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医学部の二浪はやばい?現役生と一浪の違い、合格できるのかどうかなど詳しく解説

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カテゴリ:基礎知識

医学部は、日本で最も難関の大学入試で複数年にわたって挑戦を続ける受験生も少なくありません。
一方で、毎年「医学部は浪人だと受かりにくいのか?」や「二浪でも合格できますか?」といった質問を多くいただきます。
そこで、今回の記事では、医学部は浪人でも合格できるかどうかや、現役生との比較、合格するための学習法などをご紹介します。
医学部を目指す方に有益な内容となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事を読むとわかること
  1. 医学部の二浪はボーダーなのか?
  2. 現役生と、一浪、二浪による違いは?
  3. 医学部受験の「寛容」とは?

今回の記事を動画で解説しています!

医学部は浪人で受かる?

まず、医学部についての質問で最も多い「医学部は浪人でも受かるのか?」について、詳しく解説します。

医学部は浪人でも受かる

結論から申し上げますと、医学部は浪人生でも合格可能です。
文部科学省発表の医学部合格者の年齢分布データを確認すると、医学部合格者の半数以上が、19歳以上であることがわかります。
医学部合格者の年齢別割合は以下の表のとおりです。

平成30年 平成29年 平成28年 平成27年 平成26年
合格者合計 13,409 13,408 13,533 12,980 12,504
うち18歳以下 4,898 36.5% 4,737 35.3% 4,354 32.2% 4,364 33.6% 4,316 34.5%
うち19歳 4,823 36.0% 4,803 35.8% 4,996 36.9% 4,492 34.6% 4,421 35.4%
うち20歳 1,936 14.4% 2,022 15.1% 2,131 15.7% 2,068 15.9% 1,934 15.5%
うち21歳 769 5.7% 757 5.6% 820 6.1% 822 6.3% 748 6.0%
うち22歳以上 983 7.3% 1,089 8.1% 1,232 9.1% 1,234 9.5% 1,085 8.7%

参考)医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査の結果速報について

医学部で二浪以上の人はいるのか

前項の医学部合格者における年齢別割合の表からもわかるように、二浪以上の合格者は存在しています。
医学部は日本の大学入試における最難関であるため、複数年に渡っての挑戦はまったく珍しくないと言えます。

三浪以上となると注意が必要

一方で、前出の表の「うち21歳」「うち22歳以上」欄を参照すると、平成30年度の医学部合格者のうち、21歳の割合は5.7%、22歳以上の割合は7.3%であることがわかります。
現役生が36.5%、二浪にあたる20歳が14.4%であることを鑑みると、三浪以上の年齢になると合格者が激減していることがわかります。
そのため、三浪以上の医学部合格にはなんらかの壁があることが考えられます。

三浪以上で合格が難しくなる理由

医学部受験生で三浪以上だと合格が難しくなる理由について解説します。
主に考えられる理由は以下のとおりです。

  • モチベーション維持ができない
  • 浪人という危機感がなくなる
  • 切磋琢磨する相手がいなくなる

高校生活+浪人2回という年月を受験勉強に費やしていることを考えると、モチベーション維持の難しさがわかります。
また、現役生の頃は浪人が嫌だと思って勉強に熱中していた方も、2回浪人を繰り返してしまうと3回目からは慣れてしまう事が考えられます。
三浪以上となると身近に浪人を繰り返している受験生も少なくなり、切磋琢磨して学習に取り組むのが難しいという環境もありえます。

医学部で二浪はボーダーと言われている?

医学部受験を志す方の中には「医学部は二浪まで」という文言を聞いたことがある方も多いかと思います。
医学部を目指すにあたって、1つのボーダーとして“二浪”を挙げる人は少なくありません。
ではなぜ、医学部受験に置いて二浪がボーダーとされているのでしょうか。

二浪がボーダーと言われている理由

医学部受験において、二浪がボーダーと言われる一番の理由として、キャリアの問題が挙げられます。
例えば、一般企業において、職歴・学歴のない「空白期間」は採用において非常に不利に働きます。
医学部合格のために三浪したのち、医学部を諦めて別の学部に入学・卒業したとすると、就職活動で「どうして3年の空白期間があるのか」がネックとなり、採用を見送られる可能性があります。

マイナスにもプラスにもなり得る

企業としては「長く働いてくれる人材」に価値を感じることもあり、採用基準として年齢を重視することはよくあります。
2年程度であれば空白期間も許容されることが多い一方、3年以上の空白期間はやはりマイナスに働くことが多いというのが正直なところです。

実際に、二浪以上の受験生はあまりいない

医学部合格者のうち、三浪以上の割合が少ないことは、前項にて解説しました。
その理由の1つとして、そもそも二浪以上の受験生の数自体が少ない、という理由が挙げられます。
ではなぜ、二浪以上の医学部受験生の数が少ないのでしょうか。
二浪以上になるとデメリットがたくさん存在するため、次にデメリットについて詳しく解説します。

二浪以上のデメリットについて解説

主な原因として、以下の3つのデメリットが挙げられます。

  1. モチベーションが下がってしまう
  2. 費用が膨大にかかってしまう
  3. プレッシャーがかかる

デメリット①:モチベーションが下がってしまう

デメリットの1つ目として、前述した通り、浪人生活が長く続くことで浪人であることが当たり前になってしまい、モチベーションが下がってしまうことが挙げられます。
「絶対に合格するんだ」といった、ハングリーな姿勢が保ちにくく、また「こんなに何年も勉強しているんだから、きっといつかは受かるだろう」といった慢心が生まれやすいことも理由の1つです。
自分のモチベーションを保ち、緊張感のある浪人生活を送るために、“二浪で駄目なら医学部を諦める”など、二浪を一つの区切りとして設定する人が多い傾向にあります。

デメリット②:費用が膨大にかかってしまう

デメリットの2つ目として、費用が膨大にかかる点が挙げられます。
浪人生活には、当然ですが費用がかかります。
特に、予備校に通学する場合には、授業料(テキスト代)、交通費、食費、模試受験料など、私立高校の通学と同じぐらいの費用がかかります。

予備校に通わなくても費用はかかる

費用削減のため予備校に通わずに浪人したとしても、参考書代・光熱費・食費・模試受験料などはかかります。
また、受験時に各大学に支払う受験料は、共通テストで18,000円、国公立大学二次試験で17,000円、私立大学1回の受験に約30,000円が必要となります。
複数の大学を受験する場合には、数十万円の費用が必要です。
上記のような費用が複数年かかることから、二浪以上の浪人生活は費用面で限界が来てしまう可能性があります。

デメリット③:プレッシャーがかかる

デメリットの3つ目として、プレッシャーがかかるという点が挙げられます。
自分と同学年の人がどんどんとキャリアを形成していく中、大学という次のステップに進めていないことや、膨大な費用をかけてもらって浪人生活を送っているのに成果が得られていないことに、焦りやプレッシャーを感じてしまうということがあります。
このプレッシャーは、浪人生活が長引けば長引くほどマイナスに働く傾向にあります。

二浪以上に生じうるデメリットまとめ
  1. モチベーションの維持が大変
  2. 費用が膨大に必要
  3. 受からないといけないというプレッシャー

現役生と一浪・二浪を比較すると

ここまでの解説から、二浪以上の医学部浪人生の様相について大分イメージをもっていただけたかと思います。
次に、現役生・一浪・二浪の生活や傾向を比較してお伝えします。

現役生の特徴

現役生は高1から高3までの時間を活用する余裕があるため、計画的な学習スケジュールを立てることが可能です。
まずは入試範囲の出来る限り早い履修完了(一周目の学習を終えること)を目指します。
そのうえで、基礎→標準→応用へとレベルアップさせることが重要です。

模試の活用や学習の方法も異なる

また、模試を活用して定期的に自己分析を行い、弱点となる教科や単元を克服することが必要です。
学校の授業に参加できること、学校の先生に定期的に質問することで理解を深められることは現役生の強みですので、学校という環境を十分に活用できる点もポイントです。
適度な休息も忘れずに取りながら、効果的な学習を心がけましょう。

一浪生の特徴

一浪生はまず、一度出た不合格という結果から、挫折を乗り越える覚悟が求められます。
勉強への姿勢や生活面で足りていなかった部分を反省したうえで、学力面での自己分析を行い、不足している点を克服&レベルアップさせる一年となります。
「一浪だから」と基礎に手を抜かず、応用レベルまで自信をもって解けるだけの実力を養いましょう。
後半期では、志望校の過去問を繰り返し解き、試験の傾向を理解し、点数アップを目指すこととなります。
現役時の失敗点をよく振り返り、常に現役時よりも効率的に学習することを心がけましょう。
一浪生は、失敗を恐れず、前向きな姿勢を持ちながら地道に努力することが重要です。

二浪生の特徴

二浪生は心の持ち方が重要です。
先述の通り、多くの方が「医学部は二浪まで」と決めていること、また「今年もだめだったらどうしよう」と焦りや不安を抱えることもあるかもしれません。
しかし、それまでの2年間を振り返ったうえで、冷静に現状を把握し、目標を再設定しましょう。

現状維持ではなく、点数アップを狙う

二浪生は失敗を恐れるあまり、新しい参考書や学習法を取り入れることを嫌ってしまい、レベルアップではなく現状維持を図ってしまう傾向があります。
しかし、二浪生だからこそ新たな学習方法や参考書を積極的に取り入れて、できることを増やすことが必要です。
同じ境遇の仲間や先輩の励ましも受け入れながら、自分のペースを大切に持続的な学習を行いましょう。
最後まで諦めずに挑戦し続けることが合格への鍵です。

遅くとも二浪までには合格したい

本記事で繰り返しお伝えしていますが、キャリアの面、費用の面、大学の寛容度(後述)の面からも二浪までには合格を勝ち取りたい、というのが正直なところです。
ただし、「二浪までは挑戦できる」というマインドでは合格は難しいと言えます。
毎年合格を勝ち取るイメージを鮮明に持ったうえで挑戦をしなければいけないことは、重々肝に銘じる必要があります。

医学部の「寛容度」とは?

各大学の医学部は、それぞれに合格基準を持っています。
その1つとして、「年齢」が挙げられます。
一般的に、年齢が合格/不合格に大きな影響を与えてはいけないのはもちろんですが、一方で、医師として長期間社会に貢献できるという点を大きな魅力としてとらえる考え方も、確かに存在しています。

年齢の許容のレベルが「寛容度」

この「年齢」に関する考え方は各大学の医学部によって異なります。
その結果、再受験生や複数年浪人している受験生に対しても寛容に受け入れていると考えられる大学と、そうでない大学が存在しています。
この傾向を数値化し、医学部の「寛容度」として表すことがあります。
そのため、複数年浪人の末医学部を目指す場合には、受験生に対して寛容度の高い大学を目指すことをおすすめします。

医学部受験に合格するためには

以下では、医学部受験に合格するための具体的な方法を3つご紹介します。

これまでの課題を把握する

医学部合格のためには、合格ラインの学力と自分の学力のギャップを徹底的に埋める必要があります。
そのために、「医学部の合格ラインに達していない科目・単元」を徹底的に洗い出し、合格ラインに達するための課題を設定・解消する必要があります。
模試の結果や日々の問題演習を通じて、合格に向けてどれだけのギャップがあるかを図ることが重要です。

現実的な志望校・受験校を決める

また、志望校・受験校の設定も重要なポイントです。
大学によって、過年度生が合格しづらい(=寛容度が低い)ところ、現役生よりも一浪生のほうが合格者が多いところ、科目の重要度/難易度が違うところなど、さまざまな特徴があります。
自分の得意科目や現状をよく鑑みたうえで、合格の可能性が十分にある大学を志望校・受験校として設定しましょう。
その際、医学部受験のプロからのアドバイスは非常に効果的ですので、可能であれば面談やカウンセリングなどの設定も検討しましょう。

医学部予備校に入る

医学部予備校は、医学部受験のプロによって運営される「医学部受験に特化した予備校」を指します。
医学部受験のプロ集団による指導を受けられるため、医学部合格の最短距離をたどれる点が強みです。
ただし、医学部予備校への入塾を検討する場合、以下の3点に留意しましょう。

  1. 経済的に可能かどうか考える
  2. 適切で合格できる対策を行ってくれるかどうか
  3. 浪人生であれば個別で対応してくれるところがおすすめ

経済的に可能かどうか考える

予備校への通塾は、当然ですが費用がかかります。
特に、医学部予備校のような指導に専門性が求められる予備校では、高額な費用が発生する可能性もあります。
そのため、それぞれの予備校でかかる年間費用を具体的に調べたうえで、経済的に通塾可能かどうかをあらかじめよく検討しておきましょう。

適切で合格できる対策を行ってくれるかどうか

一口に医学部予備校といっても、講師の特性や指導方針によって合う・合わないがあることはある程度仕方がないと言えます。
一方で、カリキュラムや指導メソッドといった基本方針の部分については、あらかじめ確認が可能です。
適切な指導が行われているか、合格するために必要な指導を行ってくれるか、サポート体制は充実しているかなど、指導内容が充実しているかどうかをよく調べ、合格力を養成してくれる医学部予備校を選びましょう。

浪人生であれば個別で対応してくれるところがおすすめ

また、浪人生であれば、集団授業よりも個別指導がおすすめです。
浪人生の多くは、現役時に良かった学習法を継続したり、得意科目ばかり勉強したりと、「現状維持」を行ってしまう傾向があります。
しかし、浪人に至ってしまった理由の中には、学習方法が効果的でなかったり、分析が甘く苦手に対応できていなかったりと、変化を起こす必要のある部分をそのままにしてしまっている、ということが少なくありません。
そのため、浪人生は、一人ひとりのそれまでの学習を振り返ったうえで、現状から合格というゴールまでにやるべきことを徹底的に分析してくれる、個別指導形式の医学部予備校への通塾がおすすめです。

医学部受験をするなら医進の会


本記事をお読みの方の中には、医学部を受験するにあたって医学部に対応可能な予備校への通塾を検討されている方も多いかと思います。
そこでおすすめなのが、大阪にある医学部専門予備校「医進の会」です。
以下では、医進の会の特徴をお伝えします。

1対1の個別指導

医進の会では、一人ひとりの学力・目標(志望校)に合わせて、それぞれの生徒の状況に合わせた完全オーダーメイドの個別カリキュラムを作成します。
そのうえで、カリキュラムに合わせた個別テキストを使用し、医学部受験に精通したプロ講師による1対1の個別指導を行います。
1コマ120分の授業で、講義→演習→解説までみっちり指導をするため、医学部で出題されるハイレベルな内容も授業内の時間でしっかり理解することが可能です。

授業時間以外のフォローも可能

医進の会は医学部専門の個別指導を行っていますが、医学部合格のためには勉強以外の時間の過ごし方も重要と考えています。
そのため、医進の会では授業時間以外のフォローも充実させています。

  • 自習中の質問対応システム
  • 小論文・面接対策
  • 受講科目以外のフォロー
  • スマホ預かりシステム

授業時間だけではなく、勉強に向かうフォローも万全のため、安心して医学部対策に臨めます。

コストも比較的安く抑えられる

医進の会では、授業料を「後払い月謝制」で頂戴しています。
そのため、予算に応じて受講コマ数を決めていただいたうえで、実際に受講した分のみお支払いいただく形となります。
金額も他予備校と比較してリーズナブルな設定となっておりますので、医学部予備校に通塾しながらもコストを押さえられる点も魅力です。

無料面談、体験授業も行っているため、気になる方は一度お問い合わせください。
無料の体験授業・面談はこちら無料電話問い合わせ
06-6776-2934

まとめ

いかがでしたでしょうか。
医学部受験は大変狭き門であり、受験を考える際にはどうしても浪人生活まで視野に入れる必要があります。
実際に、二浪以上の浪人はモチベーションおよび大学の寛容度の観点からも厳しい現実がある、というのをお分かりいただけたかと思います。
だからこそ、現役・一浪・二浪の時間の過ごし方をより充実したものへと昇華させ、合格への道を確実なものとすることが重要です。
この記事を読んでくださった方が、充実した医学部受験生としての時間を過ごされることを祈念しています。

この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹

医進の会代表 谷本秀樹
中学入試の希学園の集団授業で600名以上の多くの生徒を受験指導。
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。

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