医学部の併願先の選び方とは?国公立・私立の併願対策について解説
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カテゴリ:入試
大学受験では最難関と言われる医学部なだけあって、国公立大学・私立大学ともに第一希望の大学に受かることは容易ではありません。
そのような時に大事なのが医学部受験における併願です。
本記事では医学部受験の併願先の選び方や受験の方法について、国公立大学医学部および私立大学医学部それぞれ詳しく解説していきます。
共通テスト利用入試の活用法や注意点についても解説しているため、医学部受験を考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
国公立医学部受験者の私立併願における注意点
まず、国公立医学部受験者の私立併願における注意点についてご紹介します。
私立大学医学部の出願は時期に注意
私立大学医学部の出願は、一ヶ月後に共通テストを控える12月頃から順次始まります。
出願準備には私立大学医学部をどのように選択するかが重要になってきます。
国公立大学医学部を主に志望する方は2~4校程度出願をされる方も多く、なおさら準備も必要となります。
2025年度の私立大学医学部では、杏林大学、愛知医科大学、川崎医科大学の前期入試出願が12月2日から開始されました。
多くの大学が1月上旬から1月20日前後に締め切られます。
私立大学医学部の志願理由書において400字程度の字数を課す大学もあり、また字数が少なくても、内容を濃くする必要があるため、要約する力も必要となります。
このように出願手続きといえども、多くの時間を割くことになります。
私立大学医学部後期試験の出願時期は、国公立医学部の二次試験の間近である2月にスタートします。
最も早い締め切りは近畿大学の後期試験の2月13日で、最も遅い締め切りは藤田医科大学と大阪医科薬科大学で2月28日になり、全ての大学が2月中頃から末日までに出願を締め切ります。
出願準備のために学校や予備校を休んだり、勉強がおろそかになってしまう受験生も毎年います。
そのようなことにならないためにも、出願時期を乗り切るために事前に準備を進めておくことが重要です。
私立大学医学部の二次対策は面接の対策が必要
私立大学医学部の二次試験では面接の対策が必要となりますが、一次試験の筆記以上に「対策がしづらい」「個別性が高い」こともあって、受験生にとって非常に忙しく感じられます。
ここでは、忙しい理由や特殊な形態で二次試験を実施している学校について解説していきます。
国公立大学医学部受験生にとって2月は忙しい
2月は国公立と私立を併願する受験者にとって一番忙しい時期です。
共通テストが終わり、国公立医学部の出願校を決めて出願したあと、二次試験に向けて動き出す時に、私立医学部入試の大きな山場がやってくることになります。
また、私立大学医学部の一次試験は、この時期に東京や大阪あるいは名古屋、福岡など本学以外の主要都市会場でも入試が行われます。
そのため、長距離移動を余儀なくされ、健康維持を行いつつ、私立医学部受験勉強の仕上げを行う必要があります。
地方在住の受験生においては、移動およびホテル宿泊の負担も強いられます。
面接試験は各学校の傾向に合わせる必要がある
二次試験(面接試験)に関しては、岩手医科大学は本学以外にも東京や大阪でも実施しますが、その他のほとんどの大学が本学で実施されます。
一次試験と違って、大学の本拠地まで移動・宿泊して、受験に備える必要があります。
一次合格証を手にしてから、慌てて面接試験の準備を始める受験生も多くいますが、特にMMI(マイクロ・ミニマムインタビュー)や集団討論がある大学は注意が必要です。
国公立医学部ではすべての大学で面接試験が実施されているため、二次試験対策の時間を十分に確保するためにも、早めの準備が望ましいでしょう。
また、どうしても面接試験が苦手な方は、特殊な形態で面接試験を実施する大学は敢えて避けた方が無難です。
MMIを実施する学校とは?
MMIを実施する大学は、東京慈恵会医科大学、東邦大学、藤田医科大学になります。
グループ討論を実施する大学もある
グループ討論を実施する大学は、福岡大学、金沢医科大学、日本医科大学、東邦大学になります。
入学金や前期授業料の納付期限・合格発表日に注意
私立大学の医学部では入学する際に400〜600万円程納入しなければいけません。
さらに、併願するとなるともう1大学の入学時納入金を用意しておく必要があります。
入学辞退すると入学金以外の納入金は返還されますが、返還にも時間がかかります。
以下は2025年の入試スケジュールの一部になります。
川崎医科大学 1/28一次合格発表→2/6二次合格発表→2/12入学手続き締め切り
埼玉医科大学 2/13一次合格発表→2/20二次合格発表→2/27入学手続き締め切り
慈恵医科大学 2/18一次合格発表→3/3二次合格発表→3/7入学手続き締め切り
第一志望の大学の合格発表が後になればなるほど膨大なお金を準備しなければいけません。
また、国公立の入学時納入金は80万〜90万円程になります。国公立は合格発表が遅いため、私立大学の手続きをどうするのかなど、さまざまなパターンを予想して決めておくことが必要となります。
国公立と私立併願の勉強のバランス
国公立と私立併願となるとそれぞれに合った勉強をする必要があります。
基本的には国公立医学部の勉強をメインに計画を立てましょう。
しかし、私立大学の勉強に時間をとらないというのも良くないです。
9月、10月頃には私立大学の過去問を解いてイメージしておくと安心です。
その際に、それぞれの合格最低点や出題の傾向も把握しておきましょう。
すべり止めだとしても最低1年分は解いておくことをおすすめします。
秋以降に私立大学の対策に力を入れていきましょう。
また、国公立大学と出題形式が似ている私立大学を選ぶことも推奨されています。
例えば、昭和大学、愛知医科大学、兵庫医科大学などが国公立大学志望の受験生にとって取り組みやすいと言われています。
出題形式や得意不得意、授業料、入試日程などさまざまな要素を確認しながら、志望校を決めていきましょう。
スケジュールを立てるのが苦手だという方は、塾・予備校などを活用することがおすすめです。
共通テスト利用を効果的に活用する方法
次に、共通テスト利用を効果的に活用する方法をご紹介します。
共通テスト後にも出願できる共通テスト利用
共通テスト後にも出願できる私立大学医学部は、東北医科薬科大学、愛知医科大学、近畿大学、関西医科大学、産業医科大学の5つになります。
共通テストの結果が分かってからの出願になるので、安心して出願することが可能です。
共通テスト利用におすすめな私立医学部
共通テスト利用の定員は基本的に非常に少なく、難易度が高いです。そのため、定員が多い大学やボーダーラインが低い大学が狙い目になります。
定員が多い大学は、関西医科大学、順天堂大学、国際福祉医療大学、杏林大学、愛知医科大学、近畿大学、藤田医科大学、埼玉医科大学、東海大学、大阪医科薬科大学、福岡大学、日本医科大学です。
どの大学も共通テスト利用の定員が10名以上となっています。
また、2024年度にボーダーラインが低かった大学は、埼玉医科大学、愛知医科大学(前期)、獨協医科大学、産業医科大学、東海大学、杏林大学、東北医科薬科大学です。
ボーダーラインが低いといっても78%〜83%となるので、しっかりと対策をしておきましょう。
共通テスト利用がない私立医学部
共通テスト利用が実施されていない私立医学部もあるので注意しましょう。
岩手医科大学、東京慈恵会医科大学、慶應義塾大学、東邦大学、日本大学、兵庫医科大学、久留米大学、自治医科大学、昭和大学、東京女子医科大学、北里大学、金沢大学、川崎医科大学の15校は共通テスト利用がありません。
国公立医学部との併願におすすめの私立医学部
次に、国公立医学部との併願におすすめの私立医学部についてご紹介します。
国公立大学は二次試験対策も大事なので、二次試験対策を同時に行える私立大学を選ぶと効率よく勉強することができます。
そのことを踏まえて、以下国公立医学部との併願におすすめの私立医学部を記載しております。
マークシート(選択)記述混合型
順天堂大学、東京女子医科大学、帝京大学、日本大学、東海大学、藤田医科大学、関西医科大学、近畿医科大学、久留米医科大学
記述式のみ
慶應義塾大学、東京慈恵医科大学、大阪医科薬科大学、昭和大学、日本医科大学、聖マリアンナ医科大学、愛知医科大学、兵庫医科大学、福岡大学
試験時間が長い大学
慶應義塾大学、順天堂大学、昭和大学、国際医療福祉大学、東京慈恵医科大学、日本医科大学、東邦大学、聖マリアンナ大学、藤田医科大学、大阪医科薬科大学、関西医科大学、兵庫医科大学、久留米大学、産業医科大学、福岡大学
試験時間が短い大学
岩手医科大学、東北医科大学、自治医科大学、獨協医科大学、埼玉医科大学、杏林大学、帝京大学、東京医科大学、東京女子医科大学、日本大学、北里大学、東海大学、金沢医科大学、愛知医科大学、近畿大学
上記の中でも記述問題が主体かつ試験時間が長めの大学が国公立との併願におすすめです。
入試難易度や出題形式を加味すると
関東圏→聖マリアンナ大学、昭和大学
中部圏→藤田医科大学、愛知大学
関西圏→関西医科大学、大阪医科薬科大学
九州圏→産業医科大学、久留米大学、福岡大学
などがおすすめされています。
国公立の二次試験対策がしやすい私立大学を選びましょう。
推薦入試や総合型選抜で国公立医学部との併願が可能な私立医学部も
推薦入試や総合型選抜などの制度も活用することもおすすめです。
推薦入試や総合型選抜などの入試は11月までに試験から合格発表まで完了していることがほとんどです。
そのため、国公立入試に集中したい医学生にとっては有効な戦略となるのではないでしょうか。
国公立との併願が可能な大学は、帝京大学、東海大学、藤田医科大学、関西医科大学、近畿大学の5校のみとなります。
定員はほとんどが10名前後になりますが、近畿大学の推薦入試は25名とかなり多いです。
試験科目や評定平均の縛りなど、大学によって異なるので気になる方は大学のホームページをご覧ください。
また、推薦入試や総合型選抜を受けられるのは基本的に1つだけとなるので、しっかりと戦略を立て、有効に時間を使いましょう。
併願先を正しく選ぶなら医学部予備校がおすすめ
医学部と言っても大学ごとに入試の特色や勉強方法などかなり違ってきます。
それを併願ともなると、何をするべきか迷ってしまいます。
その際には、医学部受験の指導に慣れている機関に聞くことが一番の近道です。
現在では、たくさんの医学部専門予備校が各地にあります。
医学部予備校では、勉強を教える以外にも一人一人の学習状況や志望校に合わせてスケジュールを組んだり、予備校でしか手に入らない情報を提供したりと医学部受験を有利に進めることができるサービスを行っています。
たくさんの医学部専門予備校があるので、自分に合いそうな予備校を探してみてください。
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まとめ
今回の記事では、医学部の併願について詳しくご紹介しました。
ただでさえ、難易度が高い医学部受験で併願するとなると負担も大きくなります。
学校によって、入試の特徴や出願時期、合格発表、入学時納入金締切日などが異なるので、精密に戦略を立てていく必要があります。
また、推薦や選抜型入試の活用方法についてもしっかりと考えていく必要があります。
負担を少しでも減らすために、予備校・塾の活用も視野に入れてみてください。