岩手医科大学医学部の偏差値は?難易度や倍率、傾向や対策について解説
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カテゴリ:大学情報
岩手医科大学医学部は岩手県紫波郡矢巾町にある私立大学です。
本記事では、岩手医科大学医学部の偏差値や倍率について詳しくまとめています。
入試科目・日程、入試傾向と対策についても徹底解説していますので岩手医科大学医学部を受験する方や興味がある方にとって必見のコラムです。
ぜひ参考にしてください。
目次
岩手医科大学医学部の基本情報
はじめに岩手医科大学医学部の基本情報についてまとめました。
生徒数や定員は?
ここでは生徒数と定員についてご紹介します。
以下の表は令和5年度のデータを基に作成しました。
学科 | 募集定員 | 入学者数 | 収容定員 | 在校生数 |
---|---|---|---|---|
医学科 | 130名 | 130名 | 766名 | 782名 |
令和5年度の医学科の募集定員は130名で、入学定員も同じく130名でした。
在校生数は782名で収容定員の766名をやや上回っています。
キャンパスの場所や学科は?
次に、キャンパスの場所と学科をご紹介します。
キャンパス | 矢巾キャンパス 医学部医学科 |
---|---|
住所 | 〒028-3694 岩手県紫波郡矢巾町医大通1-1-1 |
アクセス | 矢巾駅から徒歩15分(1.2km) 盛岡駅から車で30分 |
岩手医科大学医学部がある矢巾キャンパスは岩手県柴波群矢巾町医大通にあります。
矢巾駅からは歩いて15分程度で周辺施設はあまり充実しているとはいえません。
2019年に盛岡市中心部から移転・新設された校舎は、とてもきれいで清潔感があり、勉強に集中できる環境が整っています。
岩手医科大学医学部は医学科のみの一学科です。
医学科では、呼吸器外科学や眼科学などの臨床系や解剖学や生理学といった基礎系のさまざまな医療分野の講座が開設されており、自分の進路に合わせて選択することができます。
岩手医科大学医学部の特色
岩手医科大学は、医学部、歯学部、薬学部、看護学部の4つの医療系学部からなる医療系総合大学です。
これらの四学部は同一キャンパスに設置されており、学部を横断したユニークなカリキュラムが特徴です。
教養教育や4学部合同授業で建学の精神である「誠の人間の育成」を行っています。
また、40超の診療科がある附属病院での臨床実習で最先端の医療知識と高度な技術を身につけた医療人を育成します。
岩手医科大学医学部の入試情報
次に岩手医科大学医学部の入試情報についてご紹介していきます。
入試スケジュールや合格最低点は?
ここでは入試スケジュールと合格最低点についてまとめました。
入試日程
入試日程は以下の表のようになっています。
区分 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表日 | ||
---|---|---|---|---|---|
学校推薦型選抜 | 公募制 |
11月1日(水) ~11月10日(金) |
11月18日(土) | 12月1日(金) | |
地域枠A (岩手県出身者枠) |
|||||
地域枠B (東北出身者枠) |
|||||
秋田県地域枠(秋田県出身者枠) | |||||
総合型選抜 | 地域医療医師育成特別枠 | ||||
一般選抜 | 一般 |
12月4日(月) ~1月5日(金) |
1次 | 1月17日(水) | 1月23日(火) |
地域枠C(全国枠) | 2次 | 1月26日(金) ・27日(土) ※どちらか1日を選択 |
2月1日(木) | ||
地域枠D(全国枠・診療科指定) | |||||
学士編入学者選抜 | 1月22日(月) ~2月2日(金) |
1次 | 2月13日(火) | 2月16日(金) | |
2次 | 2月22日(木) | 2月28日(水) |
薦選抜は公募制、地域枠A(岩手県出身者)、地域枠B(東北出身者)、秋田県地域枠(秋田県出身者)の四種類あります。
一般選抜は、一般枠と、地域枠C(全国枠)、地域枠D(全国枠・診療科指定)があります。
推薦選抜、一般選抜ともに地域枠があり、受験できる方が限られているため、出題条件などの詳細については大学HPでご確認ください。
合格最低点
次に岩手医科大学医学部の合格最低点についてまとめました。
岩手医科大学医学部における各選抜方式ごとの合格最低点は以下のとおりです。
区分 | 合格最低点 | 配点 | ||
---|---|---|---|---|
学校推薦型選抜 | 公募制 | 242.2 | 450 | |
地域枠A (岩手県出身者枠) |
242.2 | 450 | ||
地域枠B (東北出身者枠) |
204.1 | 450 | ||
秋田県地域枠(秋田県出身者枠) | 212.8 | 450 | ||
総合型選抜 | 地域医療医師育成特別枠 | 292.0 | 500 | |
一般選抜 | 一般 | 一次 | 216 | 350 |
二次 | 276 | 400 | ||
地域枠CD(全国枠) | 一次 | 208 | 350 | |
二次 | 264 | 400 | ||
学士編入学者選抜 | 一次 | 140.3 | 250 | |
二次 | 181.3 | 300 |
岩手医科大学医学部受験の配点
次に岩手医科大学医学部の配点をまとめました。
共通テスト
岩手医科大学では共通テストを利用した入試方式は採用されていません。
ここでは一般選抜の一次試験についてご紹介します。
一般選抜の一次試験の配点について表にまとめました。
一般選抜、一般選抜地域枠C(全国枠)、一般選抜地域枠D(全国枠・診療科指定)の一次試験の教科科目と配点は以下のようになっています。
時間 | 9:30~11:30 | 13:00~15:00 |
---|---|---|
教科名等 | 英語・数学 | 理科 |
科目名等 | 英語 「コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」 「英語表現Ⅰ・Ⅱ」 数学 「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」 「数学A」「数学B(数列とベクトル) |
「物理基礎・物理」 「化学基礎・化学」 「生物基礎・生物」 から2科目選択 |
配点等 | 200点 (100点×2教科) |
150点 (75点×2科目) |
二次試験
一般選抜、一般選抜地域枠C(全国枠)、一般選抜地域枠D(全国枠・診療科指定)の二次試験は面接で、配点は50点です。
1人当たり15分程度で実施されます。
一般選抜地域枠Cと一般選抜地域枠Dでは、岩手医科大学の面接に加え、岩手県による面接(段階評価)が行われます。
岩手医科大学医学部の難易度は?
ここでは岩手医科大学医学部の難易度についてまとめました。
岩手医科大学医学部の偏差値
岩手医科大学医学部の偏差値は 62.5 と言われており、他の私立大学医学部の偏差値と比較すると低い部類にあたります。
しかしながら、一般的な学部と比較すれば十分に高偏差値といえるため、油断は禁物です。
岩手医科大学医学部の倍率
2022年度の岩手医科大学医学部の倍率は以下のようになっています。
入試方式 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|---|---|---|
一般選抜 | 9.2 | 73 | 2128 | 2018 | 232 |
一般選抜地域枠C | 11.8 | 5 | 71 | 71 | 6 |
一般選抜における入試倍率は例年9倍から11倍程度、地域枠Cにおける入試倍率は7倍から11倍前後で推移しています。
どちらの枠も倍率は9倍以上となっています。
他の大学と難易度を比較すると?
前期試験を実施している全国の私立大学医学部と防衛医科大学校を合わせた31校のなかで、岩手医科大学の倍率は21位となっています。
私立大学医学部のなかでは比較的落ち着いた倍率で、合格難易度は低いといえるでしょう。
岩手医科大学医学部に入るには?入試傾向と対策
岩手医科大学医学部の入試傾向と対策方法について、教科別に解説していきます。
英語の傾向と対策
大問数は7題で解答形式はマークシート方式です。
試験時間は数学と合わせて2教科で120分となっています。
出題の傾向としては、読解や発音、文法・語彙、会話文問題がバランスよく出題されています。
例年、出題内容に大きな変化はありません。
読解問題では、(1)が空所補充、(5)は必要のない分を指摘する問題、(7)では本文の内容について問うような問題が出題されています。
医学部では、長文の大問が3題出題されており、特に(7)は英文の量もかなり多いです。
文法・語彙問題では、短い英文の空所補充と語句整序が出題されます。
会話文問題についても、同じく空所を補充する形式の問題が出題されています。
2教科で120分という短時間で解かなければいけないので、難易度は高いといえるでしょう。
対策として、読解問題の空所補充については文の型や構文を正確に理解する力が求められます。
最初は、時間をかけて一文ずつ丁寧に読むように意識して、徐々に読む速度を上げていくようにしましょう。
また、医学部では医療に関するテーマの英文が出題される傾向が高いので、出題頻度の高い語彙や表現を学習しておきましょう。
例年、文法・語彙問題と会話文問題では短文の空所補充が出題されているので、取りこぼすことの内容に標準レベルの問題集で基礎力を身につけましょう。
また、過去問などで時間配分の練習をしておくことも大切です。
数学の傾向と対策
大問数は3題で、解答形式はマークシート方式です。
試験時間は英語と合わせて2教科で120分となっています。
出題範囲は「数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列・ベクトルを含む)」で、過去数年を振り返ると全範囲にわたってバランスよく出出されています。
中でも、微・積分法や場合の数、確率、図形と計量といった問題が頻出となっており、2分野以上を融合した問題も見られます。
以前は標準的な問題が大半でしたが、近年はやや難化傾向にあります。
特に医学部では、複雑な計算が含まれる問題が出題されており、試験時間内に全て解き切るのは難しいでしょう。
対策としては、様々な分野からの出題または融合問題が出題されることもあるので、分野の偏りが無いように満遍なく学習しておきましょう。
計算や考え方が複雑な問題も出題されているため、参考書を活用して基礎問題を数多くこなし基礎力を固めましょう。
特に空所補充形式の問題では1つの計算ミスが致命傷となることもあります。
日頃から、簡単で構わないので検算を行うことを週間づけておきましょう。
基礎力を身につけたうえで、標準からやや難しいレベルの問題を受験問題集などを用いて解いてみましょう。
グラフや図を利用することによって解答の方針が立てやすくなったり、ミスを防ぐこともできるので、普段から問題を解く際には実際にグラフや図を描いてみるようにしましょう。
物理の傾向と対策
大問数は3題で、解答形式はマークシート方式です。
試験時間は理科2科目で120分となります。
出題範囲は「物理基礎・物理」で、力学と電磁気は必出となっています。
残りの1題に関しては、過去数年は原子・力学・熱力学・波動から出題されています。
電磁気の問題では、RLC回路のスイッチを含む回路と交流から出題されることが多いです。
対策としては、標準レベルの問題を中心に出題されるので基礎的な部分をしっかりと理解しておくことが大切です。
日頃から問題に取り組む際には、必ずノートなどに解答だけでなく解答までの過程や考え方を筋道を立てて書くようにしましょう。
また、教科書に載っている公式がどのような流れで導出されているのかをきちんと確認しておきましょう。
例年、出題傾向に大きな変化はないので、早いうちから過去問に取り組むことで難易度を把握することができ、また時間配分の練習にもなります。
化学の傾向と対策
大問数は3題で、解答形式はマークシート方式です。
試験時間は理科2科目で120分となります。
出題割合は理論分野がかなり大きく、出題範囲の全体にわたって幅広く出題されており、化学量に関する計算問題や化学平衡に関する問題がよくみられます。
有機分野は、構造式の決定・タンパク質とアミノ酸などが頻繁に出題されています。
無機分野は、理論と絡めて出題されています。
全体的な難易度については、大半は易しい問題であり、一部にやや難度の高い計算問題や細かい知識が求められる問題が含まれています。
対策としては、理論分野では化学の原理・法則を確実に理解している必要があります。
特に、結晶格子や気体の法則、ヘスの法則、ファラデーの法則、平行移動の法則、熱化学方程式、中和滴定、酸化数の計算などを重点的に学習しておきましょう。
また、計算力の養成も重要です。
受験用の問題集などを用いて、限られた時間の中でより多くの問題を解く練習をすると良いでしょう。
無機分野については、特に気体の実験室的製法・工業的製法、沈殿生成、錯イオンなどをまとめて理解しておきましょう。
有機分野では、有機化合物の構造式と製法、性質を表にまとめるなどして確実に覚えるようにしましょう。
また、化合物の構造式の決定に関する問題が出題されがちなので、問題演習を数多くこなすことで慣れておきましょう。
生物の傾向と対策
大問数は5題で、解答形式はマークシート方式です。
試験時間は理科2科目で120分となっています。
出題範囲は「生物基礎・生物」で、遺伝情報、生殖・発生、体内環境、動物の反応が頻出です。
問われる内容としては標準的なものがほとんどです。
計算問題も標準レベルのものが多く、様々な分野の正誤問題が出題されています。
全体的な難易度としては、教科書に基づいた基礎的な学力が求めらており、生物の基本的なキーワードが問われることが多いです。
しかし、医学部ではやや発展的な内容も出題されているので注意が必要です。
また、実験観察や図表を用いた問題においてもやや難度の高い設問がみられます。
対策としては、教科書を徹底的に学習することが大切です。
その際、ただ読み進めるのではなく教科書レベルの問題集や参考書を用いて、実際に問題を解きながら基本用語を確実に覚えるようにしましょう。
また、幅広い分野から出題されているので、苦手分野を無くすことを意識して学習しましょう。
その上で、頻出分野に関しては特に重点的に取り組みましょう。
教科書以外にも資料集などを活用することで、仕組みや関連する項目を理解し、知識を整理しておきましょう。
また、過去に出題された内容と似たような問題が出題されることも多いので、早いうちから可能な限り多くの過去問に取り組むようにしましょう。
他の私立大学医学部の過去問に取り組むのも効果的です。
岩手医科大学医学部の学費・授業料
岩手医科大学医学部の学費や奨学金制度についてご紹介します。
学費・授業料
医学部の授業料は以下の通りです。
1年次 | 入学金 | 2,000,000円 |
---|---|---|
授業料 | 2,500,000円 | |
実験実習費 | 500,000円 | |
施設設備費 | 1,000,000円 | |
教育充実費 | 3,000,000円 | |
初年度納入金総額 | 9,000,000円 | |
入学時最低納入金 | 5,500,000円 | |
2年次以降の年額 | 5,000,000円 | |
6年間の総額 | 34,000,000円 |
上記の金額に加えて、学生傷害保険団体加入保険料、学友会費、圭陵会費(同窓会)、父兄会費などの費用がかかります。
奨学金
医学部で利用することのできる奨学金制度をまとめました。
入学時学納金減免制度 | 一般選抜の合格者のうち、成績優秀な学生(上位2名)については初年度学納金の一部を減免します。 |
---|---|
医療局医師奨学資金貸付制度 | 将来、岩手県立病院等の医師として業務に従事しようとする意思を持つ者を対象とした貸与奨学金です。 |
市町村医師養成修学資金貸付制度 | 将来、県立及び市町村立等の医療機関の医師として業務に従事しようとする意思を持つ者を対象とした貸与奨学金です。 |
日本学生支援機構奨学金 | 人物、学業ともに優れ、かつ健康であって経済的理由により著しく修学に困難があると認められる者(学力と家計収入に推薦基準が設けられています)を対象とした奨学金です。 |
提携教育ローン「Web学費サポートプラン」 | 株式会社オリエントコーポレーションと提携した教育ローンです。簡単な申し込み手続きで利用することのできる学費の分割払い制度です。 |
詳しくは大学公式HPをご確認ください。
岩手医科大学医学部に合格するなら医進の会
今回は、岩手医科大学医学部の入試傾向や偏差値、倍率などをご紹介しました。
岩手医科大学医学部は、私立大学医学部の中では比較的偏差値と倍率が落ち着いているため、合格難易度は低めとなっています。
しかし、一般的に医学部受験は他の学部と比べると求められるレベルは高く、岩手医科大学医学部も例外ではありません。
医学部専門予備校なら、医学部に特化した受験対策が充実しています。
医進の会では、生徒個人にあったオーダーメイドのカリキュラムを作成し、プロ講師による徹底指導で確かな学力を身につけることができます。
また、岩手医科大学医学部の一般入試では二次試験に面接がありますが、医進の会では各大学の入試方式に合わせて面接対策や小論文対策なども行っています。
勉強で不安な点は、講師や国公立医学部現役生チューターに質問できる環境が整っており、医学部受験を目指す方には最適な予備校です。
少しでも気になった方は、是非一度お問い合わせ下さい。
まとめ
今回は岩手医科大学医学部についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
岩手医科大学は、医療系の4学部からなる医療系の総合大学であり、学部を横断したカリキュラムや合同授業などが特色の一つです。
実習先の附属病院には40以上もの診療科があるため、より専門に特化した最先端の医療知識を身につけることができます。
本記事を通して岩手医科大学医学部に興味を持たれた方は、ぜひ受験を検討してみてください。
この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。