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受験生必見!徹夜で勉強するメリット・デメリット!効果的な方法や勉強後の行動も解説

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カテゴリ:基礎知識

徹夜でテスト勉強することは、受験生にとって避けられないことかもしれません。
しかし、徹夜でテスト勉強することは本当に効果的なのでしょうか。
この記事では、徹夜でテスト勉強するメリットとデメリット、効果の有無、方法やコツなどを解説します。
徹夜でテスト勉強することに関するあらゆる疑問を解決するために、ぜひ最後までお読みください。

徹夜でテスト勉強するとは


徹夜で勉強するとは、試験前日などに睡眠時間を取らずに勉強することです。
まずは徹夜でテスト勉強をする人の割合や傾向、理由、動機などを見ていきましょう。

徹夜でテスト勉強する人の割合や傾向

徹夜でテスト勉強する人は、日本では約6割の学生が経験しているほど、当たり前になっています。
徹夜をした理由としては、課題やテスト勉強が最も多く、次いで友人との交流や趣味などが考えられています。
徹夜をする人の中には、短期間で大量の情報を覚えることが得意なタイプや、緊張感がある方が集中できるタイプもいるかもしれません。
しかし、徹夜は睡眠不足や体調不良などのリスクも伴うため、頻繁に行うことはおすすめできません。
徹夜で勉強することのメリットやデメリットは後述しますので、確認しましょう。

徹夜でテスト勉強する理由や動機

徹夜でテスト勉強する理由や動機は人それぞれですが、一般的には以下の内容が考えられます。

普段から勉強を怠っていて、試験前日になって慌てて詰め込む場合。
この場合は、時間管理や計画性が不足していることが原因です。
試験範囲が広くて、普段の勉強時間ではカバーしきれない場合。
この場合は、優先順位や重要度を見極めて効率的に勉強する必要があります。
試験内容が難しくて、自信が持てない場合。
この場合は、基礎知識の確認や過去問の解析などで苦手分野を克服することが大切です。
試験結果に対するプレッシャーや期待が高い場合。
この場合は、自分の目標やモチベーションを明確にし、過度なストレスを溜めないように気を付けることが必要です。

上記のように、さまざまな理由から徹夜でテスト勉強をする方が多いです。
しかし、原因がわかっているので、日ごろから改善する必要があるでしょう。

徹夜でテスト勉強するメリットとデメリット


徹夜でテスト勉強するメリット、さらにデメリットを解説します。
デメリットに目が行きがちですが、メリットもあります。

メリット:一時的に勉強時間を確保できる

徹夜で勉強する最大のメリットは、一日で多くの勉強時間を確保できることです。
これは本来、他の受験生が就寝中に勉強することで、総合的な勉強量を増やせるからです。
学校に行く平日でも勉強時間を10時間以上確保することもできますし、他の受験生に比べて何倍もの勉強ができるのはかなりのメリットです。
特に試験前日や直前期には、徹夜で勉強することで試験範囲を一通り復習したり、苦手な問題を解決したりすることが可能です。

メリット:静かな環境で集中できる

徹夜で勉強するもう一つのメリットは、静かな環境で集中できることです。
昼間に比べて深夜や明け方は、交通量や人の量が少なくなり静かな環境になります。
家族や友人からの電話やメールも少なくなりますし、SNSや動画サイトなどの誘惑も減ります。
そのため、徹夜では気が散らずに自分のペースで勉強に没頭できるわけです。

メリット:直近の試験に対応できる

徹夜で勉強するもう一つのメリットは、直近の試験に対応できることです。
徹夜で勉強する人のなかには短期間で大量の情報を覚えることが得意なタイプや、緊張感がある方が集中できるタイプもいるかもしれません。
また、徹夜では記憶した内容が短期記憶として脳に残っている可能性が高いため、その日のうちに試験を受ければ思い出しやすいこともあるでしょう。
特に暗記系の科目や基本計算系の科目では、徹夜で勉強することで直近の試験結果を向上させられます。

デメリット:記憶力が低下する

徹夜で勉強する最大のデメリットは、記憶力が低下することです。
先述のとおり、なかには徹夜で勉強した方が記憶の定着が良い人もいます。
しかし、多くの人は徹夜で勉強すると記憶力が低下します。
記憶には数時間で忘れてしまう短期記憶と、必要な時にいつでも思い出せる長期記憶の2種類があります。
短期記憶で記録された勉強内容は、ノンレム睡眠中(脳が眠っている状態)に長期記憶として脳に保存されるのです。
しかし、徹夜では睡眠を取らないため、この移動が行われずに短期記憶のまま忘れてしまう可能性があります。
この記憶に関してはさまざまな実験も行われ、徹夜での勉強は非効率であると言われています。

デメリット:集中力が落ちる

徹夜で勉強するもう一つのデメリットは、集中力が落ちることです。
徹夜では睡眠不足によって脳の働きが低下し、注意力や判断力が鈍くなります。
特に徹夜後の午前中は脳の活動が最も低い時間帯であり、勉強効率が悪くなります。
また、徹夜ではイライラや不安などのネガティブな感情が高まりやすくなります。
テスト直前に徹夜で勉強すると、扁桃体の活動の影響でネガティブな感情のコントロールが効きにくくなり、テストに集中しづらくなることもあるでしょう。

デメリット:体調が悪化する

徹夜で勉強するもう一つのデメリットは、体調が悪化することです。
徹夜では免疫力や代謝が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
また、睡眠不足は血圧や血糖値を上昇させるため、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクも高めます。
さらに、徹夜では目や首や肩などに負担がかかりやすく、目のかすみや頭痛や肩こりなどの不快な症状を引き起こすこともあるでしょう。
体調が悪くなると、勉強の効率や質が低下するだけでなく、試験当日に本来の力を発揮できない場合もあるため、注意してください。

デメリット:生活リズムが乱れる

徹夜で勉強すると、生活リズムが乱れやすいです。
徹夜では昼夜逆転した生活を強いられるため、自然な睡眠サイクルである概日リズムが崩れます。
概日リズムは、体温やホルモン分泌などの生理的な変化を24時間周期で調整する内部時計のようなものです。
概日リズムが乱れると、睡眠の質や量だけでなく、食欲や消化器官の働きも悪くなります。
また、徹夜後に昼間に寝てしまうと、その日の夜に眠れなくなったり、逆に眠りすぎたりすることも考えられます。
このように徹夜では生活リズムが不規則になり、健康的な生活を送ることが難しいでしょう。

徹夜でテスト勉強することは効果的なのか?


徹夜で勉強するメリットとデメリットでも触れましたが、そもそも徹夜でテスト勉強することは効果的といえるのか見ていきます。

効果を科学的に検証されている?

徹夜などを含む記憶に関する効果は、科学的にも検証されています。
例えば、2語で一組の単語を20個記憶して、12時間したら別の20個を覚える実験が行われ、睡眠をとる睡眠グループと睡眠をとらない覚醒グループに分けたところ、睡眠グループの記憶力が明らかに良かった実験もあります。
他にも記憶の分散効果と言って、徹夜などを含む一度に大量の学習量を確保するよりも、時間を分けて勉強するほうが記憶の定着が良いとされる研究もなされています。
参考:記憶の分散効果に関する研究の展望
さまざまな研究や実験などを考慮しても、徹夜でテスト勉強することは非効率と言えるでしょう。

徹夜でテスト勉強するときの方法やコツ


基本的には徹夜でのテスト勉強は避けたいところです。
しかし、場合によっては徹夜での勉強が必要な場合もあるでしょう。
そこで、徹夜でテスト勉強するときの方法、コツをご紹介します。

仮眠を上手に取る

徹夜で勉強するときは、適度に仮眠を取ることが大切です。
仮眠を取ることで、体力や集中力が回復するだけでなく、記憶が定着しやすくなります。
仮眠の時間は15分から20分が適しています。
それ以上寝てしまうと、深い睡眠に入ってしまい、起きたときにぼーっとしたり、逆に眠気が増したりするおそれがあります。
また、仮眠のタイミングも重要です。
勉強した内容を忘れないように、仮眠は勉強の区切りの良いところで取りましょう。

気分転換を図る

徹夜で勉強するときは、気分転換を図ることも効果的です。
気分転換をすることで、飽きや疲れを防ぎ、集中力を持続させることができます。
気分転換の方法は人それぞれですが、例えば以下のようなものがあります。

教科や科目を変える
音楽を聴く
ストレッチや軽い運動をする
水分補給やお菓子を食べる
友人や家族と話す

気分転換は10分から15分程度で行いましょう。
それ以上長くなると、勉強に戻るのが億劫になったり、時間の無駄になったりします。

夜食や食事に注意する

徹夜で勉強するときは、夜食や食事に注意することも大切です。
夜食や食事はエネルギー源になりますが、食べ過ぎたり食べなさすぎたりすると逆効果です。
食べ過ぎると消化器官に血液が集中してしまい、脳への血流が減って眠気が増します。
また、胃もたれや胃痛などの不快感も引き起こします。
食べなさすぎるとエネルギー不足になり、集中力や記憶力が低下します。
空腹感や頭痛などの不快感も引き起こします。
よって、夜食や食事はバランスよく摂りましょう。
特に糖質やタンパク質、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富な食品を選んでください。
糖質はエネルギー源になりますが、糖分の多い食品は血糖値の急上昇と急降下を招き、眠気やイライラを引き起こします。
タンパク質は神経伝達物質の材料になりますが、脂っこい食品は消化に時間がかかり、眠気を引き起こします。
ビタミンやミネラルは脳の働きをサポートしますが、
このように栄養素のメリットだけではなくデメリットも考慮して食事を考えましょう。
夜食や食事は以下のような食品がおすすめです。

ご飯やパンなどの炭水化物
卵や牛乳などの動物性タンパク質
大豆製品やナッツなどの植物性タンパク質
果物や野菜などのビタミンやミネラル
緑茶やコーヒーなどのカフェイン

また、夜食や食事は少量ずつ、頻繁に摂ることがポイントです。
一度にたくさん食べると眠気が増しますし、空腹になるまで我慢すると集中力が低下するからです。
飲み物などでカフェインを摂取すると、眠気覚ましに効果的ですが、過剰摂取は不眠や不安などを引き起こします。
カフェインは1日に300mg以下(コーヒー3杯くらいまで)に抑えましょう。

肌を刺激する

徹夜で勉強するときは、肌を刺激することも効果的です。
肌を刺激することで、目覚めやすくなります。
肌を刺激する方法は以下を参考にしてください。

シャワーを浴びる
洗顔をする
顔や首に冷たいタオルを当てる
耳たぶや手首をもむ

肌を刺激するときは、水温や圧力に注意しましょう。
水温が高すぎるとリラックスして眠気が増し、圧力が強すぎると痛みを感じます。
水温はぬるめから冷たくしていきましょう。
圧力は優しくマッサージする程度にしてください。

照明の明るさや色味に注意する

徹夜で勉強するときは、照明の明るさや色味に注意することも大切です。
照明の明るさや色味は以下のように調整しましょう。

昼間は明るく白い光で目が覚めやすくなります。
昼間は自然光を利用するのがベストですが、電気をつける場合は色温度が5000K以上の白色系の照明を選びましょう。
夜間は暗く青みがかった光で勉強することで眠気を防ぐことができます。
夜間に電気をつける場合は、色温度が6500K以上の昼光色系の照明を選びましょう。
テスト前日や試験当日には、暗く青みがかった光を避けることが重要です。
暗く青みがかった光は、概日リズムを乱して睡眠の質や量を低下させるおそれがあります。
テスト前日や試験当日には、明るく白い光で勉強した後に、早めに寝るようにしましょう。

上記を参考にして、勉強スペースの照明を調整してください。

細かな計画を立てる

徹夜で勉強するときは、細かな計画を立てることも効果的です。
細かな計画を立てることで、時間の管理や目標の設定がしやすくなります。
勉強の計画を立てる方法は下記を参考にしてください。

勉強する教科や科目を決める
勉強する内容や範囲を具体化する
勉強する順序や時間を決める
勉強した内容や成果を記録する

細かな計画を立てるときは、自分の能力や状況に合わせて柔軟に調整しましょう。
無理な計画は途中で挫折したり、ストレスになったりします。
また、計画通りに進まない場合もあるので、そのときは焦らずに対処してください。

徹夜でテスト勉強した後にすべきこと


徹夜でテスト勉強した後は、心身の回復に務めることが大事です。
ここからは、徹夜で勉強した後の過ごし方をご紹介します。

朝日を浴びる

徹夜で勉強した後は、朝日を浴びることがおすすめです。
朝日を浴びることで、体内時計がリセットされ、眠気が覚めやすくなります。
また、朝日に含まれる青色光は、脳に覚醒を促すメラトニンというホルモンの分泌を抑える効果があり、目が覚めやすくなります。
なお、朝日を浴びる時間は、起床後30分以内に15分程度が理想です。

シャワーや洗顔を行う

徹夜で勉強した後は、シャワーや洗顔を行うことも効果的です。
シャワーや洗顔を行うことで、肌を刺激できます。
肌を刺激することで、目覚めやすくなるでしょう。
また、身体や顔を洗うとすっきりとした気分にもなりやすいです。

ブドウ糖やカフェインに頼らない

徹夜で勉強した後は、ブドウ糖やカフェインに頼らないことが大切です。
ブドウ糖やカフェインは一時的にエネルギーを与えて眠気を覚ます効果がありますが、その後の反動で眠気やイライラが増す可能性があるからです。
ブドウ糖やカフェインは血糖値や血圧の急上昇と急降下を招き、体調不良の原因になることもあります。
「眠気覚ましに!」「栄養補給に!」とブドウ糖やカフェインに頼らず、水分補給やバランスの良い食事を心がけましょう。

速やかに元の生活リズムに戻す

徹夜で勉強した後は、速やかに元の生活リズムに戻すことも重要です。
徹夜で勉強すると、生活リズムが乱れます。
生活リズムを正常に戻すためには、以下のようなことを行いましょう。

テストが終わったら、できるだけ早く寝る
寝る前には、スマホやテレビなどの刺激を避ける
寝るときには、暗く静かで快適な環境を作る
起きる時間は、いつもと同じか少し早めにする
起きたら、朝食をしっかりとる

徹夜での勉強は推奨できることではないため、やむを得ず行った場合は早めに生活リズムを戻す必要があります。

まとめ


徹夜でテスト勉強することは一見効果的に見えますが、その影響は身体や記憶力にネガティブな影響を及ぼす可能性があります。
しかし、適切な対策を講じれば、これらのデメリットを最小限に抑えることが可能です。
最終的には、個々の学習スタイルと健康状態によりますが、徹夜で勉強することを選択する前に、その利点と欠点を十分に理解することが重要です。
効果や注意点を把握し、対策を実践して徹夜で勉強してください。

この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹

医進の会代表 谷本秀樹
中学入試の希学園の集団授業で600名以上の多くの生徒を受験指導。
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。

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