勉強で効率良く休憩を取る時のポイント!休息のタイミングや取り方、過ごし方や注意点を解説
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カテゴリ:基礎知識
「勉強の時の休憩の取り入れ方が分からない…」「休憩時間に注意すべきことは?」
上記のように、勉強の休憩時間についてお悩みではないでしょうか。
勉強の際の休憩時間は、学習への集中力を高めるうえで大事な要素です。
そこで、今回は勉強で休憩を取るポイントを解説します。
また、休憩時間の過ごし方や注意点も紹介します。
勉強の休憩時間の取り方を知りたい場合は、ぜひ参考にしてください。
勉強で休憩を取る重要性
勉強では休憩を取ることが大事です。
「休憩」と聞くと「休む」ことを連想するかもしれません。
しかし、勉強の際の休憩は休むためではなく、効率良く進めるためのものです。
例えば、勉強の休憩を設定する時に「問題集を1ページ完成させたらゲームをする」など、ご褒美のように休憩を設定する場合があります。
しかし、これは本来の休憩とは言えません。
また、人間の集中力は90分程度であり、その中でも高い集中力を保てるのは40〜60分程度です。
それ以降になると集中力が続かず、勉強の効率が下がってしまうわけです。
そこで勉強中に休憩を取り、脳を休ませる必要があります。
適度に休憩を取り、脳を休めることで、集中力を維持できるのです。
集中力が低下すると、勉強している内容も入ってこなくなり、非効率と言えます。
勉強で休憩を取る際のポイント
勉強で休憩を取る際のポイントとして、5つの内容をご紹介します。
それぞれの内容を確認し、一つずつ実践してみましょう。
ポモドーロテクニックを参考にする
ポロモードテクニックとは、集中力を高めて勉強を効率良くこなすための時間管理法です。
基本的に25分間勉強したら5分間の休憩をするサイクルです。
もしくは50分間の勉強の後に10分間、休憩するケースもあります。
ここで気づいた方もいるでしょう。
「50分後に10分休憩」というのは、小学校や中学校の授業のサイクルと一緒です。
授業時間は文部科学省や教育機関が定めるものであり、それらの機関が勉強の効率を発信していると言えます。
「いきなり50分の勉強は難しい…」という場合でも、25分間の勉強からスタートできます。
まずは25分間の勉強をして、5分の休憩を繰り返してみましょう。
また、25分間でどれだけの勉強ができるかを把握することで、自分の学習ペースを掴むことも可能です。
同じ25分間といっても、人によって進められる量や内容に違いがあります。
自分の学習ペースを把握するためにも、ポモドーロテクニックの活用当初は勉強量や状況を確認しながら進めていきましょう。
昼食後に眠くなったら無理せず休憩する
昼食後に勉強をする際は、眠くなったら無理せずに休憩しましょう。
現役生、浪人生を問わず、忙しい日々の中で学習を進めるケースがあります。
特に昼食後は睡魔が襲ってくるものです。
眠い状態で勉強を進めても、非効率であることは多くの方が感じていることでしょう。
中国の学校では昼寝の時間を確保している場合もあります。
それだけ昼寝は疲労回復や集中力の回復に適しているわけです。
少しでも睡眠を取ることで疲労感が軽減されたり、集中力が改善したりします。
ただし、昼寝をする時は、15分程度、長くても20分程度にしておきましょう。
それ以上の休憩時間にすると、勉強へのモチベーションが低下する可能性があります。
また、目覚めが良くない人は昼寝の前にコーヒーやお茶などのカフェインが含まれる飲み物を飲んでみてください。
目覚めが良くなります。
「簡単に昼寝ができない…」という方は、目を閉じてリラックスするだけでも、睡魔を改善する効果が期待できます。
一方で昼寝をしても眠気が冷めない場合は、さらに仮眠したところで眠い状態が改善できないでしょう。
時間を決めても睡魔が冷めない時は、勉強に向かってください。
仮眠を長くするよりも夜の睡眠をしっかりするほうが効果的です。
時には1時間以上の長時間の休憩もあり
ポロモードテクニックをご紹介しましたが、時には1時間以上の長時間の休憩も検討してください。
「10分や15分程度では物足りない…」という場合は、勉強時間を長めにして、休憩時間も長く取ることをおすすめします。
目安は3時間勉強したら30分程度の休憩です。
この3時間も通しで行うのは難しいと考えられるため、ポモドーロテクニックを併用してもかまいません。
そして、勉強時間が3時間程度になったら30分の休憩をするイメージです。
ここでもあまりに長すぎる休憩時間は勉強のリズムが崩れて、集中力の低下につながります。
中学校や高校では、午前中に3時間もしくは4時間の授業を受けた後に、まとまった時間の休憩があったのではないでしょうか。
そのイメージで休憩を取ると、集中力の向上につながります。
集中できる時間帯を決めておく
集中力が続く時間は人によって異なります。
また、集中できる時間帯も異なるため、自分が集中できる時間に合わせて勉強し、休憩を取ることが大事です。
入試を想定するならば、できるだけ朝型にシフトしたいですが、夜に集中できる時間帯がある場合は、夜に勉強しても構いません。
ただし、過去問対策の時は、できるだけ入試の時間帯に合わせることをおすすめします。
過去問の復習や問題演習などは、自分が集中しやすい時間帯に行いましょう。
その時間帯に効果的に休憩をはさむことで、休憩の質も向上し勉強に集中できるでしょう。
学校の授業や入試と同じサイクルで休憩を取る
先述のとおり、学校の授業や入試と同じサイクルで休憩を取ることを意識しましょう。
現役生であれば学校、浪人生であれば予備校の授業は、朝から夕方までの間に組まれています。
授業時間は60分程度、休憩時間は10分程度が一般的でしょう。
そのリズムに慣れているため、自分で勉強する際も合わせれば集中力を維持できます。
例えば「50分勉強、10分休憩」の60分を1セットにして朝から昼過ぎまで勉強のサイクルを回す方法があります。
学校や予備校ではチャイムがなりますが、自宅などではチャイムの代わりにスマートフォンなどのアラーム機能を使うと便利です。
さらにこだわるのであれば、アラーム音を学校のチャイムに似た音にしてもいいでしょう。
また、大学共通テストや二次試験の実施時刻に合わせて勉強を継続すれば、本番と同様のタイミングで集中力を高めることも可能です。
勉強の休憩時間は何をする?
休憩を取る際のポイントの次は、休憩時間の過ごし方を確認しましょう。
勉強の休憩時間におすすめの過ごし方として、6つの方法をご紹介します。
好きな音楽を聴く
自分の好きな音楽を聞くことは、休憩時間の過ごし方として手軽な方法です。
受験生を中心に学生の皆さんは、毎日のように勉強に取り組んでいると思います。
しかし、どうしてもモチベーションが上がらなかったりやる気が出なかったりするものです。
そこで自分の好きな音楽を聴くことで、気分を上向かせるわけです。
好きな音楽を聴くとドーパミンが分泌され、気分が高揚したり集中力が高まったりします。
参考:医療法人社団 平成医会「ドーパミンを増やすことで得られるメリット」
また、音楽の好みは人それぞれですが、特に好みがない場合はオーケストラ演奏によるクラシック音楽がおすすめです。
周波数などの要因から、感動を呼び起こし、ドーパミンの分泌に効果が期待できます。
水分や間食を摂る
勉強の休憩で水分や間食を摂ることで、勉強で使ったエネルギーの補給ができます。
脳は約8割が水分でできており、水分が足りていない状況では脳が活発に働かず暗記力や集中力が下がってしまいます。
また、水分を摂る時は、できるだけ「水」を摂ってください。
寝起きが悪い場合はコーヒーなどのカフェインを含む飲み物も構いませんが、利尿作用から体内の水分が少なくなる場合もあります。
ジュースは飲み過ぎると糖分の過剰摂取により肥満などの健康面への影響が出てしまいます。
おすすめの水分摂取は、勉強前や勉強中には水を飲み、仮眠を取る時に寝起きが悪い場合には仮眠前にカフェインが含まれる飲み物を飲むことです。
それから、エネルギー補給の際は、ブドウ糖が含まれるものを摂取しましょう。
近年であれば、ドラッグストアやコンビニでブドウ糖のタブレットが販売されています。
好みに応じて購入を検討してみましょう。
散歩やストレッチをする
勉強をしていて疲労感を感じたら、散歩やストレッチもおすすめです。
長時間の勉強を続けると座りっぱなしの状態となり、血流が滞ります。
血流が滞ることで疲労物質が体内にのこり、集中力の低下や睡魔に襲われることが考えられます。
そこで、軽い運動として散歩やストレッチをすると、血行を良くして疲労物質を体外に排出することが可能です。
散歩によってもドーパミンが分泌される場合があり、気分を前向きにすることもできます。
散歩は5分から10分程度を目安にしましょう。
散歩ができない時は椅子から立ち上がって、足や腕を伸ばすストレッチでも構いません。
ストレッチも血行を良くする効果を期待できます。
日光を浴びる
晴れた日に勉強している時は、休憩中に日光を浴びてみましょう。
日光を浴びることで、人間の脳内ではセロトニンが分泌されます。
セロトニンは、精神の安定や直感力の向上など、脳を活発にする際に効果がある脳内物質です。
参考:医療法人社団 平成医会「セロトニンの増加が心身に及ぼす効果」
そのため、休憩中に日光を浴びてモチベーションを向上させることができるわけです。
散歩で外を歩けば日光を浴びることができるため、積極的に日光を浴びてみましょう。
散歩に出かけられない時は、窓のカーテンを開けて日光を取り入れてみてください。
仮眠を摂る
勉強中に睡魔に襲われたり、頭がぼーっとしてきた時は仮眠を取りましょう。
「眠い」と感じた時点で集中力が切れているからです。
勉強に集中すると自分が思っている以上にエネルギーを消費します。
また、人間の脳は長時間集中できないことから、適度な休息や睡眠が必要になります。
勉強中に眠いと感じたのであれば「脳を使い過ぎて疲労がたまったサイン」と捉えてもいいでしょう。
そこで、疲れた脳を休めるための仮眠が効果的と言えるのです。
ただし、仮眠を取るのは16時までとして、15分から20分程度を目安に長くても30分までにしましょう。
仮眠を取る際もベッドに横になると深い眠りに入る可能性があるため、机の上で顔を伏せた状態で休んでください。
目を閉じる
「眠くはないが頭がぼーっとする」など、脳の働きの鈍さを感じた時は、目を閉じて脳を休めてみましょう。
脳がエネルギーを消費する際の多くは、視覚から得ているものであり、目を閉じるだけでも情報を遮断して脳が休まるからです。
ただし、目を閉じても考え事などをしていると脳の活動は休まらないため、目を閉じている間は何も考えずに呼吸に集中しましょう。
目を閉じる時に周囲の音が気になる時は、耳栓をつけて音を遮断すると効果的です。
目を閉じる時間は仮眠と同様の時間でも構いません。
どうしても時間がない時は、数分間だけでも目を閉じて脳を休めてみましょう。
勉強の休憩中に注意すべきこと
ここからは勉強中に注意すべきことを解説します。
休憩の時についついやりがちなことをピックアップしました。
それぞれの内容を確認し実践しましょう。
スマホ操作
休憩時間にはスマホ操作をしたくなりますが、スマホ操作によって脳がエネルギーを使うため控えてください。
勉強の休憩は脳を休ませることが大事です。
スマホ操作による視覚情報や刺激は脳や目の疲労を助長させます。
そのため、休憩時間にスマホで動画を見たりSNSをチェックしたり、ゲームをしたりすることは望ましくありません。
どうしてもスマホ操作をしたい時は長めの休憩を設定した時に、スマホ操作の時間を決めて操作してください。
その際もできるだけ短時間に止めておきましょう。
仮眠の取り過ぎ
勉強の休憩時に仮眠や昼寝をおすすめしましたが、寝過ぎには注意しましょう。
仮眠や昼寝が長すぎると逆効果になり、勉強への集中力低下が考えられます。
仮眠や昼寝の時間を15分や20分程度にするのは、それ以上眠ると脳が熟睡モードに入るからです。
仮眠から起きて「まだ眠い」という感覚がある時は、寝過ぎている場合があります。
また、寝過ぎてしまえば生活サイクルの乱れにもつながり、入試が実施される時刻に合わせていいパフォーマンスを出せないことも考えられます。
「仮眠は20分以内」というルールを作り、寝過ぎには注意してください。
水分や間食の取り過ぎ
勉強で使ったエネルギーを補給するために水分や間食を摂取する際も「取り過ぎ」に注意してください。
例えば、水分の取り過ぎは疲労感を助長させたり、頭痛などを引き起こしたりします。
体調不良になれば勉強以前の話になるため、十分に気を付けましょう。
また、間食の取り過ぎは、急激に血糖値が上がる可能性があり、強烈な眠気に襲われることがあります。
経験がある方もいると思いますが、学校や予備校で昼食後に眠くなるのは血糖値の上昇が関係しています。
間食を取る時は、少量に済ませておきましょう。
空腹を満たすために大量に食べるのではなく、エネルギーを補給するために一口や二口程度で済ませられる量が望ましいです。
運動のし過ぎ
運動のし過ぎにも注意が必要です。
勉強の予定が長時間空く時に、身体を動かしてリフレッシュしたい人もいるでしょう。
しかし、あまりに激しい運動をすると、その後の勉強に悪影響を及ぼします。
息切れが続くような運動は、疲労感や食欲不振などさまざまな症状が考えられます。
もちろん、集中力の欠如にもつながるでしょう。
ケガをしてしまえば、勉強しづらい状態になることも考えられます。
特に大事な試験を控えた受験生は、運動をする際も軽めに済ませましょう。
設定した休憩時間を守る
勉強の休憩時間を設定したら、その予定を厳守しましょう。
せっかく決めたことでも、だらだらと休憩を延長したり仮眠を長くとったりすると、勉強の計画自体が成り立ちません。
ついつい休憩時間を長く取ってしまいそうになりますが、休憩時間を長くしてもモチベーションは上がりづらいです。
理由はモチベーションの向上は勉強を進めることで起こるからです。
この現象は作業興奮などと呼びます。
作業興奮は勉強を始めなければ起こらないため、決めた休憩時間を消化したら勉強を再開して、モチベーションや集中力を維持しましょう。
勉強に集中できない方は塾に入るのがおすすめ
「勉強に集中したいけれど、自分で管理できるか不安…」という場合は、塾への入会がおすすめです。
塾に通うことで、勉強のサイクルを確立しやすいからです。
例えば、現役生であれば、学校の授業が終わった後に塾でも授業を受けることで、学習時間を確保できます。
塾には授業内容を分かりやすく教えてくれる講師が在籍しており、分からない点をスムーズに解決できます。
また、自習室で自分の勉強を進めることも可能です。
塾の自習室であれば集中しやすい環境であり、生活サイクルの確立にもつながります。
「集中しやすい環境で勉強したい!」「休憩中の誘惑を排除したい!」という場合は、塾への入会をご検討ください。
まとめ
勉強の休憩は、集中して学習を進める上で大事な時間です。
休憩を取る時はポモドーロテクニックなどを活用して、自分の集中力向上に活かしてください。
休憩時間は音楽を聴いたり水分補給をしたり、今回、ご紹介した方法を実践してみましょう。
休憩中の注意点にも気を付けながら、勉強に集中できるような休憩時間を確立しましょう。
不安な場合は塾への入会を検討してみてください。
この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。