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教育ローンで私立医学部の学費を賄える?種類や利用方法について徹底解説

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カテゴリ:料金・費用

本記事では教育ローンの種類や教育ローンの利用方法について詳しく解説しています。
私立医学部は学費が高く卒業するまでに、莫大な費用がかかります。
記事内では教育ローンの注意点についてもまとめているため、詳しく知りたい方は是非参考にしてください。

教育ローンとは?


日本の大学の学費が世界トップクラスということは聞いたことがありますか?
経済協力開発機構(OECD)が出した2016年度の教育に関する統計資料で、日本は韓国に次いで私費割合が高い国とされました。
そこで私立大学医学部6年間の学費を確保するのに教育ローンや奨学金という制度があります。
ここでは教育ローンについて説明していきたいと思います。

学費を払うための手段の1つ

教育ローンは学費を払うための手段の1つです。
教育ローンは保護者が借り入れと返済を行うため、子供に負担はかかりません。
また入学前に融資を受けることができるので、入学金などに費用を充てることが可能です。
入学金や授業料の他に、予備校の授業料にも使うことができるので、幅広く使うことが可能です。
教育ローンは二つに分類することができます。
まず一つ目は、国が運営している「日本政策金融公庫」の教育一般貸付というものです。
そして二つ目は、銀行など民間金融機関が設けている民間教育ローンがあります。
教育ローンは保護者が借り入れるのに対し、奨学金は生徒本人が借りるので、生徒自身が卒業してから返済していく必要があります。

国が運用している教育ローン

まず、国が運営している「日本政策金融公庫」の教育一般貸付と、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金について見ていきましょう。
まず「日本政策金融公庫」の教育一般貸付についてです。
これは経済的に厳しい家庭を救済するため、入学や在学している保護者に対して入学費・授業料・通学費を融資する制度となります。
世帯年収790万円以内の家庭が申し込むことができ、借入金の上限は原則として子供一人につき350万円となっています。
また日本学生支援機構等の奨学金と併用することもできます。
金利は固定金利で年2.25%(令和5年10月時点)となっており、担保や保証人が不要な代わりに保証料が必要な場合もあります。
そして、日本学生支援機構(JASSO)について、これには給付奨学金と貸与奨学金があります。
まず貸与奨学金は「借りる」奨学金のことです。
この中には第一種(無利子)・第二種(利子付)・入学時特別増額・海外留学の奨学金があり、卒業後に自身で返済していく必要があります。
もうひとつの給付奨学金についてです。
これには国内奨学金・海外留学奨学金があり、返済の必要がない奨学金になります。
この対象となることで入学金や授業料の免除や減額があります。
学力が在学している学部の1/2に入っていて、修得した単位数が標準単位数以上あり、将来的に社会で活躍・自立したいということが学修計画書に明記されていること。
そして学生本人と生計維持者の総資産額が2000万円未満の場合のみ、申し込むことが可能になります。
貸与奨学金と比べると基準が厳しい傾向にあります。

民間が運用している教育ローン

続いて、銀行などの金融機関が設けている民間教育ローンがあります。
こちらは前年度の所得が一定以上であること、世帯収入の上限など利用条件は設定されていません。
借り入れは金融機関によって異なりますが、1000万円単位の融資も受けることができます。
しかし金利が国のローンよりも高い傾向があります。
担保や保証人は原則不要になります。

教育ローンでいくら借りる必要がある?


医学部進学の場合、教育ローンでいくら借りる必要があるのでしょうか。
ご紹介いたします。

私立医学部の学費

私立大学医学部の学費は、6年間で2000万円から4600万円と非常に高額になっており、学校によっても差が大きくなっています。
全国の私立大学医学部の学費の平均は3300万円程度と高額になっています。
私立大学医学部で最も学費が安い国際医療福祉大学でも、6年間合計で1857万円と2000万円近くが必要です。
アルバイトや奨学金を学費に充てる方法もありますが、医学部生は膨大な勉強量が必要なためアルバイトをする時間が限られますし、奨学金には各種条件があるため、情報を収集し、自分の状況や生活スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。
私立大学医学部の学費は高額ですので、経済的に費用の工面が困難な場合は教育ローンを活用すると良いでしょう。

医学部生の6年間の生活費

医学部生の6年間の生活費はどのくらいなのでしょうか。
生活費の内訳は、家賃、食費、光熱費、交通費、交際費などです。
そのなかでも多くの割合を占めるのは家賃です。
下宿先の家賃が月5万円だと仮定すると、6年間の家賃合計金額は360万円になります。
実家からの通学が可能な場合は下宿費用がかからないため、金銭的負担は抑えられるでしょう。
家賃のほか、食費や交際費なども含めた私立大学の学生の平均的な生活費は年間88万円程度となっており、6年間で約528万円の費用が必要となります。
学費も含めると、年間で638万円程度の費用がかかります。

大学は想像以上にお金が必要

大学でかかる費用は生活費や学費のほかにも、入学金や引越し代、課外活動費、生活準備費、研修費、留学費など必要に応じて費用がかかります。
また、医学部は6年制ですので、一般的な4年制大学でかかる費用に加えてさらに2年間の学費と生活費がかかります。
私立大学医学部で必要となる費用は決して安くはありませんが、奨学金や教育ローンなど情報を集めて、ご自身に合った教育資金の準備を計画的に進めることが重要でしょう。

おすすめの教育ローン


以下におすすめの教育ローンについてまとめてみました。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、政府が全額出資している教育ローンです。
融資は、学校納付金や受験費用、下宿代に充てることができます。
融資額は学生1人につき350万円以内で、扶養している子供の人数と世帯年収により対象者が定められています。
子供が1人の家庭では世帯年収が790万、2人では890万円、3人では990万円が上限となっています。
また、そのほか、勤続年数が3年未満、居住年数が一年未満、世帯のいずれかのものが自宅外通学(予定)、借入申込人もしくはその配偶者が単身赴任をしている、海外留学資金、借入申込人の年収(所得)に占める借入金返済の負担率が30%を超えている、親族に「要介護(要支援)認定」者がおりその介護費用を負担している、大規模災害の被災者に該当する方は、扶養している子供の数に関わらず、990万円が上限となります。

銀行から借りる教育ローン

多くの銀行には、学費支援のための教育ローンが用意されています。
私立医学部など学費が高くて困っている人にとっては朗報です。
銀行の教育ローンのメリットは、借入の金額が多いところです。
その他にも審査が早く学費を準備する時間があまりかからないことや、借入金を自由に使うことができます。
デメリットは、国の教育ローンと比べると高金利であることです。
しかし、私立医学部を志望している人を対象に、低金利のプランに変更できる銀行もありますので、各銀行に問い合わせてみるとよいでしょう。

労働金庫の教育ローン

教育ローンで学費を補う方法には労働金庫、通称「ろうきん」の教育ローンを利用する方法もあります。
注意しておきたいのが、借入の限度額はろうきんごとに違います。
例えば、長野ろうきんや九州ろうきんは20,000,000円ですが、北海道ろうきんでは10,000,000円以内となっています。
予算に合わせて、各ろうきんにいくら借りられるのか問い合わせてみましょう。
なお、ろうきんの教育ローンでは使い道が指定されてしまいます。
入学金や授業料など学費に関わるものと限定されてしまいますので、あらかじめ確認しておきましょう。

ローンを利用する際の注意点


ローンを利用する際の注意点をまとめてみました。

金利について要確認

銀行などの金融機関から学費を借り入れる場合、固定金利と変動金利の2種類から選ぶことができます。
固定金利とは、金利が固定されていて、メリットとして返済プランが立てやすいという点が挙げられます。
変動金利は、金利が変動する制度となります。
一般的には、変動金利の方が金利が低く設定されているため一見お得に感じますが、金利の変動によって返済額が変わってしまうというデメリットがあります。
どちらの金利も良し悪しの分かれる制度となるため、ご家庭の事情に合わせて慎重に選択しましょう。

奨学金制度が利用できないか確認する

学費を教育ローンのみでまかなうことが難しい場合には、奨学金制度を利用できないか確認してみましょう。
多くの人が利用する奨学金制度として、代表的なものでは上記でご紹介した日本学生支援機構の奨学金や地方自治体の奨学金が挙げられます。
ここでは、地方自治体の奨学金について詳しくご説明します。
地方自治体の奨学金には、卒業後に特定の医療機関で一定期間働くことで学費の免除が可能なものがあります。
この期間中、他の医師と比べて給与面で不利益を被ることはなく、教育ローンの返済と並行して勤務することもできるため、医学部受験生にとって魅力的な制度であると言えます。
ただし、それぞれ奨学金には異なる勤務条件や金額が設定されていますので、利用する際には事前に条件を確認しましょう。

できるだけ費用を抑える方法


続いて、できるだけ医学部進学の費用を抑える方法について解説します。

国公立の医学部に進学する

まず、国公立大学の医学部に進学することは、費用を抑える有効な手段の一つです。
その理由として、二つ挙げられます。
一つ目は「授業料が比較的安いこと」です。
実際に国立大学医学部の1年間の学費は53万5,800円~64万2,960円程で、入学金と合わせた6年間の総額は349万6,800円~413万9,760円程度になり、公立大学も国立大学と同様の金額となります。
一方で、私立大学医学部は最も費用が安い大学と高い大学で約3,000万円の差がありますが、2,000万円~5,000万円程必要だと考えられます。
以上のことから国公立の医学部では、私立医学部と比較すると授業料が安く設定されているため、費用を抑えることができます。
二つ目は「奨学金制度が充実していること」です。
国公立医学部では、国が運営しているため奨学金制度が充実している場合が多いです。
そのため、学費や生活費を奨学金でまかなうことも可能となり、経済的な負担を減らすことができるでしょう。

浪人をしないようにする

次に、浪人をしないようにすることも有効な方法です。
浪人をすると、その間の学習費や受験費用が追加でかかる上に、受験勉強に専念するためにアルバイトや仕事を控える必要があります。
そのため、経済的な負担が増えるだけでなく、心理的な負担も大きくなるでしょう。
こうした事態を防ぐためにも、できるだけ一度で医学部に合格し、費用を抑えたい方が多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのは、医学部受験予備校の医進の会です。
医進の会は、講師歴10~40年以上のプロの講師陣による個別指導によって、各生徒の状況や目標に合わせて医学部合格を導いてきた予備校です。
そのため、参考書を解くだけでは得られない知見や経験を得ることにより、一度で医学部合格に近づくことができるでしょう。

高すぎない予備校に通う

また、費用が高すぎない予備校に通うことも有効な手段の一つです。
医学部受験生は塾や予備校に通っている場合がほとんどで、塾費用は医学部合格のためには必要経費であるといえます。
そのため、授業料が高すぎない予備校に通うことで、費用を抑えることができます。
また、医学部専門予備校で、医学部受験に特化したカリキュラムで指導を受けることで、最短距離で合格し、最終的にかかる費用を抑えるという選択肢もあるでしょう。

奨学金や特待生制度を利用する

最後に、上記でご紹介した日本学生支援機構や地方自治体の奨学金を利用することの他にも、各大学の特待生制度を利用することで、費用を大幅に抑えることができます。
入学費免除や授業料の減額など、各大学によって条件が異なりますので、各大学に直接問い合わせる必要があります。

まとめ


この記事では、医学部進学にかかる費用とローンについて詳しくご紹介しました。
下宿している私立大学医学部生が一年にかかる費用は、学費や生活費を含めると年間600万円超と言われています。
医学部進学には高額な費用が必要になりますが、日本政策金融公庫が行う「国の教育ローン」や、銀行やろうきんの教育ローン、奨学金や特待生制度の利用で、経済的に費用の工面が難しい場合でも、医学部進学は可能です。
医学部受験にご興味がある方は、ぜひほかの記事も参考にしてみてください。

この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹

医進の会代表 谷本秀樹
中学入試の希学園の集団授業で600名以上の多くの生徒を受験指導。
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。

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