現役生・浪人生別!予備校における時間割の例と特徴を紹介
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カテゴリ:大学情報
予備校の時間割は、現役生か浪人生か、はたまた社会人かによって大きく異なります。
それぞれの時間割にどのような特徴があるのか、実際の時間割を例に出しながらご紹介しましょう。
大学受験において、多くの受験生が予備校に通うか否かを検討するでしょう。
予備校とは、主に大学の入学試験対策を行う教育施設のことです。
東大に代表される旧帝大や、早慶上智などの名門私立大学の受験に特化した予備校も存在しており、毎年多くの受験生たちが予備校で合格を目指して勉強しています。
そんな予備校における時間割は、現役生や浪人生、そして社会人によって大きく異なっているのをご存知でしょうか。
今回は、予備校における時間割の例と、その特徴についてご紹介します。
これから予備校選びを始める人は、ぜひ参考にしてください。
大手予備校と専門予備校の違い
予備校には、大手予備校と専門予備校の2種類があります。
それぞれ異なった強みがあるため、自身の目的に応じて適切な方を選択することが大切です。
どのような違いがあるのか、順番に確認していきましょう。
大手予備校
大手予備校は全国的に展開されており、知名度が高く進学実績も豊富です。
とくに知名度の高い河合塾、駿台、そして東進ハイスクールは、その規模の大きさから大手3大予備校と呼ばれています。
大手予備校最大の特徴は、授業の質の高さです。
大手予備校は豊富な資金をもとに、ほかの予備校に在籍している優秀な講師の引き抜きを積極的に行っています。
優秀な講師が行う授業は、当然質が高くわかりやすいです。
また、難関大学に合格するための独自のノウハウを築いている講師もおり、大学合格率の向上に大きく貢献しています。
そして、大手予備校は設備が充実しているのも魅力です。
自習室を備えている予備校は今日日珍しくありませんが、学生寮やレストランまで受験生に提供している大手予備校もあります。
学習環境が充実しているため、受験勉強に集中して取り組めるようになるのは、受験生にとってうれしいポイントです。
専門予備校
専門予備校とは、特定の学部、主に医学部の受験に特化した予備校のことです。
国公立や私立、日本全国にある医学部に関する入試情報を網羅し、ひとつでも多くの医学部を受験するためのスケジューリングテクニックを教えている予備校もあります。
授業形式は、大手予備校が大学の授業と同じように集団講義を行っているのに対して、専門予備校では、マンツーマンなどの少人数性を採用しているところが多いです。
そのため、医学部の受験に精通した講師による、受験生一人ひとりに合わせた授業を受けられます。
また、最新の医学部情報が入手しやすいのも大きな利点です。
昨今は、東大に入るより国公立大学の医学部に入る方が難しいといわれるほど、医学部の受験難易度は上昇しています。
そのため、情報の精度も合否に関わってきます。
とくに私立大学の医学部は、学校によって対策が異なるため、医学部を志望する受験生が常に情報がアップデートされている医学部専門予備校に通うメリットは大きいです。
予備校における時間割の例と特徴
予備校選びの際、大切なポイントになるのが時間割です。
授業スケジュールは予備校によって異なっており、自分のライフスタイルに合っていないものも存在します。
そのため、予備校のカリキュラムによって自身が効率よく勉強できるか否か、しっかり判断することが大切です。
どのような時間割が良いかは、現役生か浪人生、はたまた社会人かによって変わります。
それぞれに向いている予備校や時間割の特徴について取り上げるため、予備校選びの参考にしてください。
高校生の場合
高校生の受験生は現役生とも呼ばれ、学校の授業と予備校の授業の両立が求められます。
高校生の場合、どのような時間割で授業が行われるのかご紹介しましょう。
時間割の例
多くの場合、生徒自身の学力だけではなく文系に進むのか理系に進むか、そして国公立大学に進むのか私立大学に進むかによって、受験生が受講するコースの振り分けを行っています。
もし国公立コースに進むのであれば、受験科目である英語や数学、国語、理科、社会を単元別に、満遍なく学ぶのが一般的です。
私立コースであれば、文系は英語、国語、社会を中心に、理系は英語や数学や理科の講義を行います。
授業が始まる時間はまちまちですが、18時頃に始まる場合が多いです。
授業の1コマあたりの時間は、大学の講義と同じ90分である場合が多く、終了時刻は22時前後になります。
授業が始まる前に予備校に来て、自習室で勉強する受験生も珍しくありません。
時間割の特徴
現役生はその名のとおり、学校に通う現役の高校生です。
そのため、基本的には平日の昼間は学校に通い、学校が終わった夕方以降に通うことになります。
それに合わせて予備校サイドも授業スケジュールを作成しており、現役生向けの授業は夕方以降に行われるケースが多いです。
当然ながら初めて大学受験を行う受験生ばかりのため、カリキュラムは大学入学共通テスト、旧センター試験の対策に必要な科目をすべて網羅するように組まれています。
また、受験生の都合に合わせた、自由度の高い時間割とフォローを提供している予備校も珍しくありません。
受験生のなかには学校行事や部活動に力を入れている生徒もおり、すべての講義を受講できない人もいます。
そんな受験生向けに、授業を録画したDVDのレンタルや動画の配信を行っている予備校も増えており、講義以外の時間を充実させることも可能です。
予備校の特徴
受験を控えている高校3年生だけでなく、高校1年生や2年生などの受け入れも積極的に行っています。
また、現役の高校生のみを受け入れ、現役合格にこだわった指導を行う予備校の存在も珍しくありません。
受験生個人の学力によって異なりますが、学年によって講義の内容と目的は変化します。
たとえば、高校1年生の場合は基礎学力の向上を目指すためのカリキュラムが多いです。
そのため、中学校レベルの授業内容の復習から行うケースもあります。
高校2年生の場合は、高校1年生から高校2年生までの授業の復習、そして受験に向けた予習を行う予備校が多いです。
ただし、難関大学を目指す高校生は、高校2年生の時点で高校3年生向けの科目や単元を学ぶための時間割を組まれるケースがあります。
たとえば、数Ⅲは高校3年生、早くても高校2年生の後半から習い始めるケースがほとんどです。
しかし、ほかの受験生との差をつけるために、2年生に上がってすぐカリキュラムに組み込む予備校も珍しくありません。
受験生によってはスピード感についていけず、途中でリタイアしてしまう可能性もあります。
そのため、自分のペースに見合ったカリキュラムを組んでいるかどうか、きちんと授業についていけるか、事前にしっかり見極めておきましょう。
浪人生の場合
現役生として受験した大学にすべて落ちるか、どうしても入りたい大学がある場合、次回以降の入試に備えて、浪人生として再スタートする受験生も一定数います。
近年は浪人生を対象とした予備校も多く、授業スケジュールの内容も、現役生を対象としたものとは大きく異なっているのが一般的です。
浪人生向けの時間割の例と、どのような特徴があるのかを順番にチェックしていきましょう。
時間割の例
浪人生の多くは高校を卒業しており、基本的には、平日も土日祝日も勉強のために時間を捧げることが可能です。
そのため、時間割も現役生よりも多く授業数が詰め込まれています。
授業の開始時間は予備校によってまちまちですが、9時頃には授業が始まる予備校がほとんどです。
9時から授業を受け、12時頃に午前中の授業が一段落し、お昼ご飯を食べるなど、休憩を取ってから午後の授業に臨みます。
終了時刻は曜日や選択科目の数によって異なりますが、17時頃にはすべての授業を終えるケースが多いようです。
授業が終わったあとの行動は、浪人生個人によって異なります。
自宅にまっすぐ帰って家で勉強する人もいますが、そのまま自習室にこもって勉強を続ける人も珍しくありません。
時間割の特徴
浪人生の時間割は、現役生のものと比較すると圧倒的に授業時間、コマ数ともに増えています。
予備校によって1日の授業時間は異なりますが、休憩を除いて12時間以上こもって勉強するスケジュールが組まれたカリキュラムも珍しくありません。
また、現役生は学校がない土日を使って講義を受けることが多いですが、浪人生の場合は逆に、土日に講義が入っていないケースが多いです。
これは、浪人生の自習の時間をしっかり確保し、受け身の姿勢で勉強に取り組ませないという目的があります。
カリキュラムは各浪人生の志望大学に合わせて組まれており、入試に向けた準備を効率的に進めることが可能です。
とくに、大学入試において重要度が高いとされている英語と数学の授業に力を入れている予備校が多く、2コマ続けて授業を行うケースもあります。
予備校の特徴
浪人生にとって、予備校の存在は大切です。
効率的に勉強するためだけでなく、浪人生の生活スケジュールを整える役割もあります。
浪人生は基本的に自分でスケジュールを考え、生活リズムを作る必要がありますが、学校という強制力がなくなり、生活習慣が乱れるケースがほとんどです。
結果、勉強に集中して取り組めず、成績も下降線をたどり続けるという浪人生の存在も珍しくありません。
予備校に通えば、時間割に合わせた生活を送るためリズムが整い、集中して勉強に取り組めるため、予備校サイドも意識してカリキュラムを作成しています。
また、浪人生のケアに特化したサービスを提供している予備校も多いです。
たとえば、現役生たちと一緒に勉強することに対して引け目を感じる浪人生のために、現役生と授業が被らないようにスケジュールを調整したり、精神的に辛くなったときに頼れるカウンセラーを派遣したりするなどして、浪人生の精神衛生に配慮したサービスを提供している予備校も増えています。
社会人の場合
キャリア形成のために社会人が大学へ進学するのは、海外では一般的です。
昨今は、日本でも社会人が学び直しのために大学へ進学したり、編入したりするケースも増えており、社会人向けのサービスを提供している予備校も登場しています。
社会人向けの予備校の時間割にはどのような特徴があるのか、みていきましょう。
時間割の例
社会人向けの予備校で採用されている時間割には、決まった型が存在せず、受験生によって作成されるためまちまちです。
平日も土日祝日もみっちり授業が詰められているケースもあれば、特定の曜日だけ授業がないケースもあります。
講義が始まる時間は、仕事が終わる19時以降に設定している予備校が多いです。
終了時刻は通常の予備校と同じく、21時前後となっています。
大学の受験科目や難易度によっても変わりますが、数学と英語を中心に、基礎学力を養う目的の講義が多いです。
必要に応じて地歴や化学、物理なども履修しています。
時間割の特徴
社会人向けの予備校の時間割は、現役生や浪人生のスケジュールと比較すると自由度が高いのが特徴です。
社会人は会社で仕事をしているため、現役生以上に時間の制約があります。
そのため、受験生一人ひとりの普段のスケジュールに対応できるカリキュラムを提供しているケースが多いです。
社会人になってから勉強をほとんどしていないという受験生も珍しくないため、基礎学力の向上、そして勉強の習慣を取り戻すのを目的とした授業が多く展開されます。
とくに苦手科目になりやすい英語と数学は、授業がある日はほぼ毎回スケジュールに組み込んでいる予備校も珍しくありません。
予備校の特徴
社会人が仕事の合間に大学受験の準備を行うのは、簡単ではありません。
もし養うべき家族を抱えながら受験に挑戦するのであれば、なおさら難易度は跳ね上がります。
そのため、社会人が安定して成績を伸ばせるように、予備校サイドからさまざまなサポートが受けられます。
たとえば、勉強から離れていた社会人受験生は、そもそも受験のために何から始めればよいのかわかっていない人も少なくありません。
その場合、予備校サイドが受験生の得意科目や苦手科目、進学したい大学の難易度などを総合的に判断して、最適な学習計画を提案してくれます。
また、社会人受験生が抱えがちな仕事と勉強の両立に関する悩みにも、真摯に対応してくれる専門カウンセラーが常駐しているところも多いです。
不安を取り除き、勉強に集中しやすい環境に身を置けるため、成績の向上、ひいては志望大学への合格の道が開けるでしょう。
医学部予備校の場合
医学部への進学を考えている人は、医学部予備校で入試に向けた準備をするのがおすすめです。
近年は、医学部の人気の高まりから定員数を増やしている大学もありますが、受験者の数はそれ以上に増えているため、難易度は依然として高いままになっています。
医学部予備校であれば医学部への入試に特化した勉強ができるため、特別な理由がない限り、医学部を志望している人は医学部予備校へ通うのが合格への近道です。
そんな医学部予備校の時間割について、どのような特徴があるのか取り上げます。
時間割の例
医学部予備校では、大人数ではなくマンツーマンの個人レッスンを取り入れているケースが多いです。
そのため、時間割も生徒一人ひとりに合わせて作成されます。
たとえば、国公立の医学部を受験する場合、英語と数学はじめ、国語や物理、化学など受験に必要な科目が非常に多いです。
そのため、カリキュラムも必要な知識を網羅できるように細かく組まれています。
授業の開始時間と終了時間はまちまちですが、平日は9時から17時頃まで、土日祝日は21時まで講義を行っている予備校も珍しくありません。
私立の医学部を受験する場合も、基本的な勉強開始時間、終了時間は一緒です。
しかし、私立の医学部は国公立とは異なる対策が求められるケースもあるため、志望校に応じた特別授業を行っている予備校もあります。
時間割の特徴
医学部受験では、文系か理系か、そして国公立か私立かに関係なく、必ず受験科目として設定される英語と数学の存在を重視される傾向があります。
試験本番の配点も高く、英語と数学が得意な受験生は、それだけで自信を持って入試に臨めるでしょう。
そのため、医学部予備校でも、英語と数学の講義のコマ数を通常の予備校以上に確保するケースが多いです。
基本的には、1週間でそれぞれ2から3コマ程度の講義を受けるのが一般的ですが、医学部予備校では6コマ以上の講義が割り当てられるケースも珍しくありません。
予備校の特徴
医学部の受験に特化しているため、受験する学校ごとに対策と学習計画を作成してくれる医学部予備校が多いです。
とくに私立の医学部は、学校によって問題の出題傾向が違うため、問題に対するアプローチの方法やコツを事前に掴んでおく必要があります。
また、授業料が大手予備校よりも高く設定されている場合が多いです。
大手予備校に通う場合、年間の学費は平均で100万円前後が相場ですが、医学部予備校の場合は800万円以上かかるケースも珍しくありません。
これは、医学部予備校の多くが個別授業や少人数制を採用しており、人件費などがどうしてもかかってしまうためです。
医師になるには何年かかるのでしょうか。
こちらの記事では、医師になるために必要な年数と流れ、医師に向いている人の特徴などを解説していきます。
まとめ
近年は、大学に代表される高等教育機関への進学の意識が高まっており、予備校の需要も高まっています。
ただし、予備校によって時間割も講義スタイルも異なるため、自身の生活スタイルに合った予備校選びをすることが大切です。
とくに医学部を受験する場合は、予備校が医学部の受験勉強に対応できるか、はたまた学費の問題を解決できるかまで、しっかり事前に考えておきましょう。
医学部予備校選びに悩んでいる人は、大阪のおすすめ医学部予備校13選をご利用ください。
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それぞれの学校の特徴やカリキュラムなど、受験生が知りたい情報をしっかりチェックできます。
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興味を持った方は、ぜひ一度ご覧ください。
この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。