。
代表的な標準問題は実際に独力で解いておくのはもちろん、ときには難問に取り組んで、思考力を鍛えることも必要です。
公式や定理などは丸暗記するのではなく、それらが導かれる過程も論理的に理解するよう心がける必要があります。
特に後期日程では、典型的な解法だけを覚えてそれを当てはめる、という方法では解決できない問題も多いです。
このような出題に対応するには、解法を自分で考察する習慣を持ち、思考力を養成しなければなりません。
また、幅広い範囲から出題されるので、どの項目も軽視することなく学習し、微・積分法、ベクトル、確率、整数の性質、数列、極限などの頻出項目に対しては、特に重点的に学習を行いましょう。
そして、標準問題は必ず解答できるという自信がつくまで反復学習をする必要があります。
さらに、計算量の多い問題やテクニックの必要な問題に備えて、レベルの高い問題に取り組むことが重要です。

理科の傾向と対策

化学は前期日程は標準的な問題がほとんどですが、一部かなり細かい知識を問う問題も含まれています。
後期日程では、教科書にある内容を単に問うのではなく、どうしてそのようになるのかといった切り口からの出題が中心で、やや難しいです。
たとえば、化学反応はなぜ進行するのか、検出反応はどのような化学反応によって起こるのか、検出に用いる試薬はどのように調製するか、実験操作の意味は、といったことにポイントを置いた出題がなされています。
入試頻出ではないような細かな知識、教科書では参考として扱われている事象・物質についても問われることがあります。
また、字数制限つき論述問題も複数出題されるため、時間的な余裕はないと思われます。
理論分野は1つのテーマのもとに、さまざまな単元が問われており、特に酸化・還元や化学平衡は近年頻出です。
また、その他に、さまざまな現象の説明や理由などを求める論述問題がよく出題されているので、対応できるよう練習しておきましょう。
計算問題は、計算過程を求められることがあるため、考え方を数式と文章で表現できるよう、問題練習をする際は意識しておきましょう。
物理は力学、電磁気を中心に、波動、熱力学から出題されていますが、2020・2022年度の後期日程では、原子からも出題されています。
グラフの読み取りなどの設問もあるが、計算問題が中心で、理由説明や描図を含む問題が出題されることもあります。
難易度に関して、ここ数年は標準レベルの問題です。
また、問題文の与え方に特徴があるので、読解力や応用力、思考力を求められ、複雑な計算を要することもあります。
教科書で扱われている事項はきちんと学習し、公式を導く過程や物理量の定義などの理解を十分にしておきましょう。
教科書を中心にして、基本事項の本質的な理解を図ることがまず大切です。
基本事項の理解を深めるには、教科書傍用や標準的な練習問題集を完全にこなすようにするとよいでしょう。
問題練習に際しては、面倒がらずに計算過程を示しながら、自分で計算を進めることが大切です。
誤りなく素早い計算をする力は、日頃の学習の積み重ねで身につきます。
生物は問題数は多いですが、1問1問は比較的短めに作られているので、さまざまな分野の総合的な理解を要求する内容となっています。
動物生理に関しては、高校の範囲を超えた知識問題が出題されることもありますが、その他は高校教科書の内容を超えない問題が大半です。
前期日程では進化・系統の分野が頻出で、生物の分類に関する知識を問う内容が多いです。
また、医科大学としては珍しく、生態(バイオーム、生態系、個体群)の分野からの出題頻度が高く、内容も多岐にわたっています。
後期日程に関しては、以前は最先端の話題や医学的な話題が出題され、考察問題も多くみられましたが、近年は減少傾向にあり、知識問題が大半を占めるようになりました。
知識問題については、教科書や図録に載っている範囲での出題が多いです。
前期・後期日程ともに記述・論述問題がほとんどで、計算問題も出題されています。
対策として、まずは教科書全体をまんべんなく勉強し、手薄な分野をなくすことが重要となります。
論述問題は、実験結果などをふまえて自分なりの推論を導いた考察の過程を書かせるといったものよりも、生物学的な事項についての知識の説明をさせるものが多いです。
そのため、採点者に正しく伝わる文章が書けるよう、普段から批判的な目で自分の解答を見直し、自分以外の人が読んだとき、理解してもらえる文章であるか厳しくチェックしながら論述の練習を重ねておきましょう。
他の試験日程で過年度に出題された問題の類題が出題されることもあるので、他の日程の過去問にあたることも有用です。

地理歴史・公民の傾向と対策

国語と同様に共通テストでの地理歴史・公民の配点割合は、他の科目と比べると低いですが、対策はしっかりしておきましょう。
世界史か日本史は勉強次第で高得点が狙えます。
しかし情報量が非常に多いため、勉強には時間がかなりかかりますが、一度習得してしまえば本番当日の調子に左右されにくく、9割~満点も確実に狙うことができます。
地理は思考力が問われる問題が多い傾向にあるため、安定した高得点は狙いにくく、倫理や政治経済は満点を目指すのは非常に難しい科目です。
そのため、世界史か日本史を重点的に学習しておくとよいでしょう。

まとめ


今回は奈良県立医科大学医学部の偏差値や倍率、入試情報などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
奈良県立医科大学医学部は、幅広く深い医療が学べる医療に特化した医科大学であり、県内の医学部を目指している受験生や、関西エリアの受験生が多く集まる人気の学校です。
偏差値、倍率ともに高く非常にレベルの高い難関校であるため、奈良県立医科大学医学部への受験を検討している受験生は、ぜひ今回の記事を参考にし、早い時期から受験対策をしていきましょう。

この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹

医進の会代表 谷本秀樹
中学入試の希学園の集団授業で600名以上の多くの生徒を受験指導。
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。

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