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2024年度最新|医学部の定員とは?定員割れの動向や各医学部ごとの定員一覧も解説

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カテゴリ:入試

「医学部の定員数が知りたい!」「定員割れは必ず合格するの?」「地域枠とは?」
上記のように、医学部受験の定員について、疑問点はないでしょうか。
医学部の定員は医師数のバランスも影響するため、変動するケースがあります。
そこで、今回は医学部の定員や、傾向、地域枠などについて解説します。
医学部の定員について知りたい場合は、ぜひ参考にしてください。

この記事を読むとわかること
  1. 医学部の定員について
  2. 国公立・私立の各学校の定員数に関して
  3. 定員数の動向や今後の予想について

医学部の定員とは?

まずは医学部の定員について解説します。
医学部に限らず大学受験の定員とは、募集単位や入学方式ごとに決められた定員です。
例えば「A大学の定員が100名」であっても、下記のとおり細かく割り当てられるのが一般的です。

  1. 学校推薦:40名
  2. 総合選抜:10名
  3. 一般選抜A方式:25名
  4. 一般選抜B方式:5名
  5. 一般選抜C方式:15名
  6. 一般選抜後期日程:5名

よって、単に「医学部定員100名」と募集されていても、どの募集単位か入学方式なのかまで確認する必要があります
次に医学部受験における定員割れや定員動向について解説します。

定員割れの状況とは?

定員割れの状況とは、募集人数よりも出願者が少ない状態です。
定員100名であれば100名に満たない出願者数であれば定員割れの状態です。
大学受験に限らず、受験において定員割れになると受験生としては安堵感を覚えるものです。

定員割れ=合格ではない?

合格には基準点があり「定員割れ=合格」ではない点に注意しましょう。
その基準点が「足切り」と呼ばれるものです。
例えば「共通テストで得点率85%以上」などとボーダーを設ける大学もあります。
よって、定員割れでも安心せずに受験勉強に励むことが大事です。

医学部の最新の定員状況・動向は?

2022年度の医学部の定員を見ると、各大学100〜120名程度です。
なかには定員100名を切ったり140名程度の大学もあったりします。
参考:文部科学省「大学別医学部入学定員等一覧」
文部科学省の資料をもとにすると、2007年の定員と大きく変わらないことが分かります。
今後、各大学が同数程度の定員数を募集する可能性や定員を増やすこともあるでしょう。

国公立大学医学部の定員一覧

国公立大学医学部の定員数を国立と公立に分けてご紹介します。
各大学の定員数は100名程度です。
増員数を考慮すると各大学「+7〜40名」程度増える場合があります。

国公立大学医学部の定員一覧

国立大学の定員をまとめました。

大学(国立) 定員 大学(国立) 定員
北海道大学 105 旭川医科大学 105
弘前大学 105 東北大学 105
秋田大学 100 山形大学 105
筑波大学 103 群馬大学 105
千葉大学 100 東京大学 108
東京医科歯科大学 90 新潟大学 100
富山大学 100 金沢大学 105
福井大学 105 山梨大学 105
信州大学 105 岐阜大学 85
浜松医科大学 105 名古屋大学 104
三重大学 105 滋賀医科大学 105
京都大学 105 大阪大学 105
神戸大学 105 鳥取大学 85
島根大学 100 岡山大学 105
広島大学 105 山口大学 100
徳島大学 100 香川大学 100
愛媛大学 100 高知大学 100
九州大学 105 佐賀大学 98
長崎大学 100 熊本大学 105
大分大学 100 宮崎大学 100
鹿児島大学 100 琉球大学 105

※2022年度増員前の定員数です。

公立大学医学部の定員一覧

公立大学の定員をまとめました。

大学(公立) 定員 大学(公立) 定員
札幌医科大学 105 福島県立医科大学 85
横浜市立大学 85 名古屋市立大学 90
京都府立医科大学 102 大阪公立大学 95
奈良県立医科大学 100 和歌山県立医科大学 90

※2022年度増員前の定員数です。
国公立大学医学部の定員を細かく見ると、大学によって違いが見られます。
例えば、京都大学は推薦枠が少なく一般入試に多くの定員が割り当てられています
札幌医科大学は地域枠が多く、一般枠が少ないです。
全体の定員数はどの大学も同数程度ですが、その内訳が異なります
やはり大学ごとの募集内容を精査して、どの枠で受験するか決める必要があります。

私立大学医学部の定員一覧

次に私立大学医学部の定員を一覧にしました。
100〜120名程度の定員とする大学が多いですが、130名や140名程度に設定する大学もあります。

大学(私立) 定員 大学(私立) 定員
岩手医科大学 95 東北医科薬科大学 100
自治医科大学 100 獨協医科大学 110
埼玉医科大学 110 国際医療福祉大学 140
杏林大学 105 慶應義塾大学 110
順天堂大学 105 昭和大学 109
帝京大学 110 東京医科大学 112
東京慈恵会医科大学 105 東京女子医科大学 110
東邦大学 110 日本大学 120
日本医科大学 110 北里大学 109
聖マリアンナ医科大学 110 東海大学 110
金沢医科大学 110 愛知医科大学 105
藤田医科大学 110 大阪医科大学 110
関西医科大学 110 近畿大学 95
兵庫医科大学 108 川崎医科大学 110
久留米大学 110 産業医科大学 105
福岡大学 110

2022年度増員前の定員数です。
2021年度、私立大学医学部の志願者数は約9.4万人で、当時の店員は3,600人程度でした。
倍率が約26倍となっており、驚異的な数字です。
なかには第一志望を国公立大学にし、併願で私立大学を受験する人もいますが、それを差し引いても高水準の倍率と言えます。
不況な世の中から医学部を志し、安定した収入を目指す成績優秀者の増加も要因でしょう。
また、次の内容で解説する医学部定員の増加も関係しています。

医学部定員は増加傾向?

近年の医学部の定員は増加傾向にあるといえます。
急増しているわけではありませんが、2008年と2023年の定員数を比較すると1,600人程度、増加しています。
その理由を2つの観点から解説します。

  1. 地域の医師の減少を防ぐため
  2. 研究医を増やしていきたいため

地域の医師の減少を防ぐため

医学部定員が増加傾向にあるのは、地域の医師の減少を防ぐためです。
東北地方の各県などを中心に医師不足が叫ばれており、高齢化が進むなかで医師の増加が期待されています。
医学部の定員に関しては1982年まで増加傾向であり、その後は停滞します。
しかし、2008年に「早急に過去最大程度まで医学部定員を増員させること」が閣議決定され、医学部定員が増加していきます
とはいえ、地域によって人口10万人当たりの医師数で2倍以上の開きがあり、特に地方都市は医師不足が深刻になっているのです。
では、なぜ地域によって医師数が偏っているのでしょうか。
次の内容でみていきます。

医師が地域によって偏っている理由

医師数を地域ごとに見ていくと、関西や中国、四国、九州など西日本を中心とした地域は確保されています。
しかし、東日本や中部地方は医師が足りていない状況です。

若い医師が集まりにくいエリアがあるから

医師不足の地域では、労働環境の不安、希望と実際の業務内容の違いなどの面で特に若い医師が集まりにくいからです。
一方で医師数が充実している地域は、働き方や自分の希望を叶えやすい病院が多いため、医師が集まりやすい傾向です。
このような地域格差を是正するために、地方で医師を確保しようと医学部定員を増やしているわけです。

勤務条件が合わない病院があるから

30代や40代など何かと子育てに時間を割きたい場合に、勤務条件と自分の希望が合いにくい病院が多くなっています。
端的に言えば、将来的なビジョンや勤務条件が合致する働き方ができない点が要因です。

研究医を増やしていきたいため

医師は研究医と臨床医に分類されますが、研究医を増やすために医学部定員を増やす側面があります。

  1. 研究医・・・患者と接すことなく、病気の原因を究明したり治療法を考えたりする医師
  2. 臨床医・・・患者と接したり、治療を行ったりする医師

研究医とは

研究医は日夜データを収集して、治療法が確立されていない病気の原因を究明したり治療法を考えたりする医師です。
研究医はほとんど患者と接しませんが、論文作成や学会での発表も重要な仕事となります。
研究医は医学分野の将来に欠かせない医師であり、不足すると日本医学の衰退につながります。
そこで文部科学省は研究医養成のためのMD-PhDコースを用意し、一部の大学で設置しています。
もちろん研究医を志す医学部受験生を増やすために定員を増加させる考えもあります。

臨床医とは

一方の臨床医は患者を診察したり治療したりして、直接患者と接する医師です。
みなさんがイメージしている医師のイメージはまさに臨床医と言えます。

定員割れを防ぐための地域枠とは?

医学部定員を増やしても、肝心の志願者数が増えなければ将来の医師を確保できません。
そこで各大学は地域枠を設置しています。
ここからは医学部定員の地域枠について解説します。

地域枠とは?

地域枠とは、大学がある地域において医療現場で働く医師の養成を目的とした選抜枠です。
地域枠に出願し医学部に合格すれば、将来的に特定の地域や診療科で働くことになります。
一般的には大学卒業後、一定期間大学がある地域の医療機関で働くことを目的にした制度であり、奨学金も利用できます。
地域枠は都道府県と大学が連携した枠があります。
概要は下表をご覧ください。

枠名 地域枠 地元出身者枠
特徴 ・地元出身者もしくは全国から選抜
・卒業後の従事要件あり など
・地元出身者から選抜
・卒業後の従事要件なし
など

参考:厚生労働省「令和6年度医学部臨時定員に係る方針について」
上表に加えて、大学独自で枠を設ける場合があります。

例えば、120人の定員としていたら、一般枠70名、地域枠30名、地元出身枠15名、大学独自枠5名のように割り振ります。
このケースの地方枠は全体で50名です。

地域枠で学生が受けるメリット

地域枠で学生が受験するメリットは下記が挙げられます。

  • 奨学金を利用して進学できる
  • 奨学金の返還免除の場合がある

奨学金を受け取りやすい

地域枠で受験すると、主に奨学金の面でメリットがあります。
地域枠の主旨は将来的にその地域で働く医師を育てることであり、誰もが奨学金を受け取れるわけではありません。
しかし、大学によっては地域枠にバリエーションがあり、奨学金を利用できる場合が多くなっています。
また、医師不足が深刻な地域であれば、医師として一定期間従事することで、奨学金の返還を免除される場合があります。
医学部の学費は他学部に比べて割高になるケースがあるため、奨学金を借りて返還が免除されるのは学生にとってメリットです。

地域枠で地域が受けるメリット

地域枠は学生だけではなく、地域もメリットを受けます。
地域枠で志願者数が増えれば、将来的にその地域で働く医師が増加します。
文部科学省の資料によると、地域枠を導入する大学が増加しており、地域枠で入学した学生の定着率も89%と高い水準でした。
参考:文部科学省「これまでの医学部入学定員増等の取組について」
学生によっては奨学金が免除になるまでの期間だけ地域に残り、その後は都市部などに移ることも考えられます。
しかし、地域枠で入学した学生が一定期間でも地域に残り、医師として従事する点は地域が受けるメリットとして間違いないでしょう。

地域枠によるデメリット

地域枠によるデメリットは、大学卒業後に9年ほど勤務地や勤務先が限定されることです。
自治体によっては診療科まで制限される可能性もあります。
医学部は6年間勉強することとなり、働き始める25歳から9年間となると34歳です。
30代半ばともなれば生活状況や家族構成も変わるため、地域から離れづらくなることもあるでしょう。
また、地域枠で入学すると専門医資格を認定しない場合があり、その後のキャリアにも影響します。
さまざまなデメリットを考慮して地域枠で受験するかどうか検討しましょう。

医学部定員の今後予想される動向

結論⇒医師数の増加が予測される。

今後の医学部定員の動向を予想するために医師数の変化を振り返ると、常に需要と供給が保たれています。
ときには医師数の抑制が閣議決定されたり、その結果として医学部定員が削減されたりしました。
需要と供給を保ちつつも2008年からは一転、医学部定員を増やす閣議決定がなされています。
医師数の増加、停滞、減少という流れを考えていくと、次は医師数の増加が予測されます。
つまり、医学部定員の増加に舵を切る可能性があると考えられるため、もうしばらくは医学部定員の増加もしくは現状維持になる可能性があります。
医師偏在の観点からみると、地域枠が増えて一般枠が減少することが考えられます

医学部の志望校選びに定員は関係あるのか

ここまで医学部定員についてさまざまな視点で解説しました。
医学部受験生であれば「志望校選びで定員を考慮したほうがいいのか?」という疑問もあるでしょう。
志望校選びと定員について解説します。

定員割れが起きそうなところを受験するのも一つの手

定員割れが起きそうな医学部を受験するのも1つの選択肢です。
先述のとおり、定員割れだからといって必ずしも合格できるとは言えません
しかし、私立大学は医学部に限らず定員割れになるケースが増えており、合格率が上昇しても歩留率(合格者数に対する入学者数)が下降傾向にあります。
つまり、競争が緩和していることを意味します。
「前年度に定員割れしたから今年度も」とは限りませんが、過去の傾向を踏まえて定員割れしている大学を選ぶことも選択肢に入れてみましょう。

定員だけで志望校を決めると後悔することも

医学部の定員は先にご紹介したように、100〜140名程度になります。
そこで「定員が多い大学ならば合格しやすいだろう!」と考えて、安易に志望大学を決めると後悔する可能性があります。
定員が多くても受験難易度が高い場合もあり、逆に定員が少ない大学で偏差値が低くなるケースも考えられます。
志望校を決める際は、地域枠や一般枠など定員に関する要素だけではなく、受験科目や偏差値などを総合的に踏まえて判断してください。

将来的な医師像を考えて志望校を決めることが大切

志望大学を選ぶ場合に最も大事な点は、将来的な医師像を考えることです。
「私立大学は合格しやすい」「地域枠なら奨学金を活用しやすい」など、受験に関する特性だけで志望大学を考えると、将来的に後悔する可能性があるからです。
将来の医師像を明確に描き、そこから逆算して「どのような大学が理想なのか」「地域枠でも問題ないか」など、綿密に検討しましょう。

医学部に入学するための方法

最後に医学部に入学するために必要なことを解説します。
5つの内容を確認し、受験勉強に励んでください。

  1. 志望校をはっきりと決める
  2. 受験校の難易度と自分の差分を考える
  3. 勉強計画やスケジュールを決める
  4. 基礎基本を完璧にする
  5. 過去問対策を行い傾向を把握する

志望校をはっきりと決める

まずは志望校をはっきりと決めましょう。
志望大学を明確に決めなければ、必要なことも見えてきません。
志望大学を明確にすると課される受験科目、定員、地域枠、試験日程などもはっきりします。
志望大学を決める際は、先述したように将来の医師像を明確にすることから始めましょう。
医師像が明確にならないときはこれまでに影響を受けた医師を思い出して、理想像としても良いでしょう。

受験校の難易度と自分の差分を考える

志望大学を決めたら受験校の難易度と、自分の差分を考えます。
例えば、志望大学が偏差値70で現状の自分の偏差値が65であれば、偏差値「5」を上げる努力が必要です。
そのために克服する教科や得点を伸ばす教科を明確にし、日々の学習計画に落とし込んでいきます。
志望大学と現状の実力に差分がありすぎる場合は、受験校の変更も視野に入れましょう。
自分だけで決断できないときは、進路指導の担当者に相談してください。

勉強計画やスケジュールを決める

自分に必要なことが明確になったら、具体的な勉強計画やスケージュールを細かく決めていきます。
具体的には「英語はこの教材を使う」「数学の学習日は水曜日」など、使用教材と勉強する曜日を計画します。
また「●月までに過去問で■点を取る」「●月までの模試で偏差値65に行かなかったら志望校変更」など、大まかなスケジュールをきめることで勉強計画をより細かく立てられます。

基礎基本を完璧にする

医学部入試では特に国公立大学だと2次試験で、私立大学だと1次試験で難問が出題されやすいです。
そのため応用問題や難問、奇問から取り組みたくなりますが、基礎基本が備わっていなければ対応できません。
まずは基礎基本をマスターできるように取り組んでください。
英単語、計算問題、基本用語などは隙間時間を上手く活用すると、効率的に学習を進められるでしょう。

過去問対策を行い傾向を把握する

志望大学の傾向をつかむと勉強計画に反映しやすいため、過去問対策も必要です。
医学部受験では幅広い試験科目を課される場合があり、早めに傾向を掴む必要があります。
志望校の難易度と自分の差分を確かめる意味も含め、過去問で力試しをしてみましょう。
なお、過去問は3〜5年分に取り組むと、大まかな傾向が掴めてきます。
それでも傾向を掴めない場合は、学校の先生や予備校の講師に相談してみましょう。

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まとめ

大学受験では各大学で定員が決まっており、試験方式などで細かく人数が振り分けられます。
募集定員に対して志願者が少なければ定員割れとなりますが、受験して必ず合格できるとは言い切れません
近年の医学部定員は増加傾向であり、今後は地域枠の割合が増える可能性があります。
地域枠は受験生と大学がある地域の双方にメリットはありますが、対策を考えておきたいデメリットもあります。
メリットとデメリットを比較して、地域枠で受験するか決めましょう。
また、志望大学を選ぶときは、将来の医師像を明確にして、定員数や偏差値などで安易に決めないことが大事です。

この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹

医進の会代表 谷本秀樹
中学入試の希学園の集団授業で600名以上の多くの生徒を受験指導。
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。

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