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受験生必見!読書は国語力UPに必要なのか?おすすめ書籍5選やメリット・デメリットを解説

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カテゴリ:基礎知識

受験生は勉強と並行して読書をしたいところです。
読書にはさまざまな効果があり、勉強にも有意義なものになるからです。
しかし、デメリットや注意点もあります。
そこで、今回は受験生に読書が必要な理由やおすすめの本、メリット・デメリットなどを解説します。
受験生で読書について疑問などがある場合は、ぜひ参考にしてください。

受験生に読書が必要な理由


受験生にとって、読書はただの趣味や暇つぶしではありません。
読書は学力を向上させるための有効な方法の一つです。
読書が学力にどのような影響を与えるのか解説します。

読書と学力の関係性

読書が学力にどのように関係するのか、次の点に着目してみます。

読書は国語力を高める
読書は思考力や判断力を鍛える
読書は知識や教養を広げる

まず読書は国語力を高めるために欠かせない活動です。
国語力とは言葉を正しく理解し使いこなす能力のことです。
国語力が高いと、文章を読むときに内容や構成を把握しやすくなり、自分の考えや意見も的確に表現できます。
また、読書は思考力や判断力を鍛えるためにも有効です。

思考力とは物事を深く考える能力です。
判断力とは物事を正しく評価する能力を意味します。
思考力や判断力が高いと、問題解決や意思決定に役立ち、自分の主張や立場を明確にできます。

さらに、読書は知識や教養を広げるためにも有効です。
知識とは物事や現象についての情報や事実のことです。
教養とは物事や現象についての理解や見識のことです。
知識や教養が高いと、自分の興味や関心を深めることができ、他人とのコミュニケーションや学習にも役立ちます。

以上の点から、読書は学力との関係性が高く、受験生であっても読書をすることは有効です。

受験生におすすめな本TOP5


ここからは受験生におすすめな本を5冊ご紹介します。
それぞれの書籍の概要を解説しますので、受験生の方はぜひ読んでみてください。

①受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法

「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」は脳神経などの専門家である池谷裕二氏が執筆した書籍です。
この本は脳の働きを正しく理解した上で、記憶の効率向上や長期的な定着、といった暗記の秘訣が具体的な復習法と共に詳しく解説されています。
この本を読むことで受験勉強において最も重要な「暗記」の原理を、専門家の視点から本質的に理解できます。
暗記と復習の具体的な方法など、受験生活において長期的なメリットを得ることが可能です。
暗記という基本的なスキルを科学的にマスターするためにおすすめです。

②学欲

「学欲」はセンセイプレイスの創設者である馬場祐平氏が執筆したものです。
この本は「勉強が嫌い」「自分は馬鹿だ」といったコンプレックスを持っている人に向けて、「封印されていた学ぶ意欲である『学欲』を解き放ち、学ぶことの楽しさを知ってほしい」という願いを込めて書かれています。
受験のモチベーション維持に直結する楽しく学び続けられるマインドセットと、具体的な方法にも言及しています。
この本を読むことで、受験生は自分自身の学び方や目標設定について見直すことできるでしょう。

③人間の建設

「人間の建設」は日本の文系・理系それぞれの最高知性を持つ天才同士の対談が収められた書籍です。
小林秀雄氏(文系)と岡潔氏(理系)の最高知性同士の対談が記されています。
また、この本はメインのテーマを「学問」に設定されています。
この本を読むことで、受験生は学問の本質や価値について深く考えることができます。
また、文系と理系の違いや相補性についても学べるでしょう。
受験生にとって必要な教養や思考力を高めるためにおすすめです。

④数学する身体

「数学する身体」は独立研究者である森田真生が執筆したものです。
この本では数学という学問に対する作者の独自の視点や感想が語られており、受験生は数学に対するイメージや興味を変えることができます。
また、数学という学問がどのように人間の身体や感覚と関係しているかについても考えることができます。
この本は数学を苦手とする受験生にとって特におすすめです。

⑤20代にしておきたい17のこと

「20代にしておきたい17のこと」は、ベストセラー作家の本田健さんが書いた自己啓発本です。
この本では、20代のうちにやっておくべきことを17個紹介しています。
それぞれの項目には、具体的な方法や事例が示されており、読者にとって参考になる内容となっています。
受験生は、失敗を恐れて挑戦しないことが多いです。
しかし、失敗は成長のために必要なものであり、若いうちにたくさん経験するほうが良いです。
この本を読むことで、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢を身につけることができるでしょう。

読書の効果


ここでは読書の効果をご紹介します。
受験生が読書をする効果を6点に絞って解説していきます。

ストレス解消

読書はストレスを解消する効果があります。
読書は心理的な没入感を生み出し、現実の悩みや不安から離れることが可能です。
また、自分の感情や思考を一時的に忘れて、物語の世界に集中することができます。
これは心理学でフローと呼ばれる状態で、ストレスを軽減します。
さらに、読書は脳内のセロトニンやドーパミンなどの快楽物質を分泌させることで、気分を良くする効果もあります。
これらの物質はストレスに対抗する作用を持ち、幸福感や安心感を高めます。
他にも自律神経のバランスを整え、血圧や心拍数を下げることで、身体的な緊張も和らげます。
自律神経はストレスによって乱れやすく、身体の機能に悪影響を及ぼします。
読書は自律神経の活動を正常化することで、身体の健康を保つ効果も期待できるわけです。

ワーキングメモリ改善

読書はワーキングメモリの改善にも効果があります。
ワーキングメモリとは、短期的に情報を保持し処理する能力のことです。
この能力は学習や思考に重要な役割を果たします。
例えば、計算や推論などの課題では問題文や式などの情報を記憶しながら、答えを導き出す必要があります。
このような場面では、ワーキングメモリが高いほど、正確かつ迅速に処理できます。
読書では文章の内容や登場人物、背景などの情報を記憶しながら物語の展開や意味を理解する必要がありワーキングメモリを鍛えられるのです。
読書中には様々な情報を同時に処理することが求められます。
これはワーキングメモリに負荷をかけることで、その能力を向上させる効果があります。

国語の苦手意識改善

読書は国語の苦手意識改善にも役立ちます。
国語の苦手意識は、文章や文法に対する自信の欠如や不安感から生じることが多いです。
文章や文法に自信がないと、国語の授業やテストに対して消極的になり、成績も低下しやすくなります。
場合によっては悪循環に陥る可能性があります。
読書は文章や文法に慣れ親しむことで、国語に対する自信や興味を高められます。
また、さまざまな種類やスタイルの文章に触れることで、文章の構造や表現方法を学ぶことができます。
他にも読書は正しい文法や用法を身につけることで、文法のルールや例外の理解が可能です。
これらのことは国語力全般に影響する要素である語彙力や表現力、理解力などを向上させることで、国語の成績も改善する可能性があります。

語彙も増える

読書をすることで語彙も増えます。
読書でさまざまなジャンルやテーマの文章に触れることで、知らない単語や表現に出会う機会を増やせるからです。
読書中に出会った単語や表現は、文脈や辞書などを使って意味を推測したり確認したりすることで、記憶に定着しやすくなります。
また、読書で単語や表現の使い方やニュアンスを理解すると、語彙の質も向上させます。
語彙の質とは単語や表現の適切さや正確さ、豊かさなどを指します。
これらはコミュニケーションや表現のスキルに大きく影響します。
例えば、同じ意味でも違う単語や表現を使うことで、相手に与える印象や感情が変わることがあります。
読書は自分の言葉で伝えたいことを効果的に表現するためのツールとして役立つわけです。

単純に面白い

読書は単純に面白いと言えます。
自分の好きなジャンルや作家の本を選ぶことで、自分の興味や好みに合った内容で楽しめるからです。
また、物語の世界に入り込んだり、登場人物の感情に共感したり、作者の視点に考えさせられたりすることで、想像力や感受性を豊かにします。
創造力を豊かにすることで人間の心理的な欲求である自己実現や自己表現などを満たすことが可能です。
また、読書で自分の知らない世界や知識に触れることで、新しい発見や驚きを与えてくれます。
人間の好奇心や探究心の刺激につながるでしょう。
自分の内面や外面にさまざまな刺激を与えることで、面白さを感じられます。

将来にメリットをもたらす

読書は将来にメリットをもたらします。
先述のとおり、読書はストレス解消やワーキングメモリ改善などのさまざまな効果をもたらします。
これらの効果は自分の人生において良い影響を与えます。
例えば、ストレス解消は心身の健康を保つことにつながり、ワーキングメモリ改善は学業や仕事の能力を高めることにつながります。
また、国語の苦手意識改善や語彙の増加はコミュニケーションや表現のスキルを向上させることにつながります。
さらに、読書による面白さや想像力は自分の人生に楽しみや創造性をもたらすことにつながり、将来的に自分の目標や夢に向かって挑戦する際に役立つ可能性があります。
このように読書は自分の人生に価値や意味を与えることができます。

読書のデメリット


受験生が読書をする際は、メリットだけではなくデメリットもあります。
主なデメリットを2点ご紹介しますので、確認して対策を考えておきましょう。

長時間座り続けることが身体に良くない

読書は長時間座り続けることが多いため、身体に良くない場合があります。
長時間座り続けると、血行不良や筋肉の衰え、姿勢の悪化などにつながります。
場合により肥満や免疫力の低下などを引き起こすこともあるでしょう。
また、長時間座り続けることは、目の疲労や頭痛、肩こりなどの不快な症状を引き起こすこともあります。
結果として、集中力や気分への悪影響も考えられます。
ただし、適度な休憩やストレッチを取り入れることで身体への悪影響を軽減することが可能です。

読書時間が勉強時間にならない

読書時間は勉強時間にならないため、注意が必要です。
読書は自分の好きな本を選んで楽しむことができますが、それは必ずしも勉強に役立つとは限りません。
読書は学校や受験で求められる知識やスキルとは異なるものを学ぶことが多いです。
例えば、小説や漫画などのフィクションは想像力や感受性を豊かにしますが、それだけでは歴史や数学などの科目の理解には不十分です。
また、読書は自分のペースで進めることができますが、それは必ずしも効率的ではありません。
読書は計画や目標を立てずに行うことが多く、時間管理や優先順位付けなどのスキルを身につけることが難しいです。
読書は勉強とは別のものとして捉えることで、そのメリットを享受できます。

読書をする際の注意点


受験生が読書をするデメリットにも対策するために、注意点をご紹介します。
4点の内容に着目して読書のデメリットに対策していきましょう。

勉強している気にならない

読書をするときは勉強している気にならないことが大切です。
読書で勉強している気になると、読書の楽しさや効果が減少する可能性があるからです。
一方、読書を勉強として捉えると、読書の目的や意義が失われ、読書のモチベーションや集中力が低下することがあります。
読書の内容や感想を自分のものとして消化することが難しくなり、読書での理解度や記憶力の低下が考えられます。
読書を自分の好きなように楽しみ、読書の効果を最大化しましょう。

自分に必要な勉強時間を決める

読書と勉強のバランスを取るために、自分に必要な勉強時間を決めてください。
自分に必要な勉強時間を決めた上で、読書の目標や計画を立てると、メリハリのある時間の使い方が可能です。
時間管理を適切に行えれば、読書へのモチベーションや集中力も高まります。
また、自分に必要な勉強時間を決めることで、読書以外の時間も有効に活用できます。
これは他の科目や趣味などのバランスを取る効果があります。

自分の興味やレベルに合った本を選ぶ

読書をするときは、自分の興味やレベルに合った本を選ぶことが大切です。
自分の興味やレベルに合った本を選ぶことで、読書の楽しさや効果を高められるからです。
さらに、読書の内容やテーマに関心を持つことができます。
また、自分の興味やレベルに合った本を選ぶことで、本の難易度や量(ページ数)に適応することができ、解度や記憶力を高める効果を期待できるでしょう。

読書感想文やレビューを書くことで理解を深める

読書の際に感想文やレビューを書くと理解を深められます。
読書した本の内容や感想を整理できるからです。
結果的に読書した本の理解度や記憶力を高める効果があります。
また、読書感想文やレビューを書くことは自分の言葉で表現することになり、語彙力や表現力の向上が可能です。
他にも他人に伝えることになり、コミュニケーション力や思考力もついていきます。

受験期に本を読むべきか


受験期になると、読書に時間を費やしていいのか疑問に思うケースがあります。
受験期に本を読むべきかどうかを4つの観点から解説します。

高1・高2で読書を趣味にするのはアリ

高1や高2で読書を趣味にするのはアリです。
高1・高2で読書を趣味にすることは、国語力や一般教養などの基礎を固めることに役立ちます。
先述のとおり、読書は語彙力や表現力、理解力などの国語力全般を向上させる効果があります。
これらは、国語の授業やテストだけでなく、他の科目や受験にも必要なスキルです。
また、高1や高2の時点から幅広いジャンルの本に触れることで、一般教養や社会性などの知識や価値観を広げる効果があり、自分の興味や適性を見つけることに役立ちます。

高3から読書を始める必要はない

高3から無理に読書を始める必要はありません。
高3から読書を始めると受験勉強に割く時間や集中力を奪う可能性があるからです。
好きな本を読んでも必ずしも受験に役立つとは限らない点も理由のひとつです。
また、読書は自分のペースで進めることができますが、効率的ではない場面もあるでしょう。
場合によっては読書の計画や目標を立てずに行うことが多く、時間管理や優先順位付けなどのスキルを身につけることが難しい場合もあるでしょう。
読書のメリットばかりを意識せずに受験勉強の時間を確保することを重視してください。

付け焼刃の読書は身にならない

付け焼刃の読書は身にならないため、注意が必要です。
ここでの付け焼刃の読書とは、受験直前に急に本を読み始めることを指します。
付け焼刃の読書は、本の内容や感想を自分のものとして消化することが難しいです。
また、付け焼刃では本を読む目的や意義が不明確であり、本を選ぶ基準や方法も不適切であることが多く、本の内容や感想を理解することや記憶することを妨げます。
また、付け焼刃の読書では本を読む楽しさや効果を感じることが難しいでしょう。
本を読む時間や量に制限もあり、本を読むモチベーションや集中力が低下することがあります。
本を読む楽しさや効果を感じず、かえってストレスになる可能性もあるわけです。

受験期は科目の暗記と繰り返しが大事

受験期は読書よりも科目の暗記と繰り返しが大事です。
受験期は科目ごとに求められる知識やスキルを確実に身につけることが必要だからです。
よって、新しい知識やスキルを学ぶよりも、既に学んだ知識やスキルを復習することに重点を置くべきでしょう。
受験科目の暗記と繰り返しは、知識やスキルを定着させる効果や忘却の防止に役立ちます。
また、問題解決の速度や正確さを高めることが可能です。
受験期は既に学んだ知識や復習に注力しましょう。

まとめ


読書は受験生にとって有益な活動ですが、そのメリットとデメリットを理解し、適切な方法で行うことが重要です。
読書をする際には、自分の興味やレベルに合った本を選び、勉強している気にならずに楽しみましょう。
受験期に本を読むべきかは個人差がありますが、高3から読書を始める必要はありません。
付け焼刃の読書は身にならないので、受験期は科目の暗記と繰り返しに集中しましょう。

この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹

医進の会代表 谷本秀樹
中学入試の希学園の集団授業で600名以上の多くの生徒を受験指導。
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。

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