鳥取大学医学部の難易度は?偏差値や倍率、学費についても徹底解説!
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カテゴリ:大学情報
鳥取大学医学部は鳥取県米子市にある国立大学です。
本記事では、鳥取大学医学部の偏差値や倍率について詳しくまとめました。
また、教科別入試傾向や入試対策、学費についても表を用いて解説しているので、鳥取大学医学部に興味がある方は是非参考にしてください。
鳥取大学医学部とは?
まずは鳥取大学医学の基本情報についてご紹介します。
鳥取大学医学部の基本情報
キャンパス | 米子キャンパス |
---|---|
所在地 | 〒683-8503 鳥取県米子市西町86番地 |
交通アクセス | ・JR山陰本線「米子駅」から徒歩約15分 ・米子空港よりタクシーで約20分 ・米子市循環バス利用で約8分 |
鳥取大学医学部の基本方針
医学部は、「医学科」「生命科学科」「保健学科」が連携し合って、生命の尊厳を重視するとともに創造性に富んだ医療人や生命科学者を養成します。
医学部は、山陰地方の古い歴史と伝統のある医学部として、現在に相応しい医学や生命科学、保健学を学び、これを実践することができる優秀な人材を育てるために最先端の教育を行います。
そして、限りない人間愛を育みながら、地域社会の問題を解決し、地域の発展の力になるとともに、グローバルに活躍できる個性あふれるオリジナリティに富んだ人材の養成を目指します。
鳥取大学医学部の特徴
医学部は、医学科・生命科学科・保健学科の3学科体制であり、山陰地方だけではなく国際社会や時代が必要とする医療ニーズに応えながら、医学・医療の発展と充実に重要な役割を果たしています。
教育・研究の理念や目標には「地域に支えられ地域に貢献する」ことをモットーに、この志がまさに最先端医療を開拓する原動力にもなっています。
実際、附属病院や研究支援センターなど種々の施設が充実しており、大学としっかり連携した場所での実践を伴う臨地実習によって、より学びを深めることができます。
また、海外には協定校があるため、海外でも臨地実習ができることも特徴です。
他にも、コミュニケーションに重きを置いた授業が多いのも特徴のひとつとなっています。
コミュニケーションは患者中心の医療で不可欠であり、鳥取大学医学部では、医療人としてのコミュニケーション能力の上達を目指した教育が受けられます。
鳥取大学医学部の難易度
次に鳥取大学医学部の難易度について解説します。
鳥取大学医学部の偏差値
鳥取大学医学部の偏差値を学科ごとにまとめました。
医学科
前期日程 | 一般枠 | 62.5 | |
---|---|---|---|
地域枠 | 鳥取県枠 | 62.5 | |
兵庫県枠 | 62.5 | ||
島根県枠 | 62.5 |
医学科の試験日程は前期日程のみで、偏差値はいずれも62.5程度となっています。
全国にある医学部と偏差値の順位を比べてみると、鳥取大学医学部は82校中49位と中間くらいに位置しています。
そのため、医学科の入試難易度は全国的にみると平均的だといえます。
同医学部の他学科と比べると医学科の偏差値が最も高いため、医学部の中では医学科の入試難易度が一番高いといえます。
生命科学科
前期日程 | 55 |
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後期日程 | 58 |
生命科学科の偏差値は55~58程度であり、後期日程の方が偏差値が高いことがわかりました。
医学科の偏差値と比べると大きく差があるため、入試難易度も低く入りやすいといえるでしょう。
保健学科/看護学専攻
鳥取県看護職員養成枠 | 55 |
---|---|
前期日程 | 55 |
後期日程 | 56 |
保健学科/看護学専攻の偏差値は55~56程度となっています。
鳥取大学医学部の中では最も偏差値が低く、ハードルも低いといえます。
保健学科/検査技術科学専攻
前期日程 | 57 |
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後期日程 | 58 |
保健学科/検査技術科学専攻の偏差値は57~58程度であり、鳥取大学医学部の中では生命科学科の後期日程と同程度です。
入試難易度は医学科と比べるとそれほど高くないといえます。
鳥取大学医学部の倍率
過去3年間の鳥取大学医学部(医学科)の倍率についてまとめました。
募集人員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格実質倍率 | |
---|---|---|---|---|---|
2023年度 | 79 | 422 | 349 | 87 | 4.0 |
2022年度 | 79 | 214 | 167 | 83 | 2.0 |
2021年度 | 79 | 359 | 301 | 79 | 3.8 |
募集人数は過去3年間変わりはありません。
志願者数は2022年度に100名以上減少しましたが、2023年度には約2倍ほど増加しています。
それに伴い倍率も2倍高くなっています。
鳥取大学医学部は県内に唯一医学部をもつ大学のため、医学部を目指している県内の受験生の多くが鳥取大学を受験すると考えられます。
しかし、他の大学の偏差値と比較するとやや低く狙い目であり、県外からの受験生も多く集まることも考えられるため、今後も倍率が上がる可能性があります。
そのため十分な受験対策を行う必要があります。
鳥取大学医学部の学費
続いて鳥取大学医学部の学費についてまとめました。
入学金 | 282,000円 |
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授業料 | 535,800円/年 |
初年度納入金額は817,800円で、6年間の学費総額は3,496,800円となります。
鳥取大学医学部は国公立大学であるため、入学金・授業料ともに金額は他の国公立大学と変わりはありません。
私立大学医学部と比較すると、最も安い大学の学費でも約1,800万円ほどかかるため、鳥取大学医学部および国公立大学の学費は非常に安く抑えられます。
鳥取大学医学部の入試傾向と対策
鳥取大学医学部の入試傾向と対策について科目ごとにまとめました。
英語の傾向と対策
英語は、大問数4題試験時間90分の記述式解答です。
長文は、論説・評論文が中心であり、テーマには特に偏りがなく、様々な話題が取り上げられています。
受験生にとって身近で興味深い内容・話題が選ばれており、特別な背景知識が要求されることはないため、読みやすいです。
2題ともかなりの長さになることもありますが、難解な語句・構文などが使われることはあまりありません。
設問はオーソドックスで、大学から発表されている出題の意図にある通り、「書かれている英文を正しく理解できているか」が問われています。
具体的には、指示語の内容理解、細部の読み取り、基本的な文法理解と日本語表現力が試されています。
独立した大問として和文英訳1題、および、テーマ英作文・意見論述1題が出題されています。
和文英訳では、一般書籍や新聞の文章が用いられ、その一部を英訳するという形がとられており、日本文の意味内容を適切な英語で正確に表現する力が求められています。
対策としては、まず文法・語彙力を地道に鍛えていきましょう。
難解な語彙や特殊な構文は問われませんが、どちらも標準レベル以上の知識は必要です。
そのため、十分な反復練習を行っていくことが大切です。
また、読解力が不足していては、問題量に対する試験時間の短さを克服するのは難しくなるため、標準レベルの長文問題集を用いて内容真偽問題などに十分対処できるよう、学習を進めていきましょう。
和訳の際には、頭の中で訳を考えるだけでなく、実際に書いてみることと、わかりやすい日本語になっているかどうかをしっかり確認しましょう。
長文学習では、大体の意味が取れることに満足して先に進むのでは不十分です。
細部まできちんと正確に英文の意味が分かってないと、和訳問題や内容真偽問題には対応できません。
そのため、地道に努力を重ねて、一歩ずつ実力向上を目指していきましょう。
基礎が固まったら、標準レベルの英作文問題集でさらに学習を進めていき、和文英訳に関しては、書かれている日本語をしっかり理解してシンプルに表現することを心がけ、過去問や他の国公立大学2次問題集を使って実力をつけていきましょう。
数学の傾向と対策
数学は、大問数4題試験時間120分の記述式解答です。
出題範囲は「数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)」です。
基本から標準レベルの良問が中心となっています。
数学の基本的な思考力と迅速で正確な計算力を見る問題が中心ですが、計算の処理や図形に対応する感覚で差のつく問題も含まれています。
試験時間は大問1題につき、30分の割合なので十分であるといえるでしょう。
例年、前期日程医学部医学科の大問4では、他学部に比べてややレベルの高い問題が出題されています。
例年、微・積分法を中心とした出題で、微分法については接線、極値および最大・最小に関する問題、積分法については面積に関する問題がよく出題され、内容的には、オーソドックスであるといえます。
微・積分法以外では、数列、ベクトルが頻出分野であり、2次関数や三角関数、図形と方程式などが題材として使われることが多い傾向にあります。
対策として、まず、基本事項の確認をしましょう。
出題範囲全てについて、教科書と参考書を用いて正確に理解しておくことが必要です。
定理や公式などは確実に理解し、その意図するところや活用方法について研究を行ない、十分にマスターしておくことが大切です。
頻出分野である微・積分法、数列、ベクトルなどについては、十分に問題演習を行い、スマートな解法を身につけておきましょう。
かなりの計算力が要求される問題もあるので、普段からより早く正確に計算できるような方法も身につけておきましょう。
特に、微・積分法や三角関数に関する計算は十分に練習しておくことが重要です。
指数・対数関係についても出題されているので、公式を使って正確に計算できるようにしておきましょう。
他にも、図形に関する問題がよく出題されているので、普段から図を描いて考える習慣をつけておくとよいでしょう。
図形的センスの有無で相当な差が出る問題も多く、中でも空間図形を立体的に把握するセンスについては勉強量によるところが大きいので、より多くの問題をこなし、慣れておくことが大切です。
全問記述式であるため、答案の書き方についてよく練習しておくことも重要となります。
証明問題の対策も含め、論理的で要領を得た答案が作成できるように、教科書や参考書・赤本の解答などを参考にして、よく練習していくこと。
また、図示問題対策としてグラフを描くときの基本事項をマスターし、正確でわかりやすい図が描けるようにしておきましょう。
理科の傾向と対策
理科は物理(物理・物理基礎)・化学(化学・化学基礎)・生物(生物・生物基礎)から2科目選択となります。
試験時間は各90分で記述式解答です。
物理は、大問数は4題で力学、熱力学、波動、電磁気から1題ずつが基本となっています。
難易度については、教科書の内容の標準的理解を問う問題が中心ですが、年度によってはやや難しい問題が1題程度出題されることがあります。
対策としては、標準的な内容の理解度を問う問題が中心のため、教科書や傍用問題集の例題や練習問題の復習を徹底しましょう。
一つの単元を発展的な内容まで掘り下げて学習するよりも、全ての単元にわたって基本から標準までのレベルの問題演習を行うと効果的です。
問題演習を行う際には必ず図を描き、問題で与えられた速度、運動量、エネルギ―などの情報を描いた図の中に書き込む習慣をつけておくとよいでしょう。
そうすることで、解法のポイントをつかみ、ミスを減らすこともでき学習効果も上がります。
基本的な考え方をマスターしたら、実践で使えるように教科書や基本的な問題集で演習を繰り返し行っておきましょう。
特に計算問題では、解答のみを記述する形式が中心で前問の計算結果を利用する問題があるため、計算ミスは大きな失点となりかねません。
そのため、普段から、数式の変形や有効数字にも注意を払い、スピードだけでなく正確さも心がけて計算を行いましょう。
過去問は格好の練習材料となるため、赤本などを利用して、早めに過去問に挑戦し研究しましょう。
そうすることで、受験勉強の計画が立てやすくなり、解答形式や時間配分を把握する上でも非常に役に立ちます。
化学は大問数5題で理論・無機・有機分野からバランスよく出題されています。
難易度については、基本から標準レベルの出題が中心のため、教科書の内容を理解していれば対応できますが、一部に、複雑な計算問題、理解や考察する力を問う論述問題もみられます。
試験時間は問題の量に対して十分にあるので、焦らずきっちり解いていきましょう。
対策としては、理論分野では、出題範囲に偏りなくバランスよく出題されているため、苦手分野が残らないよう計画立てて学習を進めておきましょう。
一つの単元を発展的に掘り下げて学習するよりも、全ての単元にわたって基本から標準レベルの問題演習を行うことが、合格への近道となります。
計算問題については、問題演習を通じて立式と過程の記述、有効数字を意識した解答を練習しておきましょう。
無機分野では、性質の似た元素をまとめて単体や化合物の性質を覚えていきましょう。
周期表と関連付けて、同族元素の類似性や結合の分類を理解すると効率的です。
暗記が中心となる単元なので、表やカードにまとめることも効果的です。
有機分野では、物質の合成や誘導される各化合物の反応系統図を自分で作成し、物質の名称や構造式、性質、反応などを書き込んで学習すると出題の流れに沿った学習ができるでしょう。
基本的な問題が解けるようになったら、時間配分を意識して過去問演習に取り組みましょう。
生物は大問数は5題です。
論述問題や計算問題以外にも、グラフや表を読み取る問題も出題されます。
特に、遺伝情報、体内環境や動物の反応、植物の反応、生態、進化・系統などの分野に関しては頻出傾向にあります。
各分野が満遍なく出題されており、出題範囲全般にわたる学習が求められます。
難易度については、選択式や用語記述の問題などは教科書レベルの知識で正答できます。
対策としては、まずは、教科書を中心に学習し、サブノート形式の問題集などで知識の整理をして、基本的な知識の理解と記憶を確実なものにしておきましょう。
その後、標準的な問題集で出来るだけ多くの問題にチャレンジし、問題に慣れておきましょう。
また、実験問題や計算問題にも積極的に取り組み、得点力アップを図りましょう。
頻出項目に関しては、徹底して学習するのも有効な対策です。
論述問題が多く出題されているので、20~100字程度を中心にまとめる練習をしておくことと、実際に過去問などの論述問題を解き、解答例と比べて自ら添削するといった努力が必要です。
苦手な分野は教科書や問題集に戻って克服し、得意分野や頻出分野は図説などで幅広い知識を得るなど、過去問から実戦的な対策を立てておくと描図問題対策にも有効です。
まとめ
今回は鳥取大学医学部の特徴や入試情報などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
鳥取大学医学部は、夏季休業など長期の休みを利用して海外の大学と提携し、短期研修を行うなど国際交流が非常に活発です。
モデル・コア・カリキュラムを導入していたり、参加型実習制度などによって高度な人材を輩出していることも鳥取大学医学部の特徴のひとつとなっています。
鳥取大学医学部は国公立医学部の中では難易度は低く、比較的入学しやすい医学部だといわれています。
本記事を通して興味を持たれた方は、ぜひ検討してみてください。
この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。