福井大学医学部の難易度は?偏差値や合格ボーダーラインについて徹底解説
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カテゴリ:大学情報
福井大学医学部は福井県福井市に本部を置く国立大学です。
本記事では福井大学医学部の難易度やカリキュラムや入試情報について詳しくまとめています。
気になる入試傾向・対策についても徹底解説していますので、福井大学医学部に受験する方や興味がある方は是非参考にしてください。
福井大学医学部とは?
福井大学医学部の基本情報についてまとめました。
キャンパスの所在地
福井大学には「文京キャンパス」と「松岡キャンパス」の2つのキャンパスがあります。
それぞれのキャンパスの所在地についてご紹介します。
文京キャンパス
所在地 | 〒910-8507 福井県福井市文京3丁目9番1号 |
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交通アクセス | JR福井駅西口②乗り場からバスで「福井大学前」下車。またはえちぜん鉄道福大前西福井下車 |
学部 | 教育学部・工学部・国際地域学部 |
松岡キャンパス
所在地 | 〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23号3番地 |
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交通アクセス | JR福井駅西口①乗り場から、またはえちぜん鉄道松岡駅からバスで「福井大学病院」下車 |
学部 | 医学部 |
勉強と生活
福井大学医学部の勉強やキャンパスライフについてご紹介します。
図書館について
文京キャンパスと松岡キャンパスには、それぞれ図書館が設置されています。
文京キャンパスにある図書館は総合図書館と呼ばれ、図書は約54万冊、学術雑誌は約1万2,500種を保有しています。
平日は22時まで、土日・祝日は13~16時まで利用することができます。
松岡キャンパスにある図書館は医学図書館と呼ばれ、図書は約13万9,000冊、学術雑誌は4,700種を保有しています。
平日は20時まで、土日・祝日は10~17時まで利用することができますが、学内利用者は自動入退館装置により24時間利用できるため、いつでも自主的に学習できます。
キャンパスライフについて
生活面や課外活動、そして就職活動など、キャンパスライフ全般の支援が非常に充実しています。
健康相談やカウンセリングでからだとこころの健康をサポートしたり、医療の情報を提供する保健管理センターや、学生からの授業内容や各種相談に全教員が応じるオフィス・アワー、教員が学生に対して学生生活上の悩みや問題について助言指導を行う助言教員制度があります。
また、カウンセラーが常駐し、学生のさまざまな相談に応じる「学生総合相談室」、障がいのある学生を支援するための「障がいのある学生及び教職員のための相談室」を設置し、学生が心身ともに健康で充実した大学生活を送れる万全のサポート体制となっています。
福井大学医学部のカリキュラム
次に、福井大学医学部のカリキュラムについてご紹介します。
救急・緊急被ばく医療を学ぶ
福井大学医学部では1年次から5年次にかけて、社会的に高い関心を持つ「放射線」について系統的に学ぶカリキュラムを行っています。
放射線が人体に与える影響をはじめ、現代医療にどのように応用されているか、さらに医師としての緊急被ばく時の対応について順次学んでいきます。
また、原発事故時に実際に医療を経験した医師から、その時の体験やノウハウを学び、原発立地県の大学として、万が一の事態に備えてリスク・コミュニケ―ション能力の習得を目指します。
メディカルプロカリキュラム
1年次から5年次にわたって、医師が社会から求められている心理・社会的責任、倫理・法律的な理解、そして地域や多職種との連携について深く学んでいきます。
医師として働くにあたって技術やコミュニケーション能力ももちろん大切ですが、現代社会においての医療技術や知識の変化・増加にどのように応えていくのかを、メディカルプロカリキュラムでは探っていきます。
感染症対策
医療者は院内感染を防止しながら、継続的に高度医療を提供しなければなりません。
院内で感染が広まってしまうと、医療崩壊の危機に晒される可能性があります。
そういった危機に備えて、新型コロナウイルスをはじめとする各種ウイルスの特徴を1年次から理解するとともに、自らの予防方法も身につけます。
2年次に入ると、感染症の診断に不可欠なPCR検査の意義と手技を学び、人工呼吸器などの医療用シミュレータなどを用いて、現場で求められる連携や技能を経験し、万が一に備え、いざという時に対応できる人材を育成します。
福井大学医学部の難易度
福井大学医学部の難易度についてまとめました。
偏差値・共テ得点率
福井大学医学部の偏差値・共テ得点率は以下の通りです。
学科 | 日程方式 | 偏差値 | 共テ得点率 |
---|---|---|---|
医学科 | 前期 | 62.5 | 80% |
後期 | ー | 87% | |
看護学科 | 前期 | ー | 59% |
後期 | ー | 64% |
福井大学医学部の偏差値は62.5です。
偏差値の順位は全国の医学部ランキングにおいて82校中66位なので、平均よりも低い偏差値といえます。
合格ボーダーラインは医学科が80~87%、看護学科が59~64%となっています。
医学科は毎年、80%前後の高い得点率が求められていますので、普段から質のよい学習に励むとよいでしょう。
倍率
福井大学医学部の倍率は以下の通りです。
2023 | 2022 | 2021 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
日程方式 | 前期 | 後期 | 前期 | 後期 | 前期 | 後期 |
募集人員 | 55 | 25 | 55 | 25 | 55 | 25 |
志願者数 | 208 | 302 | 370 | 397 | 193 | 320 |
受験者数 | 168 | 53 | 219 | 50 | 158 | 87 |
総合格者数 | 59 | 26 | 55 | 28 | 56 | 28 |
合格実質倍率 | 2.8 | 2.0 | 4.0 | 2.0 | 2.8 | 3.1 |
福井大学医学部の倍率は2.0~4.0倍で推移しています。
志願者数は2022年度が最も多く、それに伴い倍率も高くなっています。
しかし、その反動で2023年度は志願者数は減少し、倍率も多少下がりました。
前年度の倍率が低いと、翌年は倍率が上がる傾向にありますので、福井大学医学部を目指している受験生は、気を緩めずにしっかりと学力をつける必要があります。
福井大学医学部の入試情報
福井大学医学部の入試情報についてまとめました。
一般選抜の概要
募集人数 | 【医学科】前期:55名、後期:25名 【看護学科】前期:30名、後期:5名 |
---|---|
出願期間 | 前期・後期:令和6年1月22日(月)~令和6年2月2日(金) |
試験日 | 前期:令和6年2月25日(日)~2月26日(月) ※26日は医学部医学科のみ 後期:令和6年3月12日(火) |
合格発表日 | 前期:令和6年3月6日(水) 後期:令和6年3月20日(水・祝) |
学校推薦型選抜Ⅱの概要
募集人数 | 30名(うち地元出身者枠10名程度、地域枠(福井健康推進枠)10名程度を含む) |
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出願期間 | 令和5年12月11日(月)~12月15日(金)17時必着 |
試験日 | 第1次選考:令和6年1月13日(土)・14日(日)(大学入学共通テスト) 最終選考日:令和6年2月10日(土) |
合格発表日 | 第1次選考:令和6年2月6日(火)16 時 最終選考:令和6年2月13日(火)16 時 ※福井大学ホームページ内に合格者の受験番号を掲載 |
※学校推薦型選抜Ⅱは医学科のみです。
福井大学医学部の入試傾向・対策
福井大学医学部の入試傾向・対策について科目ごとにまとめました。
英語の傾向と対策
大問数は4題です。
英文のテーマとしては、医学や生物学に関する話題がよく出題されますが、社会的な主題のものやエッセー調のものなど、様々な文章が出題されています。
抽象的な文章は比較的少ないですが、医学や生物学に関するテーマの英文では専門的な内容を扱ったものもあり、語彙レベルは全体的にやや高めです。
また、読解問題3題のうち1題は選択式ですが、その他の読解問題の設問は内容説明中心で記述量が多く、日本語でしっかり解答をまとめる記述力が求められています。
自由英作文は、社会的なテーマの出題が続いていましたが、医療に関するテーマも出題されるようになりました。
医学に関するテーマの英文では一部で専門的な単語もみられますが、語注がついていたり文脈から推測できることも多く、設問の該当箇所も比較的絞りやすいです。
しかし、読解総合問題は記述式の内容説明中心の出題で、記述量も多いため、自由英作文も含めて、限られた時間内ですべてを処理するには、しっかりとした速読力と記述力が必要です。
複雑な構造の英文を細部まで読む能力というよりは、ある程度の長さの英文の主題を素早く的確にとらえ、設問で求められている該当箇所を特定し、日本語でまとめる能力が求められています。
したがって、英文を読む上での基礎が固まったら、過去問などを利用し、段落ごとのトピックを意識しながら読み進める練習を積み、速読力を養成する必要があります。
また記述力の養成も不可欠なので、実際に手を動かして解答を書き、作成した解答は必ず学校の先生など第三者に見てもらい、内容や日本語として不自然な点が無いかチェックしてもらうとよいでしょう。
文法に関しては、細かい文法事項が問われているわけではなく、英文を構成する基本的な文法知識や品詞のはたらきなどが問われているため、市販されている標準的な文法問題集を1冊仕上げましょう。
その際は、なぜその答えになるのか理由付けをしっかりしながら問題に取り組むことが大切です。
標準的なレベルの語彙は早めに覚え、少しレベルの高めの単語集・熟語集をしっかり仕上げておきましょう。
自由英作文は、複雑な構文や難しい単語を使う必要はなく、平易な語句を使って文法的に誤りのない英文が書けるようにしましょう。
教科書に載っている基本的な構文や表現は、自信をもって使えるレベルまでしっかり押さえておくこと。
読解問題においては、医学に関するテーマもよく扱われるため、普段から医学に関するニュースに関心を持ち、英字新聞や英語のホームページなどを活用するとよいでしょう。
医学系用語に関しては、過去問などを通して見つけた未知の単語を自分でリストアップしたり、医学系の英単語集をチェックするなどの対策を取っておきましょう。
数学の傾向と対策
大問4題の構成です。
微・積分法、ベクトル、数列の問題はほぼ毎年出題されています。
ただし、三角関数との融合問題や2次曲線なども多く、特定の分野に限った学習は禁物です。
よく考えられた問題で、パターンにはまらない思考力を要するものも含まれており、証明問題もよく出題されています。
どの問題も難問といえないまでもレベルが高く、本格的で骨太の問題であり、思考力が要求される問題も多いです。
また、計算力についても高いレベルが要求されているため、基礎力の確実な定着とともに応用力も養っておきましょう。
教科書や傍用問題集を利用して、全範囲の基礎事項、公式・定理などをしっかり理解し、使いこなせるようにすることがまず大切です。
公式や定理は確実に導けるようにしておきましょう。
標準的な参考書で定型的な問題の解法を学習し、確実に解けるようにしておくこと。
さらに、標準的な入試問題にも取り組んで応用力を養っておきましょう。
系統的に分類された問題集を使って、知識を整理しながら問題を解いていくのも効果的です。
記述式問題では、答えだけでなく、そこに至る過程の記述も採点対象になるので、答案の書き方が得点に大きく影響します。
対策としては、教科書や参考書の例題などの解答例、あるいは詳細な解説のついている問題集の解答例を参考にし、書き方をまねて繰り返し練習するとよいでしょう。
特に、証明問題については、証明の形式や論理的な手順を踏まえ、どのように書けば理解してもらえるかを考えながら練習しておきましょう。
また、図やグラフを用いて解答する場合も多いので、普段から図やグラフを積極的に描くように心がけ、描き方に十分慣れておくことも大切です。
微・積分法、数列、ベクトルは必出なので、やや程度の高い問題集でいろいろなタイプの問題に慣れておくことや、他の分野との融合問題に慣れておくことも重要です。
理科の傾向と対策
化学は単に知識を求める出題よりも内容理解を問う出題が多いです。
実験操作と手順の確かな理解および発展的思考が求められている問題が過去には出題されました。
また、酵素反応の問題など、大学で学習するレベルの内容について、誘導しながら未知の状況に対応する思考力を試す出題もあります。
設問も論述、描図を含めて総合的に出題されています。
論述問題は理解度を確認するための設問が多い傾向にあります。
有機分野は有機官能基と検出反応をしっかりマスターすれば、有機化合物の構造決定のみならず、論述や実験・描図問題対策にもなります。
アミノ酸やタンパク質、糖類の各種検出反応、ヨードホルム反応、フェーリング液の還元などは、反応機構を押さえておきましょう。
教科書では詳しい記述が少ないので、参考書や辞書などで調べたり、先生に尋ねたりして理解を深めましょう。
天然有機化合物からの出題が多いので、天然ゴム、油脂を含めて炭水化物、タンパク質は問題演習と整理ノートの作成がおすすめです。
無機・理論分野は反応速度と化学平衡、ルシャトリエの原理は、論述問題の対策を兼ねて、十分に慣れておくことが必要です。
化学結合、イオン分析・錯イオン、イオン化傾向と金属などの分野は、総合的な出題が考えられるので、問題演習よりも整理ノート作りに重点をおくとよいでしょう。
論述と計算問題が主体と考えて対策をしておきましょう。
物理は1題は力学から、もう1題は電磁気、波動、熱力学のいずれかから出題されています。
全体としては、基本から標準的な内容が誘導形式で問われていますが、論述問題や描図問題では、条件を変えた場合での変化を説明させる問題や、変化の過程をグラフ化する問題など、現象に対する高度な理解が要求されています。
基本から標準的な内容の理解度を問う問題が中心ですが、論述問題や描図問題では、やや難しいものも出題されています。
対策として、まずは、すべての単元にわたって基本から標準までのレベルの問題演習を行いましょう。
また、問題演習の際には、必ず図を描き、問題で与えられた速度、運動量、エネルギーなどの情報を書き込むようにするとよいでしょう。
標準的な問題が解けるようになったら、やや上級レベルの問題集を用いて、論述問題や描図問題に対応できる力を養いましょう。
演習においては、計算を最後まで自分で行い、立式の根拠を考えることに注意しておきましょう。
特徴のある内容が出題されるため、過去問は格好の練習材料となります。
初めのうちは解説を読みながらでもよいので、早めに過去問を研究し、受験勉強の計画を立てておきましょう。
また、直前期の過去問演習は解答形式や時間配分を把握する上で非常に役立ちます。
実際の試験にも自信をもって臨めるよう、時間を計って練習しておくとよいでしょう。
生物は広い範囲から出題され、遺伝情報、体内環境、動物の反応、細胞などがよく出題されています。
例年、図表、グラフ、実験結果などに基づき考察力を問う問題が多数出題されています。
論述問題が多く、計算問題や描図問題も出題されているため、時間的余裕はないです。
空所補充や選択問題には基本的なものが多く、全体的に教科書をしっかり理解していれば解答できます。
論述問題の大部分も標準レベルの内容ですが、実験考察問題にはやや難しいものも含まれています。
また、具体的な生物名や研究者名を問う問題には、やや詳しい知識を問うものが含まれるので注意しましょう。
空所補充や用語記述の問題は教科書レベルの学習で対処できるため、教科書を何度も読み返す中で、用語の意味を理解し、用語と用語の関連性を把握しましょう。
さらに把握・理解した内容のうち、その分野の基本概念と基本実験に関しては、できるだけ簡潔にノートにまとめましょう。
こうしたことが記述・論述問題対策にもつながります。
過去に出題された分野と同じ内容が形式や素材をかえて再び出題されることがあるため、できるだけ早い時期から多くの過去問に当たっておきましょう。
例年、論述問題が数多く出題されていますが、設問自体は一般的に頻出の内容のため、論述の頻出問題については、二次試験向けの問題集などを用いて実際に解答を自分で作成する練習を積んでおくとよいでしょう。
国語の傾向と対策
国語は共通テストのみの科目です。
福井大学医学部では、大学入学共通テストの配点の方が二次試験(個別試験)よりやや大きくなっているため、共通テスト対策を重視して学習に取り組むとよいでしょう。
共通テストの国語の傾向を掴むためには、まず共通テスト国語の過去問を解くことが大切です。
そうすることで、自分にとってどのような箇所が苦手なのか分析することができます。
苦手な分野が分かったら、その分野・傾向に近い問題を何度も繰り返し解きましょう。
基礎をしっかり固めながら繰り返し問題を解くことで、苦手意識が薄れていき得点にもつながります。
現代文においては、文章テーマの理解が不可欠です。
文章を素早く正確に読み解く事を意識しながら学習しましょう。
古典においては基礎知識の定着が必須となります。
苦手意識がある人ほど勉強時間を確保し、徹底的に基礎固めをしておきましょう。
地理歴史・公民の傾向と対策
地理歴史・公民も共通テストのみの科目です。
配点は他の教科よりも低いですが、二次試験(個別試験)より共通テストの配点割合が高いため、地理歴史・公民の対策も念入りに行いましょう。
歴史科目を選択する場合は、教科書で大きな流れをつかみ、内容や因果関係など各時代の背景や特徴まで把握するとよいでしょう。
地理科目を選択する場合は、地図帳や資料集を用いて地域の自然環境や産業、そして文化などを確認するのはもちろんですが、他の地域との比較も忘れないようにしましょう。
公民科目は暗記に頼るのではなく、内容の理解まで深く掘り下げた学習が必要となります。
また、時事問題も頻出のため、ニュースや新聞記事にも普段から目を通しておきましょう。
まとめ
今回は福井大学医学部の偏差値や合格ボーダーライン、入試情報などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
福井大学医学部は、医師としての心得が全体を通して身につけられるとあって、多くの受験生から非常に人気のある医学部です。
加えて、福井県下で唯一の医学部でもあるため、県内からの受験生が集中する可能性も低くはないでしょう。
そのため、医学部合格には十分な学力をつけておくことが必要です。
ぜひ今回の記事を参考にし、早い時期から受験対策をしていきましょう。
この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。