コラム - 大阪の医学部予備校

HOME コラム一覧 料金・費用 私立医学部の学費は?安い医学部ランキングや高い理由・安く抑える方法を解説

私立医学部の学費は?安い医学部ランキングや高い理由・安く抑える方法を解説

  • 公開日
  • 更新日

カテゴリ:料金・費用

日本の大学が求める授業料は、世界のトップ層に属すると言われており、2016年度の経済協力開発機構(OECD)による教育に関する統計資料では、私費負担率が高い国の2ndに日本が位置しました。
このような現状の中で、私立医学部は学費が高い傾向があります。
したがって、保護者の中には、子供たちを私立医学部に進学させたいという希望を持っている人たちの中には教育ローンを利用したいと考える人も多いかもしれません。
ここでは、私立大学医学部の学費や教育ローンに関する包括的な情報を解説していきたいと思います。

この記事を読むとわかること
  1. 私立医学部の総額費用
  2. 私立医学部の学費ランキング
  3. 学費を少しでも安くする方法

私立医学部の学費は総額いくら?


私立医学部の学費は、大学によって異なります。
2019年度の私立医学部の平均学費は、1年生で1,269,925円、6年生で1,712,402円となっています。
川崎医科大学は私立医学部の中で学費が最も高額で、少なくとも3,000万円の出費が見込まれます。
また、多くの私立医学部では、入学時に納入する入学金が発生するため、注意が必要です。
さらに、教材費や実習費用も別途必要になる場合があります。
私立医学部の学費は高額になるため、学費の工面が難しい場合は、教育ローンを利用することが一般的です。
教育ローンは、低い金利で借り入れができ、返済期間も長めに設定されているため、学生やその家族にとって負担が少ない方法となっています。
ただし、教育ローンを利用する際には、返済計画を立てて借入額を抑えるように注意することが重要です。

私立医学部学費ランキング


以下が私立医学部の学費ランキングをまとめた表です。

順位 大学名 学納金(円)
1 自治医科大学 0(22,600,000)
2 東北医科薬科大学(A方式) 4,000,000
3 産業医科大学 11,296,000
4 国際医療福祉大学 18,500,000
5 東北医科薬科大学(B方式) 19,000,000
6 順天堂大学 20,800,000
7 関西医科大学 21,000,000
8 日本医科大学 22,000,000
9 慶應義塾大学 22,040,000
10 東京慈恵会医科大学 22,500,000
11 東邦大学 25,800,000
12 昭和大学 27,000,000
13 大阪医科薬科大学 28,410,000
14 東京医科大学 29,400,000
15 藤田医科大学 29,800,000
16 日本大学 33,100,000
17 岩手医科大学 34,000,000
17 東北医科薬科大学(一般枠) 34,000,000
19 愛知医科大学 34,200,000
20 聖マリアンナ医科大学 34,820,000
21 東海大学 35,000,000
22 近畿大学 35,800,000
23 久留米大学 36,200,000
24 獨協医科大学 36,600,000
25 埼玉医科大学 37,000,000
25 杏林大学 37,000,000
25 兵庫医科大学 37,000,000
28 福岡大学 37,600,000
29 北里大学 38,900,000
30 帝京大学 39,380,140
31 金沢医科大学 39,500,000
32 東京女子医科大学 45,340,000
33 川崎医科大学 45,500,000

学費情報については毎年確認が必要

医学部学費に関する最新情報として、関西医科大学と大阪医科薬科大学が2023年度から学費の引き下げを行っていることが挙げられます。
特に、関西医科大学における学費の軽減は非常に顕著で、6,700,000円もの膨大な金額に及びます。
この措置により、関西医科大学は医療教育の分野における学費ランクにおいて、第3位にランクインするほどの効果を上げています。
今後の医学部の政策によっては、他の大学でも学費引き下げが行われる可能性がありますので、年度ごとの医学部学費ランキングを確認することが重要です。

学費減額措置には注意も必要

注意すべき点として、留年の場合に教育充実費の変更が加えられる可能性があります。
川崎医科大学医学部によれば、これにともなって学費総額も変更されました。
今後も医学部学費や関連情報は変動する可能性があるため、学費総額や政策の変更は定期的な確認が必要です。
また、学費面で払えないという事態を招かないように、計画的に資金を確保することも重要です。

教育ローンを利用するのも一つの手段


教育ローンは、学費や生活費を借り入れることができる制度です。
利用することで、学生や保護者の負担を軽減し、医学部への進学を実現することができます。
教育ローンはさまざまな金融機関が提供しており、それぞれ異なる特徴や条件があります。
ここでは教育ローンの概要や利用方法、おすすめの教育ローンについて詳しく解説していきます。

教育ローンとは

教育ローンは学費や生活費を借り入れることが可能な金融制度で、学生や保護者が利用できます。
教育ローンは、国や自治体・金融機関が提供しており、利用者が無利子や低利子で借り入れができるよう支援しています。
払い戻しは、卒業後の安定した収入が見込まれるタイミングで始まります。

返済が必要

教育ローンは、奨学金とは異なり、返済が必要ですが、無利子や低利子の制度を利用することで、将来的な負担を軽減させることができます。
また、教育ローンは学部や学校によっては、給付型奨学金と併用することが可能です。
これにより、さらに学費負担を減らすことができます。

おすすめの教育ローン

おすすめの教育ローンとして、以下の3つを紹介します。

  1. 日本政策金融公庫の教育ローン・・・無利子・低利子で借り入れが可能
  2. 民間銀行の教育ローン・・・利率が低く設定されている
  3. 大学別の教育ローン・・・入学金や学費が優遇される制度が用意

これらの教育ローンを利用することで、医学部に進学する際の学費負担を軽減させることが可能です。
その他にも教育ローンはさまざまな種類が用意されているため、まずは調べてみて自身に合う教育ローンを探してみると良いでしょう。

学費免除制度や教育ローンを受ける際の注意点!


医学部では学費が高額になることが一般的ですが、学費免除制度や教育ローンを利用することで負担を軽減できます。
しかし、これらの制度を利用する際には注意が必要です。
特に利用条件や手続きについて十分に理解しておくことが重要です。
また、ローンの返済計画を立てる際には、将来の収入や生活費なども考慮することが求められます。
学費免除制度を利用しても全額免除が受けられるわけではないため、他の支援制度と併用することも検討しましょう。

金利の確認

教育ローンを利用する際に特に注意すべき点は、金利です。
金利は利用者が負担する費用であり、高金利の教育ローンを利用することで長期にわたって返済額が増加し、経済的負担が重くなる可能性があります。
金利には、固定金利と変動金利の2種類があります。
また、金利が低い教育ローンを提供する金融機関や奨学金制度なども存在するため、利用可能な選択肢を広げることも重要です。
教育ローンは将来の負担となりますので、無理な借入や返済計画を立てずに、冷静に判断しましょう。

固定金利

固定金利とは、借入後の返済の際に支払いする金利が変わらないことをいいます。
基本的には全期間で金利が変わらない全期間固定型を指しますが、決まった期間だけ固定の金利を支払い続ける固定期間選択型という固定金利もあります。

変動金利

変動金利とは、借入後に市場の金利等の事情によって返済する金利額が変動することをいいます。
変動金利には元利均等返済方式と元金均等返済方式の2種類があり、元金と利息の合計で考えるのか、元金を一定にし金利が変動するのかの違いがあるため気になる方はよく調べておきましょう。

学費を免除・減額させる奨学金や特待生制度


私立大学の医学部学費は高額であるため、学費の免除や減額が可能な制度や方法について解説します。
利用できる制度は大学によって異なりますが、奨学金制度や特待生制度が一般的です。
一定の学費を免除したり、給付金を受け取ったりすることができるため、費用面で困っている方は利用を検討することをおすすめします。
また、学生ローンや教育ローンと比較して金利が低いローンも存在するため、条件や金利を比較検討しましょう。
さらに、個別の大学によっては独自の支援制度がある場合もありますので、志望校の制度や条件を調べ、可能な限り学費の負担を軽減する方法を探しましょう。

【私立大学 学校別】学費免除制度20選


私立大学医学部では、各医学部が独自の支援制度を設けております。
これらの制度は、奨学金制度等に関心のある方は知っておいて損はないでしょう。
そこで、ここでは私立大学医学部が提供する主な奨学金制度や、特待生制度等についてご紹介いたします。

岩手医科大学/医療局医師奨学資金

初年度は8,500,000円、次年度以降は4,400,000円が前払いされます。
債務者の方は、キャリア形成プログラムに従い、県内の公的病院での臨床研修を含む2年間の研修期間と、その後の9年間の勤務期間が義務付けられます。
この期間終了後、奨学金の返還は免除されます。

東北医科薬科大学/東北地域医療支援修学資金制度

医師免許取得のための奨学金制度により、年額500万円が6年間にわたり融資されます。
なお、融資受けた責任者は、指定された医療施設で8年から10年の間に勤務することが義務づけられます。
勤務期間が終了した場合、奨学金の返済は免除されます。

国際医療福祉大学/医学部特待奨学生S

当大学の奨学金プログラムでは、1年次には3,000,000円の給付および1,500,000円の入学金免除が可能です。
また、2年次以降は毎年2,800,000円の給付があり、学生寮も無料で貸与されます。
ただし、前年度の学業成績において50位以内から漏れた場合、その後の奨学金給付は実施されないので注意しましょう。

自治医科大学/修学資金貸与制度

入学手続きをした全ての学生に対して、学業準備費を貸し出しています。
ただし、医学部を卒業した場合は、速やかに指定された公立病院にて医師として就職する義務が課せられます。
この条件を満たす場合には、奨学金の返還義務が免除されることになります。

埼玉医科大学/埼玉医科大学医学部特別奨学金

入学金2,000,000円を免除し、入学時には3,500,000円を貸与します。
2年次以降には、3,000,000円を貸与いたします。
ただし、医学部を修了した場合には、卒業後約9年間、埼玉医科大学での勤務が義務付けられます。
勤務期間満了後については、貸与金の返却は必要ありません。

北里大学/特待生制度

第1種は総額38,900,000円の免除があります。免除の対象には、入学金、授業料、施設設備費等が含まれています。
第2種は一部の入学金と授業料の総額19,450,000円が免除されます。ただし、一般選抜試験上位の合格者の中から限られた人数が選ばれます。

杏林大学/東京都地域医療医師奨学金(特別貸与奨学金)制度

杏林大学から37,000,000円という学費貸与と、6年間毎月100,000円という生活費貸与を行います。
しかし、奨学金貸与者は義務を負うことになります。
すなわち、①医学部卒業後2年以内に、医師国家試験に合格すること、②杏林大学の附属病院で初期臨床研修を受けること、③上記研修終了後、東京都が指定する病院で、奨学金の貸与期間の1.5倍の期間、医師として勤務することです。

慶応義塾大学/学問のすゝめ奨学金(入学前申請)

期間は6年間で、年間報奨金は900,000円です。
優れた業績を発揮した個人には、1,500,000円に増額されます。

順天堂大学/学費減免特待生制度

1年次は、授業料、施設設備費、および教育充実費の合計金額である900,000円が免除となります。
また、2年次以降につきましては、毎年1,000,000円へと減額された学費が適用されます。
なお、一般選抜A方式にて上位10名の成績をお持ちの方が該当の対象となります。

帝京大学/福島県地域医療医師確保修学資金

毎月235,000円の奨学金を最長6年間貸与する制度があります。
また、入学金相当額として1,000,000円を貸与いたします。
条件としては、福島県知事が任命する福島県内の病院において臨床研修を修了し、その後指定の福島県内医療機関で医師として勤務することです。
勤務期間終了後は、奨学金の返済義務を免除します。

東海大学/特別貸与奨学金

大学から6年間にわたり年間2,000,000円の融資を支援しています。
このプログラムに参加される方には、大学によって指定される医療機関で、規定年数勤務することが求められます。
しかしながら、勤務期間が満了した後は、奨学金の返還義務が免除されます。

東京医科歯科大学/埼玉県医師育成奨学金制度

6年間年間2,000,000円の奨学金が贈られます。
ただし、この奨学金は医学部を卒業した学生にのみ贈られ、受給者は大学が指定する医療機関で所定の年数勤務する義務があります。
ただし、この勤務期間を満了した場合、奨学金の返済義務は免除されます。

日本医科大学/東京都地域医療医師奨学金(特別貸与奨学金)制度

医学部卒業のための財政的な負担を軽減するため、修学費を完全免除し、経済的支援として月額10万円を提供しています。
また、修学終了後は、当校の直営医療機関で初期臨床研修を行う必要があります。
さらに、卒業後9年間は、救急医療や難民支援などの分野での勤務が要求されます(都内の医療機関に限ります)。

金沢医科大学/研究医枠奨学金制度

金沢医科大学では、医学部に4年から6年在学される学生に対し、総額4,950,000円に及ぶ半額貸与の措置を設けております。
貸与の際には、医学部卒業後に引き続き同大学の大学院医学研究科へ進学し、医学博士号を取得することが前提条件となっております。
また、研究活動などを期間満了後も9年間継続することが求められますが、その後の奨学金の返還義務は免除されます。

川崎医科大学/静岡県医学修学研修資金貸与制度

年間にわたり、月額20万円を貸与されます。
なお、この奨学金を受け取るにあたり、医学部を卒業した後速やかに初期臨床研修を受け研修終了後は静岡県内の県立病院に所属し、奨学金貸与期間の1.5倍の期間医師として勤務することが条件となります。

久留米大学/福岡県地域医療医師奨学金制度

6年間の支給期間を設定し、月額支払いは100,000円となります。
さらに、この奨学金を受け取った場合、医学部を卒業後は2年以内に医師国家試験に合格するという条件を有しております。
そして、医師国家試験に合格された場合、福岡県内の県立病院にて、奨学金貸与期間の1.5倍に相当する期間を医師として勤務することが義務付けられています。

その他の大学の制度

上記以外の大学でも学費が安くなる制度を設けている学校があります。
以下にまとめているため、是非参考にしてください。

  • 昭和大学/学費減免特待生制度 ⇒1年次の授業料を免除します。
  • 獨協医科大学/入学一時金減免制度 ⇒教育充実費において、初年度に限り半額の減免を行います。
  • 近畿大学/入学前予約採用型給付奨学金制度 ⇒年間30万円が貸与されます。
  • 関西医科大学/藤森民子賞 ⇒前期日程の一般選抜入試において優秀な成績を収めた方には、5,000,000円が贈呈されます。

受験後の学費について知っておくことで、進学後度の程度の費用が必要か把握しておくことができます。
まずは入学することも重要ですが、志望校選びとしても重要になるため予め調べておきましょう。

医学部受験でその他の学費を下げる方法


医学部の学費負担を軽減するためには、他にも工夫が必要です。
たとえば、生活費を抑えるために大学近くの低価格な物件を探すことや、奨学金以外(例えば家族や親戚からの借入れ)を利用することも一つの方法です。
また、学内の図書館や施設を利用することで、自習や勉強に必要な費用を節約できることもあります。
さらに、アルバイトやインターンシップなどを活用して自分の学費を賄うことも考えられます。
これらの方法を取り入れることで、学費の負担を少しでも軽くすることが可能です。

近年学費が下がった大学を狙う

学費負担を軽減するためには、近年学費が下がった大学を狙うことも一つの方法です。
例えば、国立大学では学費が一定額のため、私立大学よりも比較的負担が軽いとされています。
また、医学部を持つ私立大学でも、独自の学費減免制度を設けている場合がありますのでそのような大学を狙うことも有効です。
さらに、地域によっては医学部の学費が異なることがあり、東京や大阪などの都市部と比較して地方の大学の学費が安いケースもあります。
入試や授業のレベルが低くないか確認した上で、近年学費が下がった大学を目指すことで、学費の負担を軽減することが可能です。

クラウドファンディングを募る

クラウドファンディングは、多くの人々から資金を募ることで、プロジェクトやビジネスを立ち上げたり、アイデアを実現させたりする方法です。
一般的に、クラウドファンディングでは、資金提供者に対してリターンや特典が提供されることが多いです。
クラウドファンディングを利用することで、資金調達の方法が手軽になるだけでなく、プロジェクトや商品への関心を広げるきっかけにもなります。

医学部受験で学費に余裕をもたせる方法
  1. 日常生活で節約をコツコツ行う
  2. 近年学費が下がった大学を狙う
  3. クラウドファンディングを募る

まとめ

医学部の学費は膨大な金額であり、学費は大学によって大幅に異なるため事前にある程度調べておくことが重要です。
例えば、東京女子医科大学や関西医科大学のように学費が大幅に変わる大学もあります。
また、奨学金の制度や提供している学費補助制度もあるため、経済的に負担が大きくて困っている方は利用することをおすすめします。
ただ注意点もあるため、情報収集は欠かさずどのような制度を利用するとオトクなのか考えて申し込みしましょう。

この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹

医進の会代表 谷本秀樹
中学入試の希学園の集団授業で600名以上の多くの生徒を受験指導。
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。

記事一覧はこちら