医学部受験を諦めるというのはどういうことか?タイミングやよくある後悔、必要な覚悟について解説
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カテゴリ:基礎知識
この記事では、医学部をあきらめて良かったと感じることついて解説しています。
医学部に合格するための覚悟や参考にして欲しい目標についてご紹介します。
しかし、その覚悟や目標を達成できなかった場合、医学部以外でも医療系に携われる仕事はたくさんありますのでそちらについてもご紹介します。
医学部進学や医療系ににご興味のある方はぜひ参考にしてください。
医学部に合格するには覚悟が必要
まず大前提として医学部に合格するには覚悟が必要です。
膨大な暗記量があり、また内容も難しいためです。
多くの時間を勉強に割く必要があります。
そこで次に医学部受験において考えておくべきことをご紹介します。
〇浪までは受験合格まで頑張ると決める
医学部受験は何年もかけて受験勉強をしたから合格できるというものではありません。
複数年間浪人をし、そこから進路を変えた場合には空白の期間が就職で不利に働く場合があります。
企業は若いうちから長い期間働くことのできる人材を求めています。
そのため、受験勉強に何年も費やしていると、ほかの人たちに差を付けられる可能性があります。
一般的に高校を卒業する年齢である18歳から24歳は進路選択において非常に重要な期間です。
そのため、医学部を目指すときには、「3浪して不合格であれば他の医療系学部、他学部に進む」「2浪で不合格であれば医学部を諦める」というように自分の中で目標を持つべきでしょう。
この目標を持つことで勉強に対しても緊張感を持って効率的に行える可能性があります。
さらに家族のサポートも覚悟を持って行うことができます。
国公立か私立どちらを受験するか決める
次に受験をする上で科目数に影響がある私立・国公立をどちらか若しくは両方を受験するかを考える事も重要です。
私立医学部は国公立と併願で受験することができます。
また、科目数も国公立に比べると少なく、医学部合格に近づくチャンスになります。
しかし、学費が高額であるために家庭の状況によって受験・進学できない場合もあります。
今では充実した奨学金制度などもありますので、一度よく調べてから検討するようにしましょう。
医学部をあきらめる時に考えるべきこと
医学部を諦める時に考えるべきこと、自分の中でメリットやデメリット、やりたいこと、やりたくないことを天秤にかけて考える事が重要です。
医学部に行くのは結局は自分であるため、できるだけ自分の意思を大切にしましょう。
自分がどれくらい医学部に熱量を持てるかどうか
一つは自分がどれくらい医学部に熱量を持てるかどうかといった面を考えるべきでしょう。
上のように何年もの浪人の末、医学部合格をつかんだ受験生も一定数います。
そうなると、浪人生活に大きな負担がかかり家庭の経済状況によっては保護者に対する罪悪感やプレッシャーを感じてしまう受験生も少なくないでしょう。
友人や同級生の進学、就職とともに自身の状況を悲観的にとらえるケースもあります。
精神的に医学部合格を目指すことが苦痛になった場合、新たな道に進むことを考える事も大事です。
医学部受験に向けて努力できたかどうか
中途半端に努力して医学部合格を手に入れることは、不可能です。
諦めるときに考えるべきなのは諦める決心がつくほど自身が努力したかどうかです。
数値的な話をすれば、医学部に合格するために必要とする一般的な勉強時間はおおよそ5000時間以上といわれます。
この数値ほどの勉強時間を消費していないとすればまだまだ諦めるのは早いのではないでしょうか。
中途半端な気持ちで医学部を諦めると後で後悔する時がやってくるはずです。
努力を重ねて勉強をしてきた人ほど諦めるのは難しいはずです。
簡単には決断が出来ないでしょう。
しかし、将来に思いをはせることのできる若い時間は有限です。
将来のためにどのような決心をするかが大事です。
医師を目指したいかどうか
医学部受験生が医学部を目指す理由として「人の命を守る仕事につきたいから」、「医療現場に携わっていきたいから」と答える方も多いのではないでしょうか。
しかし、医師になることだけがこの思いを叶えてくれるわけではありません。
医師以外のさまざまな医療の道で人の助けになることができます。
たとえば、看護学部や薬学部、歯学部などがあります。
これらの医療に関わる学部の受験や進学について検討することもまた、医療現場で働いていきたいという夢につながります。
自身の将来を医学部以外で叶えられるかどうか
医学部をあきらめる時には、自身の将来を医学部以外で叶えられるかどうかも考える必要があります。
今は医学部合格を目指し、医師になるという夢を持って毎日勉強に打ち込んでいると思いますが、将来の夢が単純に「医療に携わりたい」、「最先端の医療機器や治療法を研究開発に取り組みたい」ということであれば、看護学部、薬学部、歯学部でも自分の目指している将来に合った学部になります。
また、ただ単に「高収入の仕事に就きたい」といった理由のみで志望する場合は、商社やコンサルなどといった全く異なる分野での仕事も視野に入ってくるでしょう。
しかし、これらの理由の中から複数のものを叶えたいというのであれば、やはり医学部に挑戦するのがいいでしょう。
志望校を変えるのも手段の一つ
受験する予定の医学部を変えてみるのも一つの手段です。
目指していた医学部の偏差値が高く合格が厳しいと感じたら、現実的に合格の可能性が高い医学部に志望校を変更してみてもよいでしょう。
大学ごとに強みなどは変わってきますが、最も大切なのは「医師免許を取得すること」です。
医学部に合格し、入学さえしてしまえば、今後の大学での学びや医師になってからの仕事のし方や努力次第で、上位にランクされる医学部の人達よりも活躍をすることも十分可能だといえます。
医学部以外に医療に携われる進路
医学部以外で医療に携われる進路はあるのでしょうか。
以下に、医療に関連する学部を紹介します。
看護学部
まずは、看護学部です。
看護学部の主な目的は、看護師を養成することであり、患者のケアとサポートに焦点を当て、看護技術や患者とのコミュニケーション能力を重視しています。
看護学部では基礎看護学や臨床看護学を学び、それらを通して実践的なスキルを身につけていきます。
学年が上がると、病院やクリニックでの臨床実習を通じて、実際の看護業務に必要なスキルを身につけ、患者とのコミュニケーション技術や心理的サポートの方法についても学びます。
看護学部卒業後のキャリアは看護師として病院やクリニックでの看護業務に従事するのが一般的ですが、その他の助産師や保健師などのキャリアを目指す人もいます。
薬学部
2つ目は、薬学部です。
薬学部の主な目的は、薬剤師を養成することです。
薬学部では医薬品の効果や使用方法、調剤技術について学びます。
薬局や病院での調剤実習や、薬物療法に関する臨床実習を通じて、実践的なスキルを習得します。
患者の健康を支え、人の体を治すという役割は医学部と共通していますが、それぞれ異なる点があります。
医学部は人体そのものの治療を目指していますが、薬学部では薬剤を研究して薬で人体を治療するという点です。
そのため、病気を治す薬を研究したいという方は、薬学部を目指してみるとよいでしょう。
薬学部卒業後は、一般的に薬局や病院に勤める方が多いですが、製薬会社で新薬の研究や開発、薬効試験などに従事する方もある程度います。
歯学部
3つ目は、歯学部です。
歯学部の主な目的は、歯科医師を養成することであり、口腔内の健康に特化しています。
歯科医師として必要な口腔内の診断、治療、予防の技術を習得し、歯科医院での実習を通じて、実践的な治療技術や患者対応を重点的に学びます。
医学部との共通点として、「歯」も体の一部であることから、2年生までは医学部と同じカリキュラムになっており、医療従事者として必要な基礎医学知識を身につけます。
現に歯の病気が命に関わることもあり、歯の治療を行うことは命を救うことにも繋がります。
歯学部卒業後は、歯科医院やクリニックでの勤務、大学や研究機関での研究職や教育職に進むことも可能です。
工学部
最後は、工学部です。
工学部と医学部って関係があるのかと疑問に思った方もいるでしょう。
実は、医療と工学を融合させた「医工学」といった学部があります。
医工学では、医学的な知識と工学的な技術を組み合わせて、医療の改善や新しい医療技術の開発を目指します。
医工学でも人体の機能や病気のメカニズムを理解するために、医学の基本的な知識を学び、また、医療機器の設計や医療システムの構築に必要な工学的なスキルも身につけます。
医療機器の例として、心電図モニター、AED、ペースメーカーといったものがあります。
工学部卒業後は、医療機器メーカーに就職したり、医療機関で医療機器の運用・メンテナンスを担当する技術者として働くことができます。
思っている以上に工学と医療との関わりは深く、多大なる貢献を果たしていますので、工学部も視野に入れてみるのもよいでしょう。
医学部をあきらめず合格するには
焦りや状況から「医学部合格は無理なのでは…」と医学部受験を諦めてしまう前に逆転合格することはできないのか、逆転合格するための方法はないのか見ていきましょう。
隙間時間を活用して受験勉強をする
生活する中での隙間時間を活用して受験勉強をしましょう。
しっかりと時間を取って受験勉強をするだけでなく、ちょっとした隙間時間に勉強することでその日勉強したことを身につけるのに役立ちます。
通学中やお風呂の時間などの隙間時間にリスニング教材や単語帳を利用したり、頭の中でその日学習したことを復習したりするようにしましょう。
目標を決めて医学部受験に取り組む
「医学部合格」という目標は非常に難しく、厳しく思えるかもしれません。
高い目標を達成するために、目標を細分化し今やるべきことを明確にしてみましょう。
ただ単に「医学部合格」に向けてやみくもに進むのではなく、医学部合格するにはどうしたらいいのか、そのためには何をすればいいのか、今なにをするべきなのか自分のやるべきことを細かく区切って小さな目標を決めましょう。
そうすることでやるべきことが明確化し、途中経過や達成度の確認もしやすくなります。
小さな目標を達成することで自信にもなり、モチベーションになります。
また細分化した目標に向かってコツコツと努力を積み重ねることで合格への最短経路を見つけることもできるでしょう。
医学部予備校に入塾する
医学部に合格するためには、確かな学力だけでなく、効率的な勉強方法や戦略も必要となります。
医学部は非常に競争率が高く、専門的な知識やスキルが求められるため、医学部予備校に入塾しサポートを受けることで、効率的な学習が可能になるでしょう。
予備校を選ぶ際には、自分の学習スタイルやニーズに合ったところを選ぶことが重要です。
例えば、医学部受験の指導経験が豊富な講師がいるか、個別指導や質問対応が充実しているか、費用に見合ったサービスや成果が期待できるか、通いやすい立地にあるかなど、自分にとって最適な予備校を見つけることが医学部合格への第一歩だといえるでしょう。
医学部受験をあきらめるというのはどういうことか?
医学部受験をあきらめる決断に至るにはさまざまな理由や状況があると思います。
ここでは、医学部受験をあきらめるというのはどういうことか詳しく解説していきます。
命にかかわる仕事は医師だけではない
命にかかわる仕事は医師だけに限らず、医療の現場では、看護師、救急救命士、薬剤師など日々さまざまな立場の方が人々の命や健康に直接関わり、重要な役割を果たしています。
そのため、医師を志している方であれば、医師以外の医療の道でも人々のために貢献できるといえるでしょう。
医学部と併願して看護学部、薬学部、歯学部など、自分の興味や能力に応じて、医療に携わる学部の受験・進学を視野に入れると、医療現場で働くという夢に近づくことができるでしょう。
経済的な負担を考えると医学部受験をあきらめることは仕方ないことも
経済的な理由で医学部受験をあきらめることを避けられない場合もあります。
医学部を受験するにあたって、複数年の浪人を経て医学部合格を勝ち取った受験生は多くいることでしょう。
しかし、浪人生活は多大な費用がかかり、家庭の経済状況の変化によっては、複数年間にわたって浪人できる環境を整えることが難しくなり、受験を続けることが厳しくなる可能性があります。
このことから、受験生は保護者に対してその負担をかけているという罪悪感や、プレッシャーを感じてしまうことも少なくありません。
経済面や精神面の理由から、医学部受験を目指すこと自体がストレスになってしまったり、必要以上にプレッシャーがかかってしまったりしている場合には、負担を軽減するために新たな道を模索して自分のキャリアやライフプランに合った選択肢を考えていきましょう。
医学部受験をあきらめるのではなく新たに頑張りたいことを探す
医学部受験をあきらめることは、必ずしも失敗ではありません。
むしろ、自分の現状や将来を冷静に見つめ直し、最適な選択をすることは非常に重要です。
受験をあきらめた後も、自分の興味や適性に合った新たな目標に向かって前進することで、充実した人生を築くことができます。
例え医学部ではなく、他の学部の受験や就職という道に進んだとしても、これまで医学部を目指して努力した経験を基に「新たなキャリアの道に進んだ」と捉えることが大切です。
あきらめた後でも、多くのキャリアパスや学問の選択肢がありますので、自己分析を行い、自分に合った新しい道を見つけ、新しい目標に向かって前向きに進むための準備をしていきましょう。
まとめ
この記事では医学部受験を諦めるべきなのか、諦めるタイミングや決断するときに考えるべきことなどについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
医学部受験をあきらめる決断は、経済的な負担、精神的なストレス、学業的な困難、家族の意向などさまざまな理由や状況から来るものです。
あきらめる決断は決して簡単なものではありません。
自分の気持ちや感情を受け入れ、理解することが大切です。
医学部受験をあきらめた後でも、医療や他の分野でのキャリアを築く方法はたくさんありますので、自分の状況に応じて最適な選択をし、着実に目標に向かって進んでください。