医学部受験に合格するには5,000時間必要?学年別に必要な学習時間やスケジュールを解説
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カテゴリ:勉強・対策
医学部受験は難易度が高く、できるだけ早い段階から受験対策をしようと考えている方もいるでしょう。
実際にどれくらいの学習量を確保すれば、医学部に合格できるのか疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は医学部に合格するために必要な勉強時間に加え、現役合格者の勉強例や、おすすめの勉強場所を解説します。
- 医学部受験に合格するための学年別スケジュール
- 医学部に合格するための科目別学習法
- 集中して学習できる最適な環境
医学部合格の勉強目安は5,000時間
医学部に合格するには、約5,000時間の勉強が必要といわれています。
1日8時間勉強する場合は、625日かかる計算となり、医学部合格には非常に多くの時間がかかることがわかるでしょう。
もちろん、5,000時間というのはあくまでも目安にすぎないので、実際はさらに多く勉強していたり、逆に少ない時間で合格できたりする可能性もあります。
いつから勉強を始めればいい?
高校1年生の段階から徐々に勉強を進めていかなければ、医学部に合格するのは難しいでしょう。
なお学年別の勉強時間は、以下を参考にしてみてください。
- 高校1年生→週20時間以上
- 高校2年生→週30時間以上
- 高校3年生→40時間以上
高校3年生では、週40時間以上の学習時間を確保しなければならないため、目安としては平日に3~6時間程度、休日に12時間程度の時間が必要となります。
高校3年生になると部活を引退するケースが多いので、学校が終わってからの時間を有効活用すれば、充分に時間を確保できます。
根気よく勉強を進めなければならないため、スケジュール管理を行い計画的に受験対策を進めるのがポイントです。
医学部の合格難易度
医学部に合格するには約5,000時間の勉強が必要といわれていますが、実際の難易度はどれくらいなのでしょうか。
ここでは、ほかの学部との偏差値の違いを見ていきましょう。
例えば、東京大学の場合、一般選抜における偏差値は67.5~72.5ですが、医学部は72.5でありトップクラスの偏差値が必要となります。
そのほか、日本大学の経済学部の偏差値は45.0~50.0ですが、医学部は65.0となっており、15の差があります。
医学部の倍率
医学部はほかの学部よりも偏差値が高い傾向があることに加え、倍率も高いことから、合格ハードルが高いといえるでしょう。
実際、広島大学の2022年度の出願データを見てみると、文学部は2.0倍であるのに対し、医学部は6.9倍となっており、医学部の倍率が高いことがわかります。
また、日本大学の文理学部ドイツ文学科は1.5倍であり、医学部は1期が7.8倍、2期が43.8倍となっており、大きな差があることがわかるでしょう。
医学部は倍率が高く、多くの受験生と競って合格を目指さなければなりません。
そのため、ほかの学部よりも、より早い段階で対策を進めていくことが大切です。
【学年別!】医学部合格者のスケジュール例
医学部に合格するには、しっかりとスケジュール管理を行うことが大切です。
高校1年生時点では受験まで時間に余裕があるので、積極的な受験対策をする機会は少ないでしょう。
しかし、医学部に合格するには、高校1年生の時点から計画的に対策を進めることが大切です。
ここでは、医学部合格者のスケジュール例を学年別に見ていきましょう。
高校1年生
高校1年生では新しく習う公式や法則、文法などがあるため、しっかりと基礎を学びましょう。
基礎の学習が完璧にできるようになってきたら応用問題もしっかりと解いていき、確実に力をつけることがポイントとなります。
集中的に学習するポイントを理解する
夏休みや冬休みといった長期休暇中を用いて、弱点の克服が大切です。
期末テストでつまずいたところや、点数が悪かった箇所を重点的に復習し、定着させましょう。
英語や古典については、単語を確実に覚えなければなりません。
長期休暇を有効活用することで、新学期や新学年からの学習をスムーズに行えるようになるでしょう。
高校2年生
高校2年生の学習スケジュールについて解説します。
春に行うべき学習
高校2年生では、春の間に1年生の総復習を行います。
特に理科や社会系の科目を重点的に行い、基礎を定着させて応用問題に慣れておくことがポイントです。
また、中間テストや期末テストでは、しっかりと点数を取りましょう。
学校のテストとはいえ、基礎問題が出題されることから、自分の力が可視化されるので、90点以上を目指すことが大切です。
夏に行うべき学習
夏休みは数学Ⅱ・数学B、英語の長文読解の演習を進めましょう。
夏休みは学校の授業がないので、時間を有意義に活用することができ、夏休みの過ごし方が医学部合格のカギを握っているといっても過言ではありません。
秋に行うべき学習
夏休みがおわったら、中間テストや期末テストに向けて、勉強を進めていかなければなりません。
夏休み中に苦手範囲を克服できたかどうか、実力試しの意もあることから、真剣に取り組みましょう。
冬に行うべき学習
冬休みに入ったら、数Ⅲ・数Cを終わらせることがポイントです。
医学部では数学や理科系科目の難易度が高いので、できるだけ早い段階で全範囲を学習しておく必要があります。
なお、高校2年生が終わるタイミングで、数学のみならず英語の学習もしっかりとしておきましょう。
単語やイディオムを覚えることはもちろん、長文読解に力を入れて演習していくことがポイントです。
また、過去問など実際の試験で出題された問題を解いてみるのもいいでしょう。
高校3年生
高校3年生では、学校のテストや実力テストに加え、模擬試験を受けるようになります。
模擬試験は、実際の試験を模倣した問題や過去問題から出題される傾向があるので、積極的に受験しましょう。
また、高校3年生では、数学や理科系科目のほかに、国語や古文、社会系科目も学習していくことがポイントです。
暗記科目や過去問に取り組む
漢字や古語などの暗記系の問題を演習して、着実に覚えましょう。
志望校の過去問題を何度も演習していくことも大切です。
過去問題を解くことで、出題傾向を把握できるだけでなく、時間配分を意識できます。
本番は、緊張感から時間を忘れてしまうことがあったり、逆に時間を意識しすぎて焦ったりすることも少なくありません。
しかし、時間を計測しながら過去問題を解くことで、時間配分を自分のなかで調整でき、コントロールしやすくなるでしょう。
浪人生
浪人生の勉強スケジュールについて解説します。
浪人生は切り替えが重要
浪人生の春はまだ現役時代のことを考えてしまう方も多いのではないでしょうか。
浪人生が合格するにはなるべく早く切り替えて、勉強に集中することが重要です。
春の時期は現役の時に課題だったことなどをまとめて、1年で合格に到達できるよう計画を立てるようにしましょう。
夏~秋はとにかく勉強時間を費やす
夏~秋の時期は勉強への熱も落ち着き、遊んでしまう人も多くいるでしょう。
ただ、夏~秋の勉強量が受験合格を大きく左右します。
1日12時間は学習できるように自分と向き合って学習しましょう
冬の時期は過去問対策と健康管理
受験が近づいてきたら、志望校の過去問対策に集中しましょう。
受験の傾向を見直したり、<間配分を確認しておくことが重要です。
また、受験本番で力を発揮できるように健康管理を十分に行っておくことも大切です。
勉強時間を確保する方法・コツ
ここでは勉強時間を確保する方法やコツについて詳しく解説していきます。
勉強時間を確保する方法やコツについてはこちらが挙げられます。
- 無駄な時間を極力減らす
- 睡眠時間は削らない
- 学習計画を作り、それに沿って勉強する
- ゴールから逆算してどの位置にいるのか確認する
無駄な時間を極力減らす
まず無駄な時間は極力減らすようにしましょう。
ゲームをしている時間や遊ぶ時間など、受験に関係ない無駄な時間を減らすことで、勉強に使える時間を増やすことができます。
息抜きも大切ですが、毎日数時間無駄な時間がある方は注意が必要です。
睡眠時間は削らない
次に睡眠時間は削らないことが重要です。
睡眠時間を削ることで勉強中の集中力がなくなり、勉強の効果に悪影響を与えることになります。
規則正しい生活で睡眠時間も7時間以上は取れるようにしましょう。
学習計画を作り、それに沿って勉強する
次に長期と短期で学習計画を作ることを推奨します。
長期で学習計画をつくる場合は3か月ごとに計画を立て、短期で学習計画をつくる場合は1ヶ月、1週間をめどに見直しましょう。
計画を立てて、それに沿って学習することで、今何をやるべきか明確になり考える時間を勉強に回すことができます。
ゴールから逆算してどの位置にいるのか確認する
次に受験合格のゴールから逆算して、現状の自分の位置を確認するようにしましょう。
具体的には模試や過去問対策になります。
現状のレベルを理解したり、周りの生徒との距離感を理解することで焦りが生じて学習に時間を使うようになるでしょう。
医学部の受験科目
医学部の受験科目には、さまざまな種類があります。
重点的に勉強すべき科目の把握は非常に重要なため、ここでは医学部の受験科目について詳しく見ていきましょう。
国公立か私立で受験科目が異なる
医学部は、国公立か私立かによって受験科目が変わります。
国公立大学の場合
例えば国公立の医学部を受験する場合、一次試験では大学入学共通テストを受けなければならず、5~7科目の学習が必要です。
さらに二次試験では筆記試験に加えて、小論文や面接を課すところもあります。
私立大学の場合
一方、私立の医学部の受験科目は英語や数学2科目、理科系2科目などの5科目受験や、5科目に加えて国語や社会を合わせた7科目といったケースが多いです。
私立の医学部のなかには、4科目の場合もあり、大学によって科目数が大きく変わることも珍しくありません。
国公立や私立に問わず、英語や数学の試験が課せられることが多いので、高校1年生の段階からの対策をおすすめします。
英語
英語の試験では、長文読解やリスニング問題が出題されます。
リスニング対策
そのため、日ごろから単語やイディオムを覚えるのはもちろん、リスニング対策をしておきましょう。
リスニングについては、短期間で対策できるわけではないので、高校1年生から時間をかけて英語に慣れておくことがポイントです。
高い語彙力や読解力が求められる
単語やイディオムは加点につながる重要なポイントになるので、高校3年生になるまでに、単語帳をしっかりと覚えておくことが大切です。
長文読解については、800~1,000単語程度の長文を1週間で2~3本ほど読んで、リーディング力を身につけることが大切です。
長文読解のなかでわからない単語やイディオムが出てきたら、その都度ノートに書き写して覚えましょう。
数学
数学は、公式や法則をしっかりと覚えておかなければ、問題を解くことができません。
そのため、基本をしっかりと学び、何度も演習していくことが大切です。
繰り返し問題を解くことが重要
本番の試験では、時間がなくなりやすい科目なので、焦らず冷静に問題を解ける力が重要となるでしょう。
数学を受験までに対策する方法のひとつとして挙げられるのは、反復演習です。
できるだけ多くの問題を解いて、数学の問題に慣れることが大切です。
パターン別の学習方法も有効
もちろん、時間の制限があるため、計算に時間がかかったり、どの法則を使えばいいか悩んだりすると、回答できないことも少なくありません。
つまり、問題文を読んで、どの公式や法則を使えばいいかを瞬時に判断できるかどうかがポイントとなるのです。
多くの問題に触れていれば、出題パターンを把握できるので、適切な公式や法則を判断し、解答スピードを上げられるでしょう。
理科選択
医学部の受験では、理科系科目の試験があることが一般的です。
物理や化学、生物から2科目を選択し、試験を受けます。
いずれの科目も難易度は大きく変わらないので、自信のある科目を選ぶといいでしょう。
物理や化学の場合、演習を反復して行い、出題傾向やパターンの把握がポイントとなります。
また、生物では、暗記しなければならないところもあるので、できるだけ早い段階から参考書や問題集を使って、言葉や意味を覚えておきましょう。
大学入学共通テストがあるなら国語と社会選択も
国公立大学の医学部を受験する場合は、大学入学共通テストを受験しなければならず、国語や社会も勉強しておかなければなりません。
そのため、英語や数学、理科系に特化した対策だけでなく、日ごろから国語や社会などの文系科目の勉強も進めましょう。
おすすめの勉強場所
医学部に合格するには、たくさんの勉強時間を確保しなければならないほか、さまざまな科目を網羅的に学習しなければならないので、集中力を保てるかが重要なポイントとなります。
さらに、勉強場所によって集中力を保てるかが変わったり、勉強のはかどり具合に影響したりすることも少なくありません。
一般的には図書館や自宅で勉強することが多いですが、1か所にこだわらず勉強できる場所をいくつか持っておくことで、気分転換につながり、結果的に勉強がはかどるでしょう。
ここでは、勉強するときのおすすめの場所を紹介します。
図書館
図書館は無料で開放されていることが多く、基本的には誰でも自由に利用できます。
学習スペースが用意されているところもあり、静かな環境で集中して受験対策を進められるでしょう。
一般公開されている大学の図書館も○
公立や国立の図書館以外に、大学によっては一般の方向けに図書館を開放していることもあります。
大学の図書館は、学生向けにつくられていることから、学習スペースがたくさん確保されているでしょう。
そのため、公立図書館が空いていないときは、一般公開されている大学の図書館の利用を検討しましょう。
利用者が多く席が開いていないことも
しかし、タイミングによっては、利用者が多く、席が埋まってしまって利用できないといったケースも珍しくありません。
特にテストが近くなると、学生が勉強するために図書館を利用するので、席が空いていないこともあるでしょう。
したがって、図書館が使えないときのために、別の場所も考えておく必要があります。
教室
学校の教室を利用して勉強するのもおすすめです。
学校によっては、授業が終わったあとや、休日に教室を使わせてくれることがあり、受験対策を行うことができます。
また、わからないことがあるときは、先生に質問できるといったメリットもあるでしょう。
ただし、遅くまで部活をしている生徒がいる場合は、声や音が気になることも少なくありません。
さらに、普段から使っている教室ということもあり、気持ち的な面で切り替えられず、集中力が切れてしまうこともあるでしょう。
予備校
学校の教室で集中力が続かない場合は、予備校を活用するのもおすすめです。
予備校は、授業がないときでも、教室や自習スペースを自由に使えることが多く、静かな環境で勉強できます。
また、つまずいたところは講師に質問できるため、効率的に勉強を進められるでしょう。
特に医学部専門の予備校であれば、医学部の受験対策に特化した指導が受けられます。
参考書や問題集を貸してもらえることもあるので、さまざまなテキストに挑戦できるといったメリットもあります。
カフェ
学校や図書館は、静かな環境で勉強できるのがメリットですが、集中力が切れたときに、リフレッシュできる環境が整っていないので、人によっては気持ち的につらくなってしまうこともあるでしょう。
しかし、カフェであれば、コーヒーやお菓子を楽しみながら、勉強に励むことができます。
音楽を聴いたり本を読んだりなど、勉強の合間に気分転換できるので、集中力を回復させられるでしょう。
おすすめできない勉強場所はある?
勉強できる場所はたくさんありますが、中にはおすすめできない場所もあります。
例えば、自宅や賑やかな飲食店などは勉強に不向きといえるでしょう。
自宅
自宅は、食事や睡眠をするための場所という認識があるので、どうしても集中できず、だらけてしまう可能性があります。
また、自宅で勉強すると、休みと勉強のメリハリがつけられにくいことから、かえって集中力が切れてしまうことがあるでしょう。
そのため、自宅や自室は勉強に適しておらず、ほかの場所で受験対策することが大切です。
賑やかな飲食店
カフェや静かな飲食店であれば、リフレッシュ効果もあることから、勉強に適していますが、賑やかな飲食店は騒音が気になってしまい集中できないことがあります。
また、飲食店によっては、勉強自体を禁止しているケースもあるので、賑やかな飲食店や忙しい店舗や避けたほうがいいでしょう。
そのほか自分が集中できない場所
そのほか、自分自身が集中できないと感じる場所では、勉強する場所に適していません。
人によって集中できる場所と、そうでない場所には差があり、自分がどう感じるかが重要です。
例えば、公園で勉強するとはかどるといった人もいれば、友人の家で一緒に勉強するほうが集中できる場合もあり、どちらにも該当しない人もいるでしょう。
そのため、自分が集中できるかどうかを軸に、勉強場所を考えることが大切です。
集中した環境で医学部受験対策を行うなら医進の会
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まとめ
医学部は、ほかの学部よりも難易度や倍率が高く、合格するためには高校1年生のときから受験に向けて対策しなければなりません。
さらに、スケジュール管理が大切であることに加え、複数の科目を網羅的にしっかりと勉強していく必要があります。
とはいえ、自分の力だけでは勉強が上手くいかなかったり、継続できなかったりするケースもあるでしょう。
そこで、おすすめなのが医学部予備校の活用です。
医学部予備校を活用すれば、適切なスケジュールに沿って勉強を進められるのはもちろん、質の高い授業を受けられます。
この記事の執筆者:医進の会代表 谷本秀樹
大学入試は四谷学院などの大手予備校や多くの医学部受験予備校で、主に生物の集団授業と個別授業で300人以上の受験生を担当。
自身の予備校『医進の会』発足後は、これまで500人以上の生徒の受験と進路指導に携わってきた。
圧倒的な医学部入試情報量と経験値、最適なアドバイスで数多くの受験生を医学部合格に導いてきた、医学部予備校界屈指のカリスマ塾長。