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医学部受験のレベルは?どれくらい難しいの?国公立大学や私立大学の違い、難易度を解説

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カテゴリ:大学情報

本記事では医学部受験の難易度について詳しくご紹介します。
医学部がなぜ難しいかや国公立や私立の違いや医学部大学の偏差値・倍率ランキング、医学部合格に満たすべきレベルについても徹底解説しています。
医学部受験を考えている方は是非参考にしてください。
医学部の受験を考えている方には必見のコラムです。

なぜ医学部受験は難しい?


医学部受験はなぜこんなに難しいのでしょうか。
まずは医学部受験の難しい理由について詳しく解説していきます。

受験生からの人気・倍率が高いため

医学部受験が難しい理由として、受験生からの人気や倍率が高いことが挙げられます。
また人気や倍率が高くなる理由は、キャリアアップの選択肢の広さ・年収の高さ・社会的意義の大きさなどがあります。
キャリアアップの選択肢の一つとしては、「開業医」になることもできます。
そんな魅力的な職業である医師になりたい受験生が多いため、倍率も上がります。
そして、人気が高まれば高まるほど合格枠に限りがあるため、難易度が上がります。

浪人生の数が多いため

また、医学部志願者には浪人生の比率が高いため医学部受験の難易度が上がります。
年度にもよりますが、平均すると合格者の3人のうち1人が現役生、2人が浪人生となっています。
医学部の合格者の大半を占めるのが「再受験生」です。
再受験生は、社会経験や他学部を経ていたり、浪人生のことを言います。
このように、医学部受験を何度も挑戦している受験強者との戦いになるため、難易度が上がります。

面接・小論文があるため

次に、面接・小論文があるため医学部受験の難易度が上がっているとされます。
医学部受験には、面接がつきものです。
さらに、私立では特に小論文試験があるところも多いです。
面接や小論文は明確な答えが無く、人それぞれなので対策がしにくかったり、せずにいたり、しても誤った方法で行ってしまう場合があります。
5教科の学習に加えて面接・小論文の学習を行わないといけないため、ほかの学部に比べて難易度は上がります。

医師国家試験が難しいため

最後に、医師国家試験が難しいため医学部受験の難易度は上がっています。
つまり、医師に求められる知識・経験をしっかりと吸収し、難関試験である医師国家試験に合格する努力ができる人間かどうかを医学部入試で問います。
そのため、医師国家試験が難関であるため、その入口となる医学部入試も必然的に難易度が高くなります。

【医学部】国公立大学と私立大学の違い


次に国公立大学と私立大学の違いについて解説します。

【医学部】国公立大学の特徴

国公立大学では、一次試験として大学入学共通テスト、そして二次試験で個別試験を受験します。
大学入学共通テストで5教科7科目、個別試験で3教科4科目となっており、受験科目の多さと個別試験のレベルの高さが国公立大学の特徴です。
大学入学共通テストで基準点に達することが出来なければ、二次試験を受験することが出来ません。
そのため共通テストでは80~85%以上の得点率が求められます。
ほとんどの大学において共通テストで必須となる受験科目は基本的に同じですが、個別試験の難易度や出題傾向は大学ごとに異なり、前期日程は学科試験、後期日程は面接と小論文が配点の多くをしめている傾向にあります。
国公立大学の医学部の一般試験は、前期日程と後期日程の2回で実施されますが、仮に、前期で合格できなかったとしても、後期日程で挽回するチャンスはあります。
しかし、後期日程は募集人数がそもそも少ないため前期日程より倍率や難易度も高くなるのは確実です。
また、大学によっては、前期日程しか用意していない大学もあるので注意しましょう。

【医学部】私立大学の特徴

私立大学の入試、特に一般選抜では、大学によって試験の内容や形式、配点のバランスがかなり異なります。
一般選抜を考えているのであれば共通テストを受けなくとも受験は可能であるため、勉強すべき科目をしぼる分負担が軽減できるという捉え方もあるでしょう。
それでも、ボーダー偏差値を国公立大学と同様に65以上に設定している私立大学も多く、決して難易度が下がるとは言えません。
受験勉強にあたっては、大学ごとに出題の特徴があるため、その特徴をしっかり把握したうえでの対策が重要になります。
マーク式の大学もあれば、問題の量が多くスピードや取捨選択、あるいはその両方が求められる大学もあります。
出題内容についても、大学ごとに特徴が異なるとはいえ、自分が目標とする大学の過去問を反復し研究することで、大まかな傾向は掴みやすくなるでしょう。
ほとんどの場合、一般選抜では英語・数学・理科2科目に加え小論文と面接を課されますが、大学によっては共通テストの受験を求められる場合もあるため、受験科目等はしっかりと確認しておきましょう。

医学部大学の偏差値・倍率ランキング


全国の医学部や医科大学の偏差値と倍率などについて、表で見やすくまとめました。

国公立大学

前期試験のデータをもとに、倍率の高い順に国公立大学を並べました。

順位 大学名 倍率 受験者 合格者 偏差値
1位 奈良県立医科大学 8.6 189名 22名 69.7
2位 岐阜大学 7.8 434名 56名 67.0
3位 島根大学 6.5 416名 64名 65.3
4位 山口大学 5.7 312名 55名 65.5
5位 弘前大学 5.6 396名 71名 65.0
6位 山形大学 4.5 332名 73名 64.2
6位 宮崎大学 4.5 212名 47名 64.5
8位 札幌医科大学 4.3 327名 76名 64.8
8位 琉球大学 4.3 313名 72名 64.2
10位 鳥取大学 4.2 349名 83名 64.8
11位 三重大学 4.1 310名 76名 66.7
11位 鹿児島大学 4.1 288名 70名 65.8
13位 広島大学 4.0 382名 95名 68.7
14位 旭川医科大学 3.9 160名 41名 64.2
15位 富山大学 3.7 273名 74名 65.8
15位 愛媛大学 3.7 204名 55名 66.3
17位 東京医科歯科大学 3.5 271名 78名 73.7
17位 熊本大学 3.5 344名 97名 67.0
17位 佐賀大学 3.5 181名 51名 64.2
20位 浜松医科大学 3.4 256名 75名 67.2
21位 秋田大学 3.3  182名 55名 63.3
22位 長崎大学 3.2 232名 72名 67.0
22位 香川大学 3.2 249名 79名 64.8
24位 信州大学 3.1 307名 100名 66.7
24位 北海道大学 3.1 275名 90名 68.3
24位 高知大学 3.1 194名 62名 64.8
24位 福島県立医科大学 3.1 260名 83名 64.2
28位 新潟大学 3.0 265名 89名 67.0
28位 東京大学 3.0 288名 97名 77.5
30位 和歌山県立医科大学 2.9 35名 12名 65.8
31位 京都府立医科大学 2.8 281名 101名 69.2
31位 福井大学 2.8 168名 59名 64.5
33位 大阪公立大学 2.7 216名 80名 68.7
33位 名古屋市立大学 2.7 165名 61名 68.0
35位 岡山大学 2.6 255名 97名 69.2
35位 群馬大学 2.6 198名 76名 66.3
35位 千葉大学 2.6 286名 109名 69.8
38位 神戸大学 2.5 233名 94名 69.5
38位 横浜市立大学 2.5 183名 73名 69.2
38位 金沢大学 2.5 219名 87名 67.0
41位 名古屋大学 2.4  224名 94名 69.8
41位 京都大学 2.4 259名 108名 76.5
41位 大阪大学 2.4 223名 94名 74.0
41位 東北大学 2.4 208名 85名 69.8
45位 九州大学 2.3 244名 108名 70.5
45位 大分大学 2.3 154名 66名 64.8
45位 筑波大学 2.3 165名 65名 68.0
48位 徳島大学 2.2 150名 68名 64.8
49位 滋賀医科大学 2.1 194名 92名 66.7
51位 和歌山県立医科大学 1.9 122名 64名 65.8

上の表を見ると、上位に地方国公立が多くあるという結果になりました。
理由として、地方では地元意識が強く、そのまま地元の大学に進学する人が多いことが挙げられます。
また都市部の国公立のなかには偏差値が高い大学が多く、都市部の人たちは合格の可能性を求め、地方の大学を受験する人が多いことも挙げられます。
そのため地方の大学の受験者は、地元出身者と都市部在住者で構成されることが多く、都市部の国公立より定員が少ない地方国公立大の倍率は高くなります。

私立大学

順位 大学名 倍率 受験者 合格者 偏差値
1位 久留米大学
(後期一般)
103.8 519名 5名 64.7
2位 聖マリアンナ医科大学(一般後期) 85.8 1030名 12名 63.8
3位 金沢医科大学
(一般後期)
82.9 1161名 14名 64.3
4位 関西医科大学
(一般後期)
62.3 374名 6名 67.8
5位 獨協医科大学(前期) 53.1 2017名 38名 63.2
6位 東邦大学
(千葉県地域枠)
49.5 99名 2名 66.5
7位 藤田医科大学
(一般後期・一般枠)
47.2 425名 9名 65.3
8位 大阪医科薬科大学
(一般後期)
46.7 701名 15名 68.5
9位 昭和大学(Ⅱ期) 45.4 862名 19名 68.7
10位 埼玉医科大学
(一般後期)
44.7 1118名 25名 63.2
11位 日本大学 (N全学統一方式第2期) 44.2 752名 17名 65.0
12位 近畿大学(一般後期) 42.8 557名 13名 66.0
13位 帝京大学(静岡枠) 31.0 62名 2名 65.0
14位 東邦大学
(新潟県地域枠)
30.6 60名 2名 66.5
15位 帝京大学 28.9 6442名 223名 65.0
16位 東海大学 26.8 3186名 119名 64.7
17位 東邦大学 25.6 2537名 99名 66.5
17位 川崎医科大学 25.6 1252名 49名 61.0
19位 帝京大学(福島枠) 25.0 75名 3名 65.0
20位 日本医科大学(後期) 23.4 398名 17名 69.7
21位 順天堂大学(B方式) 22.8 228名 10名 70.0
22位 日本医科大学
(前期地域枠)
22.7 591名 26名 69.7
23位 帝京大学(茨城枠) 21.0 21名 1名 65.0
23位 埼玉医科大学(前期) 21.0 1593名 76名 63.2
25位 帝京大学(千葉枠) 18.0 36名 2名 65.0
26位 大阪医科薬科大学
(大阪府地域枠)
17.5 35名 2名 68.5
27位 兵庫医科大学
(高大接続型)
16.2 243名 15名 64.2
28位 岩手医科大学 15.5 2164名 140名 63.2
29位 藤田医科大学
(後期・愛知地域枠)
15.3 92名 6名 65.3
30位 自治医科大学 14.9 1829名 123名 68.8
31位 金沢医科大学(前期) 14.8 3008名 203名 64.3
32位 福岡大学 14.2 1920名 135名 64.7
33位 聖マリアンナ医科大学(後期) 13.2 2256名 171名 63.8
33位 近畿大学(前期) 13.2 1426名 108名 66.0
35位 杏林大学 13.0 2842名 218名 65.0
36位 東京医科大学 12.8 2290名 179名 66.2
37位 関西医科大学(前期) 11.5 2086名 182名 67.8
38位 順天堂大学(A方式) 10.7 1998名 187名 70.0
39位 昭和大学(Ⅰ期) 10.3 2403名 234名 68.7
40位 国際医療福祉大学(前期) 9.8 2931名 300名 67.8
40位 大阪医科薬科大学(前期) 9.8  1590名 163名 68.5
42位 日本医科大学(前期) 9.6 1651名 172名 69.7
43位 兵庫医科大学
(A・4科目型)
8.8 1568名 178名 64.2
43位 東京女子医科大学 8.8 873名 99名 63.5
45位 日本大学(N全学統一方式 第1期) 7.5  1651名 221名 65.0
46位 慶応義塾大学 7.3 1219名 168名 74.5
47位 久留米大学(前期) 7.2 1183名 164名 64.7
48位 藤田医科大学(前期) 6.5 1510名 231名 65.3
49位 北里大学 6.2 1907名 308名 63.8
50位 愛知医科大学 6.1 1327名 219名 64.8
51位 東北医科薬科大学 5.2 1679名 321名 65.0
52位 藤田医科大学(前期・愛知県地域枠) 4.2 163名 39名 65.3
53位 東京慈恵会医科大学 3.5 283名 80名 70.7

上の表をみると上位3位まではどれも後期試験となっており、特に1位の久留米大学は倍率が100倍を超えるなどかなり難易度が高くなっています。
後期試験は実施している大学、していない大学があり、前期で上手くいかなかった人たちが流れてくることや、その受験者数に対して合格者数が少ないため、前期よりも倍率が高くなる傾向にあります。
また、国公立大学と比較すると倍率の差が大きく、今回挙げた大学の大半が10倍を超えています。
国公立医学部はかなりレベルが高いので、滑り止めとして私立を受けたり、元々私立専願の場合もあるため、倍率が高くなります。
倍率を上げるほかの要因として考えられるのは、大学入学共通テストの難易度が高い年は、国公立志望の受験生も私立志望に変更したりすることが挙げられます。
また、他の大学と入試日程が重なっていない大学は多くの人が受けられるため、倍率が上がります。
そして、前年度倍率が低かった大学は、ねらい目だと思われ倍率が上がる可能性があります。
逆に倍率が下がる要因として、前年度の倍率が高い場合があります。
これは先ほど述べた反対の理由になります。
また、受験生にとって負担になる出題範囲や科目の変更があった場合も倍率が下がる可能性があります。

医学部に合格するために満たすべきレベル

国公立の医学部大学合格を目指しているか

医学部は私立と国公立に設置されていますがどちらを目指すかで条件が違うために、勉強方法も異なってきます。
国公立大学に行きたいのであれば、1月中旬に行われる大学入学共通テストを受験する必要があります。
大学入学共通テストの結果と二次試験の結果で合否が決定します。
大学入学共通テストの対策をしておかないと、足切りといって一定の点数を確保していないと二次試験に進めない制度まで実施している学校もあります。
大学入学共通テストは難問はそれほど出ず、教科書レベルの問題が多いです。
また、問題の癖なども過去問を通して理解しておくとより良く、正答率90%以上とれていると大学入学共通テストは突破できるでしょう。
二次試験では、国公立は偏差値60代後半から70台程度必要になります。
また、学科試験だけでなく、面接や小論文などを出題する大学もあります。
大学入学共通テストが終わってからでは、対策が間に合わない場合があるので、しっかりと大学について情報収集を行いましょう。
このように国公立の医学部に入るためには、かなりレベルが高く、対策が必要です。

医学部に入るための経済的な条件を満たしているか

私立の医学部では大学入学共通テストが必要であるかは大学ごとに違うので、自分が受ける大学の募集要項などで確認を必ずしておきましょう。
また、大学入学共通テストが必要な私立大学である場合には、正答率80%を目標に学習しておきましょう。
これは国公立医学部に比べると、まだハードルは低いですが、しっかり対策が必要なレベルです。
そして、私立大学の多くは小論文を二次試験で課すことがあります。
普段から読書をしたり、文章に触れておくと良いでしょう。
また、誰かに添削してもらうという事も大切になります。
学校の先生や予備校の先生に頼んでみましょう。
また、何度も書いて小論文に慣れていきましょう。
また、私立医学部に入るには経済的な要因があります。
私立医学部は卒業するまでの学費として大学によって異なりますが、平均で3,000万円程度かかります。
国公立大学は平均350万円であることを考えると、かなりの差があります。
しかし、成績優秀者には授業料免除やその大学ごとに行っている奨学金制度などもあるため、学費についても気になる大学について調べ、家族と話し合いをしておきましょう。

効率の良い学習方法を知っているか

医学部は理系のイメージがあり、数学や理科が重要になることもありますが、大学入学共通テストでは国語や社会も必要になります。
国語や社会の点数が低ければ、全体のパーセンsテージも低くなり、大学入学共通テストを突破することが難しくなります。
そのため、限られた時間の中で効率よく勉強することがかなり重要になってきます。
まずは、不得意科目をなくし、全体的な点数を上げましょう。
不得意な科目は基礎的な問題も落としている可能性が高いので、点数を上げることがまだ容易になります。
そして、大学入学共通テストは先ほども述べた通り基本的な問題が多い傾向にあります。
もちろん難度の高い問題も出題されますが、合否が分かれるのは、基本的な問題をいかに得点できるかです。
そのために、教科書をもう一周してみたり、基本事項の確認を行うようにしましょう。

まとめ


今回は医学部受験における難易度について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
国公立志望か私立志望かによって条件が異なりますが、まずは大学共通テストレベルの問題をしっかりとこなせるようになっておきましょう。
また、倍率や偏差値は大学選びの大事な指標になりますが、自分の出願した大学の倍率などが上がっていても、落ち着いて挑めるような対策が必要です。
本記事を通して医学部に興味を持たれた方は、医学部受験をぜひ検討してみてください。

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