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医学部受験の足きりとは?理由や対策方法、共通テストのボーダー・一次試験・二次試験について解説

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カテゴリ:入試

医学部の入学試験は、非常に競争率が高く多くの受験生が憧れる目標です。
しかし、その道のりは簡単ではなく、足きりという難関が待ち構えているのも事実です。
そこで今回は、医学部の足きりについて詳しくご紹介していきます。
足きりの意味やボーダーラインなどもまとめました。
医学部受験生はぜひ、参考にしてください。

この記事を読むとわかること
  1. 医学部受験における足切り事情
  2. 足切りをされる理由や足切りを回避する方法
  3. 医学部受験で足切りを実施している大学

医学部受験における足きりとは

足切りとは一般的に試験の複数の科目において、各科目の最低得点基準を満たさなければならない制限のことです。
これによって、一部の科目だけで高得点を取っても、全体のバランスが取れた学力がなければ不合格になるという基準が足きりです。
医学部の場合、その足切りが特に厳しく設定されていることが多いです。
なぜなら、医学部では総合的な学力が求められるだけでなく、専門性の高い基礎科学や臨床医学の知識も必要とされるため、基本的な学力を十分に身につけていることが不可欠だからです。
そこで足きりを設けて、受験者の能力を見極めることがあります。

【2023年度予想!】医学部受験の共通テストボーダー・足きり

ここからは医学部受験の共通テストボーダー・足きりについて解説します。

国公立大学医学部の共通テストボーダー

はじめに国公立大学医学部の共通テストのボーダーを解説します。

前期日程

まず国公立大学医学部の前期日程について、以下で解説します。

大学名 2023ボーダー予想 2023足切り予想 2022ボーダー 2022足切り
旭川医科大学 79% なしの見込み 75% 実施せず
北海道大学 85% なしの見込み 82% 実施せず
札幌医科大学 80% なしの見込み 75% 実施せず
弘前大学 79% 52% 75% 実施せず
東北大学 86% 76% 81% 67%
秋田大学 80% 67% 75% 実施せず
山形大学 81% 61% 76% 実施せず
福島県立医科大学 80% 71% 76% 62%
筑波大学 84% 78% 81% 70%
群馬大学 79% 67% 76% 58%
千葉大学 87% 79% 83% 71%
東京大学 92% 76% 89% 59%
東京医科歯科大学 89% 81% 84% 実施せず
横浜市立大学 87% 77% 83% 75%
新潟大学 82% 76% 77% 68%
富山大学 79% 71% 76% 実施せず
金沢大学 81% 75% 77% 実施せず
福井大学 79% 70%↑ 76% 68%
信州大学 80% 72% 76% 実施せず
岐阜大学 80% 63% 74% 実施せず
浜松医科大学 81% 70% 74% 実施せず
名古屋大学 86% 67% 82% 78%
名古屋市立大学 82% 75% 77% 71%
三重大学 82% 60% 77% 60%
滋賀医科大学 81% 73% 75% 67%
京都大学 89% 80% 86% 70%
大阪大学 88% 81% 85% 70%
神戸大学 87% 73% 82% 実施せず
京都府立医科大学 82% 71% 76% 実施せず
大阪公立大学 87% 73% 81% 72%
奈良県立医科大学 81% 71% 75% 実施せず
和歌山県立医科大学 81% 75% 75% 70%
鳥取大学 79% 67% 76% 67%
島根大学 79% なしの見込み 75% 実施せず
岡山大学 83% 79% 80% 71%
広島大学 83% 71% 79% 実施せず
山口大学 80% なしの見込み 75% 実施せず
徳島大学 81% 75% 75% 67%
香川大学 80% 69% 76% 66%
愛媛大学 80% 71% 76% 実施せず
高知大学 79% 70% 75% 実施せず
九州大学 86% 75% 82% 63%
佐賀大学 80% 66% 76% 実施せず
長崎大学 81% 72% 75% 63%
熊本大学 81% 72% 77% 66%
大分大学 79% 72% 74% 60%
宮崎大学 79% 71% 74% 実施せず
鹿児島大学 80% 71% 75% 実施せず
琉球大学 79%↑ 70% 75% 実施せず

国公立大学の共通テストのボーダーは、上位校ほど軒並み高まると予想します。
東京大学を筆頭に、京都大学や東京医科歯科大学なども同様です。
ボーダーラインや足きりは割合で示していますが、これは受験合格率が50%以上になる得点率を示します。
例えば、東京大学のボーダーを91%と予想しましたが、共通テストの数学の配点で91%の得点で二次試験の合格率が50%以上という意味です。
よって、表に紹介した大学は合格するために共通試験でかなりの高得点が必要となります。

後期日程

続いて、国公立大学医学部の後期日程について以下で解説します。

大学名 2023ボーダー予想 2023足切り予想 2022ボーダー 2022足切り
旭川医科大学 84% 77% 79% 74%
秋田大学 85% 79% 81% 71%
山形大学 86% 82% 82% 実施せず
千葉大学 89% 85% 86% 79%
東京医科歯科大学 91% 88% 88% 84%
山梨大学 86% 83% 86% 74%
福井大学 88% 83% 81% 77%
浜松医科大学 88% 83% 79% 実施せず
名古屋大学 91% 90% 83% 78%
三重大学 88% 84% 83% 77%
奈良県立医科大学 89% 83% 82% 76%
山口大学 87% 80% 83% 80%
佐賀大学 85% 81% 81% 71%
宮崎大学 84% 78% 77% 64%
鹿児島大学 86% 82% 80% 78%
琉球大学 84% 77% 79% 65%

後期日程においては前期日程を大きく変わりませんが、今年度の予想は若干高めにしています。
前期日程に比べて後期日程の定員が少なく、合格難易度が高まるからです。
後期日程だから合格しやすいということではありません。
上の表に示していない大学においても同様で、前期日程よりも後期日程のボーダーは高い傾向です。
ただし、足きりを実施しない大学もあるため、事前に情報を集めて足切りを含めた志望校の検討が必要です。

【今年度予想】私立大学医学部の共通テストボーダー・足きり

ここからは、私立大学医学部の共通テストのボーダーをご紹介します。

大学名 2023ボーダー予想 2022ボーダー 2021ボーダー
東北医科薬科大学 90% 85%  
国際医療福祉大学医学部 86% 82% 87%
獨協医科大学 89% 78% 86%
埼玉医科大学 76% 73% 84%
杏林大学医学部 84% 77% 86%
順天堂大学医学部(前期) 90% 86% 91%
順天堂大学医学部(併用) 89% 83% 89%
日本医科大学(後期併用) 86% 85%  
帝京大学医学部 87% 84% 92%
東海大学医学部 85% 77% 87%
東京医科大学 85% 80% 87%
愛知医科大学(前期) 82% 79% 86%
藤田医科大学(前期) 85% 81% 87%
大阪医科薬科大学 88% 82% 88%
関西医科大学(前期) 88% 80% 87%
関西医科大学(併用) 89% 80% 87%
近畿大学医学部(共前期) 84% 78% 86%
近畿大学医学部(共中期) 86% 85% 89%
産業医科大学 82% 77% 83%
福岡大学医学部 85% 83% 88%

私立大学については、全体的にみると国公立大学に比べると低い傾向ですが、なかには国公立大学と遜色ない場合もあります。
90%台の大学もあるため、私立大学でも油断せずに対策する必要があります。

医学部受験で足きりをされてしまう理由は

医学部受験で足きりをされてしまう理由は主に3つあります。

  1. 倍率
  2. 共通テスト
  3. 倍率&共通テスト

足きりされる理由を確認することで、どのような点に気をつけて受験を受ければいいのか意識した受験対策を行うことができます。
それぞれの内容を確認していきましょう。

倍率

大学によっては設定した募集枠に対して、非常に多くの受験生が受験を行うため足切りが行われます。
倍率が高ければ、全ての受験者を比較して先行することが難しく、ボーダーラインを設け足きりをして受験者数を絞ることが必要です。
また、多くの受験者がいると、会場を確保したり採点したりする手間がかかることから、倍率によって足きりが行なわれる側面があります。

共通テスト

共通テストは国公立大学や一部の私立大学が入試に採用しており、毎年何十万人もの受験者がいます。
あまりに多い受験者がいる場合、1人ひとりを厳密に精査するのではなく、ボーダーラインで受験者を限定します。
共通テストで足きりを行なうことで二次試験の受験者をある程度絞り、より基準にあう受験生を合格とするわけです。
共通テストでは基礎問題も多く、それができない受験生は最終合格も厳しいということです。

倍率と共通テストの両方

大学によっては、倍率と共通テストの双方にボーダーラインが設定され、いずれか一方でも満たさないと足きりされます。
よって「倍率が低いから合格確率が高いだろう」と、油断してはいけません。
油断した結果、共通テストで思うような点数を取れずに不合格となることもあります
医学部受験においては多くの場合で共通テストの結果が、合否に大きな影響を与えます。
倍率を気にするのではなく、可能な限り共通テストで点数を取れるような対策を進める必要があります。

医学部受験で足きりを回避なら共通テスト対策

医学部受験で足きりを回避したいときは、共通テスト対策が重要です。
理由は先述のとおり、共通テストを足きりの基準としている場合があるからです。
また、共通テストの配点比率を5割以上にしている大学が多いため、十分な対策が必要となります。
そこで、教科別に共通テストの対策を解説します。

英語

共通テストの英語の勉強は、リーディング、リスニング、ライティングのスキルが必要です。

  • リーディングの力を伸ばす
  • リスニングの力を伸ばす

また、共通テストの英語には長文読解問題やリスニング問題が出題されます。

リーディング力の伸ばし方

英語のリーディング力を伸ばすにはまず前提として基本単語や英文法を理解し、文章の意味を理解できる基礎力を身につけておく必要があります。
いきなり速読を行い文章を早く読む練習をするのではなく、精読を行い文構造を理解した上で意味を取れるようにしていくことが重要です。
長文読解問題については、過去問や参考書で文章の構造や文法などを理解し、できるだけ本番を意識した勉強を行いましょう。

リスニング力の伸ばし方

リスニング力を伸ばすには、リーディング同様に単語を聞いて即座に意味がわかるまで暗記することが重要です。
単語帳で単語を見て、時間をかけて考えれば意味がわかる状態ではマスターしているとは言えません。
音を聞いて前から文章の意味が取れる、単語の意味がわかるまで理解しましょう。
何度もスクリプトを読んで、文章の意味や文章の構造を取りながらシャドーイングすることも重要です。

数学

共通テストの数学の勉強では、基礎的な知識をしっかりと身につけることが重要です。
高校数学の各単元において教科書に掲載されている基礎的な知識を復習し、類題をテキストや参考書で練習するのがおすすめです。

難易度が高い数Ⅱ・Bの対策を行う

また、共通テストの数学には、数Ⅰ・数Ⅱ・数A・数Bの4科目があります。
それぞれの科目に合わせた勉強方法が必要です。
例えば、数Ⅱでは微積分、数Bではベクトルなどが出題されます。
微積分については、関数の微分や積分を理解することが重要です。
ベクトルについては、ベクトルの足し算や引き算、内積や外積などを理解することが重要です。

理科Ⅰ

共通テストの理科Ⅰでは「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」があります。
いずれの科目も基礎が出題されるため、教科書やテキストの基本問題を中心に解き進めてください
しかし、基本問題だけが出題されるわけではないため、傾向を分析して課題としている分野の復習を丁寧に行なってください。

理科Ⅰの近年の傾向
  1. 物理・・1つの題材について、3つの分野から出題される問題が出される
  2. 化学・・実験に関する出題が頻出傾向になっている
  3. 生物・・知識をふまえて解釈したり計算したりする必要がある問題が出題される
  4. 地学・・複数の図や問題文の読み取りが必要とされる問題が増えている

教科書レベルの出題に関しては、全問正解する気持ちで対策を行いましょう。

理科Ⅱ

共通テストの理科Ⅱは実験から仮説を立てたり読解が必要だったり、分野融合問題が出題されたりしています。
そのため、各科目で基本から応用にレベルアップさせて学習していかなくてはなりません。
理科Ⅱの対策方法として、以下の項目の出題に回答できるよう学習をしておきましょう。

理科Ⅱの近年の傾向
  1. 物理・・実験結果から仮説の誤りを示す根拠を考察させる問題に取り組む
  2. 化学・・読解力や思考力を要する問題に幅広く取り組む
  3. 生物・・分野融合問題、データを処理する力をつける問題に取り組む
  4. 地学・・探究活動を素材にした問題に取り組む

ただし、いずれの科目も超難問をこなす必要はなく、標準レベルの問題を繰り返し学習してください。

国語

共通テストの国語は、例年評論・小説・古文・漢文が出題され、日常生活で実際に用いられる文章の読解などはさほど見られません。
対策としては、過去問を解いて出題傾向を自分なりに把握することがポイントです。
また、読解力をつけるために日々、新聞や雑誌などの記事を読むことも有効です。
そこから自分なりの考えをまとめられると、論述問題にも対応できます。

学校のテキストや参考書で学習

基本的には、テキストや参考書で共通テストは学習可能です。
近年の傾向では授業の会話風景や学校での活動を想定した内容も出題されています。
日々の生活を題材にした内容で、作文や論述式に対応できるような練習も必要です。

社会

共通テストの社会科目は選択科目によって、傾向や学習方法が異なります。

世界史や日本史の対策方法

世界史では、出来事や人物名などの回答だけではなく、歴史の流れの中での人物の行動などが出題されます。
暗記偏重ではなく、歴史の流れを人物などと絡めながら理解するという勉強が必要です。
日本史も世界史と同様に、出来事や人物の周辺情報を理解しつつ、全体像を掴むことが大事です。

地理・公民・倫理・政治経済の対策方法

地理については、出題範囲や傾向はあまりセンター試験から変更がないため、過去のセンター試験の解き直しも有効です
公民、倫理、政治・経済でも、レベル自体はセンター試験と変わらないので、教科書の基本事項をまずはしっかりと覚えておくことが大切です。
現代社会でも、まずは教科書レベルの知識を正確に習得する必要があります。

共通テストから二次試験まで対策できる医進の会


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そのため、難易度が高い科目や苦手科目のみ受講し、国語や社会などの科目は無料で対策することが可能です。
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医学部受験の足きりが実施された大学例

足きりと言われても信じがたい受験生もいるでしょう。
そこで、これまでに医学部受験において足きりが実施された大学を紹介します。

国公立大学

国公立大学の医学部において足きりがなされた大学は下表のとおりです。

前期日程

国公立大学の前期日程について以下の表で解説します。

大学名 ボーダー 大学名 ボーダー
東北大学 81% 福島県立医科大学 76%
筑波大学 81% 群馬大学 76%
千葉大学 83% 東京大学 89%
横浜市立大学 83% 新潟大学 77%
福井大学 76% 名古屋大学 82%
名古屋市立大学 77% 三重大学 77%
滋賀医科大学 75% 京都大学 86%
大阪大学 85% 大阪公立大学 81%
和歌山県立医科大学 75% 鳥取大学 76%
岡山大学 80% 徳島大学 75%
香川大学 76% 九州大学 82%
長崎大学 75% 熊本大学 77%
大分大学 74%

表を見て見ると、大体70%後半から80%前半台で足切りされていることが多いことがわかります。
そのため共通テストで足切りをクリアするためには、85%以上は最低限点数を取ることを意識し、目標は90%以上とすることがおすすめです。
本番は緊張や焦りもあり、想定以上にミスをしてしまう可能性があるため、過去問演習や日々の学習では90%以上を取れるという状況にしておくと、
本番も焦らずに問題を解き、足切りのラインをクリアすることができるでしょう。

後期日程

後期日程は以下の通りです。

大学名 ボーダー 大学名 ボーダー
旭川医科大学 79% 秋田大学 81%
千葉大学 86% 東京医科歯科大学 88%
山梨大学 86% 福井大学 81%
名古屋大学 83% 三重大学 83%
奈良県立医科大学 82% 山口大学 83%
佐賀大学 81% 宮崎大学 77%
鹿児島大学 80% 琉球大学 79%

上表のように、数多くの国立大学が足きりしています。
特に後期日程を実施する大学はほとんどで足きりしています。
よって、足きりが気になる場合は、前期日程での受験を選びましょう。

私立大学

同様に私立大学の足きりについても表にまとめました。

大学名 ボーダー 大学名 ボーダー
東北医科薬科大学 85% 国際医療福祉大学医学部 82%
獨協医科大学 78% 埼玉医科大学 73%
杏林大学医学部 77% 順天堂大学医学部(前期) 86%
順天堂大学医学部(併用) 83% 日本医科大学(後期併用) 85%
帝京大学医学部 84% 東海大学医学部 77%
東京医科大学 80% 愛知医科大学(前期) 79%
藤田医科大学(前期) 81% 大阪医科薬科大学 82%
関西医科大学(前期) 80% 関西医科大学(併用) 80%
近畿大学医学部(共前期) 78% 近畿大学医学部(共中期) 85%
産業医科大学 77% 福岡大学医学部 83%

私立大学においても、多くの大学で足きりが実施されています。
なかには国公立大学と同様のボーダーを設けている場合があるため、十分な対策が必要です。

医学部出願時にやってはいけない志望校の選び方

医学部出願時にはやってはいけない志望校の選び方があります。
今回は次の内容に着目し志望校の選び方を解説します。

  • 倍率が低いから選んでしまう
  • 過去問で選んでしまう
  • 合格点のボーダーで選んでしまう
  • 二次試験が重視されるから
  • 足きりがない大学にしてしまう
  • 得意科目の配点で選んでしまう

上記の内容をしっかりと確認し、自分に合う志望校を選んでください。

倍率が低いから選んでしまう

「倍率が低い=合格しやすい」と、倍率の低さから安易に志望校を選ぶと失敗する可能性があります。
これは先述したように、医学部受験は倍率よりも共通テストの重要性が高く、倍率だけでは判断できないからです。

共通テストの点数や偏差値も確認しよう

また、実際の倍率が4倍や5倍であっても偏差値が50台の大学であれば、合格難易度はそこまで高くありません。
一方で倍率が2倍程度であっても偏差値が70台の大学に合格するのはなかなか難しいでしょう。
つまり、倍率よりも共通テストでの点数や偏差値が重要視されているのです。
倍率だけで判断せずに、さまざまな視点から志望校を判断してください。

過去問で選んでしまう

出願校選びにおいて、過去問との相性を重視すると合格につながらない場合があります。
ここでは筑波大学と浜松医科大学の過去問を比較した場合について解説します。

例1)筑波大学の場合

筑波大学の医学部は総合大学であるため、他学部との共通問題が多く出題されオーソドックスで解きやすい問題が多いです。
筑波大学は国公立医学部の中でもボーダーが高く、受験者のレベル自体が相当高いため、周囲も高得点を取っていることが予想されます
その状況で自分自身が高得点を取らなければ合格は難しくなります

例2)浜松医科大学の場合

浜松医科大学の医学部は医科単科大学であるため、医学部独自で問題が作成され、総合大学に比べて得点しにくい難問が出題されることがあります。
浜松医科大学はボーダーが低く、受験者のレベルは筑波大よりも低くなるため、過去問であまり手応えが良くなくても合格できる可能性は高くなります

このように過去問との相性だけを重視すると、必要な点数が思ったより高く合格できなかったということも起こり得ます。
過去問の傾向と出題される問題のタイプ、必要な点数を理解した上で受験校を決めましょう。

合格点のボーダーで選んでしまう

志望校選びで合格最低点だけを重視することも避けましょう。
なぜなら、ボーダーは毎年変わるため、自分が受験する年も同じボーダーになるとは限らないからです。
また、過去問は多くの受験生が取り組んでいますが、実際の採点基準がわからず正しい採点ができないことも理由のひとつです。

採点基準は公開されていない

例えば、偏差値が高くボーダーが低い場合は、採点基準が厳しい傾向があります。
採点基準が公開されていないことから、自己採点も曖昧になり「合格最低点をクリアできた」と思い込む場合もあるのです。
そのため、合格最低点だけを重視することは避け、複数の指標を総合的に判断することが大切です。

二次試験が重視されるから

二次試験が重視される大学であれば「二次試験で挽回しよう!」と、共通テストで思うような結果がでない場合は思うものです。
しかし、ここで気を付けたいのは、二次試験の比率が高いのは、偏差値が高い大学が多いことです。
例えば、自分の偏差値が63だとします。
そこで共通テストで思うような結果がでずに、二次試験で挽回しようと、二次試験の配点比率が高い偏差値68の大学に出願しても失敗する可能性があります。
共通テストでつまずいた受験生は、二次試験での挽回に可能性を賭けたくなりますが、基本的に二次試験で逆転合格できるのは、自分の偏差値よりも低い大学です。

足きりがない大学にしてしまう

「足切りがない大学」とは、大学入試において合格基準が比較的緩やかなことが多いです。
一定の基準を満たせば誰でも合格できるというわけではありませんが、他の大学と比較して、合格率が高くなっている傾向があります。
ただし、これらの大学でも一定の合格基準は存在します。

入学後に大変になることも

また、入学後の学業成績によっては退学処分を受けることもあるため、入学後も学業に真剣に取り組む必要があります。
足切りがない大学に進学する場合、自分自身の目的や進路を考慮してください。
また、大学のカリキュラムや教育方針、教員陣の質なども十分に調べることも重要です。

得意科目の配点で選んでしまう

得意科目の配点だけでは合格には近づきません。
全ての科目で納得できる得点を獲得する必要があります。
医学部入試の足切りは各選考段階で厳しくチェックされるため、合格を目指す学生にとっては選考基準をしっかりと理解し十分な対策を講じることが重要です。

総合的な力が試されるのが医学部試験

特に、筆記試験では、専門科目に関する知識や理解度を高めることが肝要です。
また、面接試験では、コミュニケーション能力や医学部で学ぶ意欲をアピールできるように、十分な準備が必要です。
得意科目の配点で選んでしまうことがないようにバランスよく各科目を学習してください。
大事なのはあくまでも総合的な力です。

まとめ

医学部受験において、大学によっては足きりを実施する場合があります。
大学側が足きりする理由はさまざまですが、受験生としては足きりされないための対策が必要です。
今回は各大学の足きりやボーダーについてもご紹介しました。
志望校選びの材料にしてください。
ただし、安易に志望校を決めることなく、本記事で解説した注意点を考慮して選びましょう。

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